「哀しいかな、駄作の量産態勢に入ったのか、是枝裕和監督は。」海よりもまだ深く お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
哀しいかな、駄作の量産態勢に入ったのか、是枝裕和監督は。
素人が現実をそのまま映画にしてしまうと、観るに耐えない品物になることがあります。
この映画は、そのような品物に、きわめて近いです。
ダメな大人の男と女の間に、とても良くできた子供がいる、という状況をスケッチした作品です。
これで観客が、ダメ男か、ダメ女か、甘やかし婆さんのどれかに自分を投影できるなら、それで勝ちだぜ……という監督の計算なのかも知れませんが、そいつは甘過ぎる計算です。
観る側の個人的な事情に期待するような作品など、失敗映画としか言いようがありません。
父親役の阿部寛は、ダメ人間を熱演していて、もしかしたらその役柄を楽しんでいるようにも見えますが、ほんとダメ人間です。
母親役の真木よう子も、与えられた役柄を演じているものの、やはりダメ人間でしょう。
大切なところについて説明を省略して、観る側の想像力に丸投げする傾向が、この監督にはあるのですが、この方法に頼ってしまうと駄作が大量生産される危険があると思います。
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