ルームのレビュー・感想・評価
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世界の素晴らしさを実感
てっきり借りたときは、二時間かけてどうやって脱出するか!?みたいなソリッドサスペンスかと思ってたけど、一時間で部屋を出て、あとは外の話だった。
二人が奇跡的に、無事に外の世界で会えた瞬間は感動もの。お母さんはダメかと思った😂
それだけでも十分見ごたえあったけど、外に出てからの葛藤が、心に刺さった。
ずっと二人で助け合ってきたはずなのに、お母さんは自分の人生がねじ曲げられたこと、7年間で多くのものを失い、もうそれは取り戻せないこと。どうして自分だけ、という気持ちばかり募っては、息子にもあたるようになってしまう。この流れは見てて苦しかった。まるで息子のことをお荷物だと言わんばかりの目をしてた。。。
息子の方が、世界に対する順応が早かったけど、やっぱり最初は、お母さんがいつも側にいれるわけじゃない環境、未知のものに囲まれる不安、弱っていくお母さんの姿など、5歳の子どもには耐えられないものばかり。
いいママじゃない、でもママだよ、って、泣けるわ(笑)
最後に二人が部屋と決別し、歩いていく姿が印象的。
どうか幸せな人生が二人を待っていますように、って気分になる映画。
はじめまして、世界
ある部屋に監禁された被害者の話ではありますが、ジャックはお腹から出てくる赤ん坊に、ジョイは出産間近な妊婦と重なって見えました。赤ん坊がはじめて見る世界は、こんなに太陽が眩しくて、珍しくて、発見が多いのだな。母親は、死に物狂いで子供を産むのだな。
お腹の中は安心かもしれませんが、ずっとお腹の中にいることも出来ません。崖から突き落とす母ライオンの様にジャックを外に出さなかったら、母子共に死んでしまっていたかもしれません。部屋の中が世界の全てだったジャックが、社会とどう向き合いだすのか。ジョイは、社会とどう再会するのか。社会とは、怖くて厳しいけど成長を促す場所。人間の社会性の目覚めを体験することができました。
幸せとは何なのか
脱出するまでが大変な映画だと思ったら、脱出した後の方が内容はシビアだった。
外界を知らないジャックは見るものすべてが初めてで恐ろしく、母以外の人間すら知らない彼には、母と常に一緒だった「ルーム」の方が幸せだったと感じるのは必然。母ジョイは外界を知っているのに、好奇の目に晒される事や家族の変わり様にギャップを感じ、挙句の果てにはジャックの育て方まで指摘される始末。そりゃ「天国へジャンプ」したくなるよ。
しかし後半、5歳児ジャックの成長に救われる。
大好きな人が増えるのは素敵だね、と思える。
幸せになって欲しい
前半、どうにか逃げ延びて欲しい、と願うように思いながら
ついに母と対面したシーンは涙なしでは見られない。
しかし、それでハッピーエンドとはならない。
7年も監禁された娘が心に深い傷を負わないはずはなく、
偏った環境で育った子どもは将来数々の困難に直面するだろう。
優しかった父は娘の敵の血を引く孫を受け入れられない。
娘も、孫さえもその血を呪う時がくるかもしれない。
最後、希望を感じさせるシーンで終わるが
捻じ曲げられた数年分を修復するのは容易ではない。
不幸な境遇すぎる。幸せになって欲しい。
最高です。
世界は広い。私が知らないことがまだまだたくさんあるって教えられた。
こうだって思ってる自分の中の常識を、柔軟によく考えれば、世界は広がるんだな。
時折ハラハラしたけど、最後はすっきりして終わった!!ジャックは、部屋から出た後なんか大人びたように見えた。周りの大人がいい人たちで本当によかった。
見終わったら心にぐっときた作品でした。私の中では名作になりました。
本当にあった話かと思うほどストーリーはリアルに思った。母子の演技が...
本当にあった話かと思うほどストーリーはリアルに思った。母子の演技が二人共素晴らしい。本当にお互いの愛を感じるほどだった。
ルームにいる時は、母は苛立つ時も我慢して気丈でいたのに、外に出たあとは逆に情緒不安定になってしまうところが印象的だった。怒りを表に出して、子供にも当たってしまうくらい。
逆に子どもは柔軟であり、純粋で救われた。最初は適応できるか心配だったけど、家族と話せるようになり友達も出来て良かった。母親とは子どもの成長姿を見て救われたり、共に成長できるのだと思う。
ルームの中の狭いながらの狭いなりの撮り方がいいなと思った。クローゼットから覗くところは、隙間から外が見えるのがドキドキしていいと思う。
あとからルームに最後に訪れた時の画は、ルームにいた頃よりも狭くちっぽけに見えて、その画で子どもが見えてた世界の違いを感じれた。ルームが全てだった頃と世界を知ってからとの違いを。
男性陣に腹が立った。事件とも疑わず話を聞こうともせずに施設に入れようとする男性警察官。娘の子なのに犯罪者の子でもあることから、顔もれ見てくれない父親など、ガッカリする。
ラストシーンの美しさ…
事件の被害者とその家族の苦悩を描いた、実は苦々しいテーマの映画。主人公のジョイが、やっと戻れた本当の部屋と家と社会と…その現実に苛まれていく様子は観ていて辛かった…。(ブリー・ラーソン、アカデミー賞主演女優賞獲りましたね。)
大変な思いをして脱出した部屋に「帰りたい…」というジャックの言葉は本当に切なかった。そんなジャックの心の成長を演じ切ったジェイコブ・トレンブレイくんは天才だと思う。セカイへの好奇心、不安、葛藤、そしてママへの愛情。まるで実在する人物のドキュメンタリーを見ているかのように観客を信じこませてくれました。
そして、ラストシーンの美しいこと。
本当の意味で、あの「ルーム」から解き放たれた親子が、手を繋いで「セカイ」へと歩み出す。そこをグーっとカメラが引きで撮っていくシーンは、本当に美しくて感動しました。
お勧めです。
演技で泣ける
子役の演技が凄すぎる!それだけで泣ける
トラックの荷台から初めて世界を観た表情が忘れられない!何あの表情の演技は!?
脱出するまでハラハラさせられるシーンもあり
見応えもあります
お父さんの気持ちは複雑で結局最後和解はしてないんだけど
気持ちは分からなくもなく切なかった
脱出してから色々と切ないんだけど
それでもラストは前向きな感じで素直に良い映画だと思った
監禁室に戻って
部屋小さくなった?
って台詞にやられました
「急いで、早くやって」「もっとペースを上げて」
映画「ルーム」(レニー・アブラハムソン監督)から。
生まれてから5年間、一度も監禁された「へや」(Room)から
出たことがない男の子が、なんとか脱出し外の世界に触れた。
その驚きは、私たちが何気なく生活をしている世界を、
とても冷静に観ている気がした。
「へや」はとても狭く「自由」という言葉は知らずに育ったが、
その分、いろいろ考える時間がたっぷりあったのだろう。
彼は、初めて目にした、外の「世界」をこう表現している。
「いろいろなことがドンドン起きて止まらない。
『世界』は、明るさや暑さがずっと同じじゃなくて・・
目に見えない菌が、フワフワしてる。」と。
さらに「『世界』はとても広いところだ。だから、時間が少ない。
バターみたいに薄くのびてるから、みんなこう言う。
『急いで、早くやって』『もっとペースを上げて』」。
私たちが、何の疑いもなく生活している「世界」は、
本当に「忙しい」。
のんびり過ごそうものなら、何を言われるかわからないけど、
せっかく、この作品の彼の台詞で気付いたのだから、
たまには「時間って長いな」と感じることをしたいな。
重かった……。
劇場に行く機会がなく、DVDにて鑑賞。
軽い気持ちでの鑑賞でしたが、重かったですね。
5歳の誕生日をママと一緒に祝い、“ママ”としか知らなかったジャックは、その時にママの名前はジョイだと知らされる。
実は7年前に拉致され、5年前にここでジャックを産んだのだと。
真実を打ち明け、ここから脱出することを試みる。
初めは失敗したものの、2度目の決行で ジャックを「部屋」から脱出させることに成功する。
外の、広い世界を初めて知ったジャックの戸惑いがメインと思いきや、ママのジョイのその後のトラウマによる葛藤が、観ていて苦しかったです。
息子を愛しているけれど、なぜ自分がこんなに苦しい目にあっているのか…
産まれたあとで、何故息子だけを救おうとは思わなかったのか…。
それは、息子のジャックが彼女の唯一の心の拠り所であり、生きていく全てだったからだろうと思った。
ジョイの実の父親は、レイプされて産まれた子供を受け入れることが出来ず、その場を去るが、母親は全てを受け入れたことで、ジャックの心を溶かすことができた。
ジョイもまた、ジャックの ママを思う心に再起を誓う。
最後は、監禁されていた「部屋」に2人で行って、ジャックが部屋にある物に一つづつ別れを告げるシーンで終わる。
ジョイにとっては、苦しい場所だが ジャックにとってはママとの思い出の場所。
でも、それらとの別れが正しいことを彼は知った。
ここで 冒頭、ジャックが部屋の物に挨拶するシーンから始まった意味が解った。
本当に胸が苦しくなる作品だった。
再生への道は重くのしかかる
誘拐の衝撃に終始しない姿勢が素晴らしい。部屋で産み落とされた我が子が天使のごとく母親を導く展開の上手さ。本来守られるべき存在が、一個人として描かれ、親と周囲の大人を導き、苦しみから解き放つ。また良いものを観せてもらった。
そうか。戻りたいか。
とにかく息子が可愛くて可愛くて。
部屋を出てからの、時間が流れてしまった、突き詰めてくる現実に苦しくなる母親。
ジャックにとっては、いつも優しかった母親との優しい時間が流れてた部屋が故郷になってしまっているのだ。だから、戻りたい。
そこがどうしようもなく切ない。
この親子が、外の世界で少しでも幸せな時間を過ごせますように。
監禁7年目、5歳になる息子の父親は犯人。
この題材なら、エンタメ的に美味しいのは悲惨な監禁生活と、そこからのドラマティックな脱出劇だろう。完全にスリラーの題材だと思う。でも、この作品はそこを目指さない。監禁中の描写も犯人より母子の生活に重点が置かれている。その部屋が世界のすべてだと教えられて育った5歳の子どもを丁寧にリアルに描いていく。
これが後半に効いてくる。脱出を決意した母親は、本当は部屋の外にも世界が広がっていることをわが子に教える。そんなちゃぶ台返しを、子どもは簡単に受け入れられない。当然、脱出後の生活の困難が後半の主題になってくる。だから、脱出までの展開は意外に早い。精神的には、脱出後の方がキツいくらいだった。
それでも、子どもにとってあの「部屋」が母とふたりだけの悪くない思い出になっている感じや、周囲の心ある大人たちに触れて世界を少しずつ受け入れていく様子にはグっときた。あの子役の演技たるや。ちなみに、観終えてから、フリッツル事件について検索してみたんだけど、正直やめておけばよかった。闇が濃すぎる。
脱出成功時は泣けてしまったのに
冒頭から狭いルームでの生活が“何か"伝えてくれる。
犬の散歩してるおっさんが反応しなかったらと思うとヒヤヒヤしてしまった。
しかし、解放されてからがこの映画の始まり。
被害者である若い母親と加害者の息子ジャック。
祖父、祖母と祖母のパートナー…娘が誘拐されこの様な結果で戻って来れても複雑過ぎる心境に揃って戸惑いを隠せない。
しかし、徐々に落ち着き取り戻して行く生活。
ラスト、ジャックがルームにやってくる。
彼にとって世界であったルーム。
「縮んだの?」彼の成長と本当の世界が広がった事を感じさせて映画は終わる。
暗く厳しい部分は控えめにしてくれたお陰で見易かった。
母親の苦しむ部分は自殺未遂を起こした為、作中には出てこないし、ワイドショー的下世話な部分が大嫌いな自分には良かった。
”リアルな世界” とは何か
「部屋」は、彼にとって「世界」のすべてだった。ジャックにとって、外の世界は宇宙だ。初めて本物の「空」を見た時の彼は、驚きと希望で満ちており、見ている側にも高揚感を抱かせる。
「こんなに世界って美しいんだ」そんな気持ちにさせてくれる映画だと思う。
ブリ―・ラーソン演じる女性の心の葛藤もリアルだ。「部屋」では、「母親」であることで保たれていた心が、「部屋」から出ることで、彼女は「母親」であり、性的虐待、監禁を強いられたひとりの被害者、「女性」であった。そして、彼女の両親にとって彼女の子供は「娘を犯した男の子供」でもある。
「部屋」から出たら、おしまい、なんてならないところが、まさにリアル。現実社会に生きる葛藤、葛藤に打ち勝つ希望を見事に描いた作品だったと思う。
その作戦でいくか
脱出モノ、母と子とくれば母親の気概を見せつけてくれるのかと想定するが、そんな安易な発想は見事に吹き飛ばしてくれる。ここにあるのは神経質な実存的な母親像。決して感じ良くない。愛情も欲するし、被害者意識も膨らむ、外面も気にするし、子供を気遣う余裕もなし。周りの設定や対応も実にリアル。母子に完全にフィットするような救済策を持ち合わせている訳でもない。大きなトラウマから時間をかけて立ち直っていく母子の姿を優しく見守る。最後のRoomに別れを伝えるシーンは名シーン。最初にはった伏線を見事に回収してくれる。
“ルーム”だけじゃない、この広い“世界”はあなたの為にある
評判に違わぬ傑作だった。
アカデミー賞の傾向からして作品賞は無かったが、最も心に残る作品である事は間違いない。
現時点で今年の洋画ベスト候補だ。
何の予備知識もナシに本作を見たらその異常な設定に困惑するだろう。
地下室のような狭い部屋に、若い母親と幼い息子の二人だけ。
母親ジョイは高校生の頃に男に誘拐され以来7年間も監禁、5歳になった息子ジャックはこの部屋で産まれた。
冒頭から緊張感を孕み、すぐ引き込まれた。
二人にとってこの“部屋”が“世界”。
ジャックは外の“世界”は“宇宙”と信じている。
この“部屋”以外のものは本物じゃない。
外を知るジョイには“部屋”の暮らしは苦痛だが、ジャックにとってはこの“部屋”が全て。
…が、あいつが居る。時折やって来るあいつが。
暴力的な一面を表すあいつから息子を守る為、遂に“部屋”からの脱出を決意、決行する。
ある物語からヒントを得た脱出作戦はスリリング。
実際見てハラハラして欲しいので詳細は伏せるが、キーはジャック。
(それから、女性警官の名推理がスゲェ…!)
実際にあった事件を基に作られた本作。
その基の“フリッツル事件”は調べてみるとかなりエグいが、本作は監禁生活~脱出のキワモノ的サスペンスではない。
“その後”こそがメインだ。
遂に救出された二人。
待ち望んだ外の“世界”。
しかし…
ジョイにとって監禁されていた空白の7年間は大きかった。
“部屋”しか知らないジャックにとって“世界”は広すぎた。
この“世界”は自分が居ていい場所なのか、自分はこれからどう生きていけばいいのか、どう再会した家族や失われた時間と向き合えばいいのか…。
“世界”は二人にとって“部屋”以上に生きにくい場所…。
我々の知らない長期監禁被害者の実態を突き付ける。
前半の息が詰まりそうな限定空間、後半は静かに深くじっくりと…レニー・エイブラハムソンが卓越した演出力を発揮。
そして、本作の“命”であるブリー・ラーソンとジェイコブ・トレンブレイ。
この二人にはどんなに言葉を並べても足りないので、ただ一言だけ。
その演技に心打たれた。
監禁生活中のTV取材を受けたジョイに、インタビュアーが投げ掛けた言葉が痛かった。
あまりにも酷い辛辣な意見だったからじゃない、一理ある意見だったからだ。
確かに、他に最善策はあったかもしれない。
幼い子供に母親の存在は不可欠だが、本当に子供の事を思ったら、監禁男に頼み込んで子供だけでも安全な場所へ手放す事も出来たかもしれない。
実際ジャックは狭い“部屋”でずっと暮らした為に、内向的な性格になり、またジョイも外の“世界”の嘘を信じこませ、ジャックはそれを信じた。そして打ち明けられた時、ジャックは激しく混乱した。
それがこの歳の子供にどんな影響を及ぼすか。
しかし、母と息子の二人三脚だったからこそ、監禁生活を耐えられたのも事実だ。
息子が居たから母は強くなれた。希望を持てた。
監禁中も時々喧嘩はするが、本音でぶつかり合えるほど二人の絆は強く、固い。
それを引き離す事が出来るか。
それがあるから、この“世界”でも…。
“世界”は広い。怖いほど、広い。
この“世界”でずっと生きている我々でさえ“世界”を受け止められないのだから、ましてや小さなジャックにとっては押し潰されそうなほどだ。
でも、
空ってこんなに青い。
空気ってこんなに気持ちいい。
雨に濡れるとこんなにびしょびしょになる。
雪ってこんなに冷たい。
太陽ってこんなに眩しくて、暖かい。
海って、自然って、こんなに美しい。
動物ってこんなに温もりを感じる。
人って面倒臭いけど、優しさを感じる。
社会って大変だけど、ここで生きていかなきゃいけない。
“世界”は怖いほど広いけど、それ以上に、驚きと発見と楽しさ、素晴らしさ…何もかもが満ち溢れている。
その全てが、あなたの為にある。
子どもの生命力
ジャックがおばあちゃんに、アイラブユーという場面で泣いた。子どもの適応力、生命力。友達もできて、友達とサッカーをしたりして遊べるようになる。あの部屋にいたときは、友達という概念すらなかっただろうに。大人たちはその傷を癒すのにもっとたくさんの時間とトリートメントを要する。そんな大人たちも、子どもの生命力に大いに力をもらうのだと感じた。とにかくやるせない映画。
Like a TV, but real. アカデミー賞納得の演技。感動作
観に行く前は重い映画だろうなっと覚悟を決めていたのですが、そんな事はない感動作でした!多分観る人の年齢や性別によって評価が全く変わってくるタイプの作品です。個人的にはボロ泣きでした。
異様な環境に育っても、そこで生まれ育った子供にとってはそれが全てですので、そこをおかしいとは思わずに適応してしまう。ちょっと違うかもしれないですがネグレクトのある環境の子供はハタから見れば可哀想ですが、子供本人にとってはそれが普通なわけで。ジャックが母親の為にそれはそれで居心地のよかった「ルーム」から踏み出して青空を見たシーンでは何故だか超泣けました。
そして世の中子供の方が柔軟に変化を受け入れ、大人になればなるほど環境の変化についていけなくなるのも事実。変化に少しづつ順応していくジャックに比べ、世間に対応できないジョイの気持ちも痛いほど感じました。その為、ジョイは自殺未遂してしまうのですが、自分だけが回りから置いて行かれた疎外感、子供の為を思っていた事の世間からの否定に耐えられなくなったのでしょう。最後にルームに分かれを告げるシーンで開放された気がします。
アカデミー賞を受賞したブリ―・ラーソンはもちろんの事子役のジェイコブ・トレンブレイ君が素晴らしい演技を見せてくれます。いや、これ本当にすごい才能ですよ。「ジェイソン・ボーン」シリーズで有名なジョアン・アレン、ウィリアム・H・メーシー等脇もがっちり固めてあります。そしてトム・マッカス演じるレオが良いキャラクターしているんですよね~。
重くなりがちなストーリーを子供目線を中心に持ってくる事によって上手くまとめてあります。色んな人に観て欲しい作品です。
大脱走。
この映画の山場とも言えるのが中盤の脱走劇。
入念に準備し実行。
それまでの健気な子供が精一杯頑張る。
精一杯よじ登り、ジャンプする。
そしてコケる。
ここで思わず息が止まった方も多いのでは?
そこからの婦人警官の快心の推理力で物語はカタルシスに包まれ、そっと優しく終わる。
終盤の散髪シーンで祖母に愛情を告げるシーンで、何かがどっと溢れた。
命って尊い。
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