「胸が締め付けられる作品」ルーム よしこさんの映画レビュー(感想・評価)
胸が締め付けられる作品
17歳から7年間誘拐犯の男に納屋に閉じ込められていた主人公。
その男の子供を授かり5歳まで納屋で育てていた。
誘拐犯にたいして抵抗したらどうなるかわかっている主人公は子供にも自分にも害が来ないようひどい態度は取り続けてないように見えた。
毎週木曜日に差し入れを持ってくる誘拐犯。
まるで仲の悪くなっただけの夫婦のような会話が繰り広げられていて、なんだが見ていて不思議な気持ちになったが、こうせざる得ないくらい7年の月日は長がったのだろう。
ジャックをクローゼットで眠らせてる間に、誘拐犯と仕方ない状況から性行為をしている日々でした。
7年続いているであろうに、よく2人目ができませんでしたね。
ジャックに誘拐犯の話をして、はじめて世界は広い真実と伝えた時に、ジャックはママは嘘つきだ!と信じてくれませんでした。
その時の主人公はどんなに悲しかったことか。
ジャックを救うため、死んだと嘘をつき、ジャックを外へ出すことに成功。
女性警察官の勘の鋭さが本当に素晴らしいです。
本当の世界を初めて見るジャックにとって、頭がパンクしてしまうほどの情報量の中、少ないヒントから納屋の場所を見つけ出せた時は感動しました。
その日中にすぐ見つけられたところがよかったです。
ママがジャックに渡した紙にはなんで書かれていたのでしょうか。
5歳なのに母乳を飲んでいるところも、母親なりの栄養の与え方なのか、納屋でのことしか知らない彼は乳ばなれできない精神年齢だったのか。
最初は心を閉ざしていた。
じーじ、ばーばが別々に暮らすことになってしまった原因は、主人公の誘拐がきっかけでもあるのかな?と思ってしまいました。
じーじがジャックの目を見て話しかけてやれない理由もわかります。
肉増しい誘拐犯との子どもですもんね。
子どもは悪くないけど受け入れられないじーじの気持ちもわかります。
インタビュアーからの、なぜ息子さんだけでも先に逃さなかったのですか?
これが最善の策だったんですか?と厳しい問いかけをされてましたね。
月日を重ね、乳ばなれするシーンも、グッとなりましたし、ママはママだよって、胸が苦しくなりました。
最後に部屋へ行ってさよならをしたところも涙が出ました。
ハッピーエンドだけど2人のこの先にはたくさんの試練が待ってると思いますが、強く生きて欲しい。
そう思う作品でした。
見て良かったです。