「何者から何様に。」何者 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
何者から何様に。
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原作は読んでいないけどさすが直木賞を受賞したという
貫禄があるなぁと観ていて思った。言い得て妙な台詞が
次々と出てくる。SNSという便利なツールを活用して
就活に勤しむ若者たち。何者というか何色にも染まって
いない彼らの考えることは企業から内定をもらうこと!
に尽きるので、主人公拓人が蔑むギンジくんの舞台成功
への夢はバカらしく見えちゃうわけね。そうはいっても
拓人が演劇への想いを膨らませていることは丸分かりだ。
今作でもチラリ語られるけど内定のために彼らは嫌いな
会社まで受けているのかと私の頃とまるで違う選択肢に
愕然とするが、かといって自分の適性なんて働かなきゃ
見えてこないので何ともいえない。とりあえず四の五の
言ってないで動け!若いんだから!なんて激励するしか。
我先に内定をとれば妬まれる、そんな他人同士の集まり
を冷やかに分析していた主人公の心の闇がラスト切ない。
一つも引っかからないのが何故かは私にも分からないが
すべては、会社にとって有益な人材か否かだと思うので
試験や面接で向いてない、見込みがない、やる気がない
人間はまず落とされるだろうなと思う(見抜かれるから)
拓人は他人の分析に優れているのに、自分を分析できて
いないのが難だったか。でも自分の欠点は他人に指摘さ
れるまでなかなか気付けないもの、真摯に受け止めよう。
(ただこの歳になっても自分が何者かなんて分かりません)
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