君の名は。のレビュー・感想・評価
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お互いを想う切ない気持ち
劇場で観て以来3回目かな。高校生立花瀧は宮水三葉と体が入れ替わる事で不思議な体験をしていたし、ふたりの回りも心配していた。それにしても思春期の男女がかかわるから微妙だしびっくりだね。それぞれ良く対応出来るよな。何故このふたりなのか、どうして東京と田舎なのかとか理屈は良しとして、改めて観ると挿入歌と画面がバッチリなのが気持ちいいね。
入れ替わらなくなってしまうのも淋しいものかもな。相手を探してみようと言う気持ちも大事だけど、相手の現実が分かるとショックだろうな。お互いを想う気持ち切ないよね。そこから命を救おうとする覚悟。ピュアな高校生の圧倒的なドラマチック性に改めて感動。のめり込む様に観るとやっぱり素晴らしい作品だ。
大衆向けアニメ映画は、これ以前とこれ以降に分かれた。ジブリや細田守は面倒臭い。
これの初見を味わえる奴が羨ましい。
意外とレビューを投稿していなかったのでさっき地上波で見たのもあって投稿。実は劇場で3回も観に行ったのにそれ以来で家で観たのは初めてでした。いやあ~でもセリフとか全部覚えてたな。
本作は昨今邦画界をリードするようになったアニメ映画ブームの火付け役とも言える存在で、当時まだアニメオタクにしか知られていなかった新海誠監督の名前を世に知らしめた作品です。当時ZIPで初めて映像が公開された際に『なんだこの面白そうなアニメは!!??』と衝撃を受けたのを今でも覚えています。それを見ていたZIPの女子アナさん方も食い入るように見ていて、本当に良さそうな作品の宣伝を観た時ってあんな反応になるんだ!って思いました。
さてさて、この作品が素晴らしいのはRADWIMPSの旋律に乗るように作品も我々も一本の線、組紐に乗せられているかのように軽やかに物語が進行することです。つまり、観ていてストレスが無いのは勿論のこと、決して単純な話では無いのに初見からこの物語に乗っかれてそれでいて笑えて感動して涙出来るのです。
これはまさに見る清涼剤としか表現できないような、それくらい心が洗われるある種のサウナのような作品とも言えます。
瀧と三葉のドタバタ入れ替わりコメディ!?かと思いきや、実はティアマト彗星の落下による糸森町の壊滅事故が発生していて、入れ替わりも実は3年のズレが有った事が判明する。そこで初めて点と点が繋がりはじめ、冒頭の彗星や三葉の家系や糸森町のその場所の形状など、もう一気に畳み掛けてくるような伏線回収の気持ち良さが異常なんです!
更にそのティアマト彗星も昔同じ場所に落ちていて数千年の時を越えて会いに来たかのようにまた同じ場所に落ちてくる構図ですとか、一度は死んでしまった三葉達を救う為に入れ替わりを通じた未来改変など、もうここまで情報過多なのに頭が混乱せずに ”初見から理解出来て” 楽しめる。これこそが250億ヒットした所以なのでしょうね。
それともう一つ重要なのは、これも今日まで続く今のアニメの潮流を作っているの思うのですが、『君の名は。』以前の大ヒットアニメ映画にありがちだったジブリ作品や細田守作品的な、ある種の ””臭 さ”” が無いんです。
これは個人的な趣向の話にもなるかもしれませんが、『君の名は。』以前の大衆向けアニメ映画というのは、深夜アニメともジャンプアニメとも違うような、ある種のテンプレ的な ””臭 さ”” が有ったと思うのです。
例えば、主人公の家族親戚達がワイワイしながら同じようにウネッて踊ったりですとか、みんなが同じような笑顔を浮かべて「はい、ここ賑やかな良いシーンですよ~」みたいな、そういう指示臭さみたいなモノが感じられて、どこかストレスを覚えていた人は僕だけじゃないハズ。
言語化し辛いのですが、とにかくどこかそういった大衆向けの全国公開アニメ映画というモノには、何か強制されるような作られた喜びや笑いのような、深夜アニメのようにスタイリッシュでも無く、ジャンプ系アニメのように王道的でもない、わざと大人な雰囲気を作っているような、もしくは子供向けですよ~!みたいな描写ですとか、とにかく全国公開の大衆向けアニメであるが故に普段深夜アニメやジャンプアニメに触れている層からすると面倒くさいような空気感が有ったと思うのです。
ですが!!!!!!
この『君の名は。』にはそれが一切無く、これまでの大衆向け全国公開アニメ映画の常識を打ち壊したのです!!!まるで深夜アニメのようにOPが流れ始め、男女が入れ替わったのですから当然気になるような部分もスルーする事なく触れ、面倒くさい家族愛だのなんだのを説教臭くやるのではなく、スタイリッシュにテンポ良く瀧と三葉の愛を描く。
テッシー達もノリ良く協力して町の変電所を吹き飛ばすし、奥寺先輩も良い距離感で説教するわけでもなく寄り添ってくれる。おばあちゃんも意外と重要な役では無いし、瀧の計画も全然上手く行かない。そこに変な奇跡が介入する事はなく(カタワレ時は除く)、最後は三葉の力で父親と向き合いここの拗れもちゃんと拾う。
そしてそんな彼らにも、受験が有って就職が有って、この災害とは別に普段からの向き合うべき試練が有る。この現実的で観ている自分たちにも何か同じ事が出来てしまうんじゃないか?というような手の届くような世界観が、物語が、もう当時日本中の若者達にビシバシ来たんだと思います(笑)。自分もそうでした。(当時高校生)
まさに現代的な価値観で、アニメ映画を観ているからといって頭のIQを下げたり調節する必要は無く、そのままの感覚で楽しめるのが当時新鮮だったのです。
この”気持ちよさ”こそがヒットの真の原因でかつ、今日まで続く、邦画界を支配するようになったアニメ映画の新しい潮流の始まりだったと思うのです。みんなの行動に説得力が有って、共感出来て、不快で無くて、かつ面白い。そして感動する。全ての基準を塗り替えたのが、この『君の名は。』なのです。
また観てみたい、良い作品です。
なんで二人なのに三と四なのかと思ったら、お母さんがニでおばあちゃんが一だったのね。劇場で観る機会を逃したので、こちらからは働きかけずに、ずっと出会うチャンスがやってくるのを待ってました。6年経って今日放送の30分前に妻が、「君の名は」テレビであるよと。ついに来たか。しっかり観ました。
キャラクターデザインがグッド。まずはヒロインが魅力的でないとね。そして相手役の男もOK。いい奴。なんでこのタイトルかと思っていたが、すれ違い(入れ違い?)の連続だからオマージュなのね。それと、なくなる記憶のシンボライズと二重の理由。
なぜこの2人でなければならなかったのかについてはまだ確証がないので、もう一度観て確かめたい。楽しさの中に切なさがよぎる、いい作品だと思います。
2回目見ても面白かった
新作公開とのことでやっと地上波放送。新海誠監督作品は秒速と言の葉の...
タイムフライヤー
抗えない引力で、音楽が物語を引っ張っていく。
ファンタジーって現実と全く線引きされたものです。それなのに、超現実的な時空を跨いだ入れ替わりや世界(愛する人)の救済を描く舞台が、実在する風景や日常の中にある。こんな日常が、もしかしたら現実と地続きの世界にあるのかもしれないと夢を見させてくれる。
いつか憧れた運命や狂わしいほどのピュアな感情、胸の奥に仕舞ったあの機微にまた触れたくて、きっと私たちは何度も新海作品に会いに行ってしまう。
新海監督の描きたい対象の解像度の高さと、一筋縄ではいかない緻密に練られた物語。それでいてこちらを置いてきぼりにせず想像する余白まで与えてくれるエンタメ性。この点は川村元気さんとのタッグが実現しているのだと思いました。
入れ替わりの多重構造、能力は代々宮水に伝わるもので、彗星の落下による町の消滅を防ぐため必然的に与えられたものだったのかもしれない。避難決行できたのは、三葉の父も母と入れ替わりの経験があったからなのか。一つ一つの事象に意味があり、散りばめられたヒントによって納得感も得られて物語としても奥行きを楽しめます。
抗えない引力で物語を引っ張るような音楽も本当に魅力的でした。
オープニングの概念を昇華したような夢灯籠の演出は、始まっていく、動いていく、そんな感覚にさせられて序盤から強い力で物語へ引き込んでくれました。前前前世の疾走感の中で入れ替わりに気づいた2人が生き生きと小競り合いする様子は、まるで音楽が2人を茶化してるみたいです。スパークルが流れるのは、彗星が落下し悲惨な現実に繋がる布石、そして初めて2人が出会う刹那の喜びと離別や忘却に呆然とする場面。それなのに音楽からは、その先を予感させるような光を感じます。
作画やお芝居にとどまることなく、私たちの向かう方向を示し寄り添う、まさに音楽が物語になくてはならない一部として存在している作品でした。
めちゃくちゃに好き
リバイバル上映で鑑賞。だから感想はほどほどに。
新海誠監督の作品は基本的に自分にハマるし好きになる作品が多い。中でも一線を画している。
映像の綺麗さ、対比のようなスピード描写、停電時の対比、入れ替わりの見せ方のタイミング、声優、三葉と瀧くんの一人語りシーン、入れ替わりという題材を面白く・ワクワクさせてくれるところ、音楽やストーリー、キャラクター、全て自分にハマった。
TOP10に入るくらいに好きな作品。
三葉が好きすぎるし、ラストシーン、、、忘れられない想い、心に引っかかる誰かを探すところ、、
こうじゃないと!!ハッピーエンドに限るぜ!!!!!
人気のあるものには、ちゃんとした理由がある。
通しで見たのは2回目。劇場では初でIMAXです。
3年ギャップの入れ替わりで、SF要素があると知らなければ、間違いなく完全スルーしてました。いかに世間を騒がせている人気作であろうとも。当時は劇場で見損ね、少し時間差ありで機内鑑賞。で。なんで劇場に行かなかったのかと後悔。これからはアニメも見なきゃ!と価値観を変えることになった作品でした。
要するに。コレが無ければ、天気の子もポンポさんも、鬼滅も見てなかったろうとw
まぁ、入れ替わりパートの軽妙さ。朝のオッパイ&四葉のルーチン。楽しい。
3年のギャップが明らかになる食堂の場面の、静かにして深い衝撃。
もうあとは、2人が出逢うだけ!になってからのジリジリ。からの、最後のタイトル落ち!の沁み方。
いや、やっぱり、人気作には、そうなるだけの理由があるよ。って、今更だけど気付かせてくれます。
アニメーションの進化、この後、スゲーことになるんだね、ってのも思いましたし、製作が川村元気だったのを、今日知りましたw
良かった。
とっても。
綺麗な世界✨
観客は2人の名前を覚えてる
不鮮明になる世界の輪郭を眺めていることしかできない歯痒さがある。
2016年に公開された当時は途中まで高校生の青春ものっぽい雰囲気から、中盤のまさかの展開に度肝を抜かれた。
えええええええ!!!!
そんなの聞いてないよ〜!!!
という展開でキャラクターへを応援したい気持ちが昂り、2人が2人の存在を忘れていってしまう中で、それをみ続けている観客だけはキャラクターの因果関係を知っていると言う物語への参加を余儀なくされる展開が堪らなかった。
だって、2人だけじゃなくて、みんなの記憶から無くなっちゃうんだもん。
エモいよなぁ。
観客だけが2人がどうしてお互いを探している感覚なのかを知っているって仕掛けがうますぎるよなぁ。
最後に出会って欲しいと願ってしまうもの。
「片割れ時だ」
から怒涛の後半戦。
涙腺のダムが決壊してしまう。
ようやく会えたと思ったら、時間が短距離走並みに短いんだよ。
いや、大事な話したいけど、よくこの状況を飲み込めたな。
そもそも自分が死んだかも?って考えて納得するまでの時間が短すぎて、三葉の精神状態が鬼のように強靭なメンタルだと感じるんだが?!
ようやく会えたメル友みたいな感覚?
いや、体を入れ替わってたって相当深い関係なんだけど。
相手の人となりを知っているけど、リアルじゃ初めましてな感覚は今の若者にとって共感しかないと思うよ。
吊り橋効果でもなんでも良いけど、嫌いな相手の体に入るとかでなくて、むしろ好意的な相手の体に入れるって夢のようなチャンスなんだが?!
だけど、好意的な相手に対してだからこそ、粗相は許されないし、ましてや相手の人生を一時でも預かって生きるってよくよく考えれば一心同体的運命感。
そりゃあ、命懸けで助けたくなるよね。
公開当時も3回くらい観て、3回とも号泣だったけど、リバイバル上映でも号泣してしまったよ。
日本のアニメ史に残る一作だと思うので、行ける方は是非映画館で物語の傍観者になって欲しい。
Filmarksではフォロバ100で同じ記事を書いています。
Twitterでは鑑賞した映画をイラスト付きでレビューしていますので、フォローやコメントをお待ちしています♪
バカと言われてもいい。大感動。
公開当時は、仕事が忙しくて劇場に足を運ぶことができなかった。MAX感動で涙が止まらなかったという娘から、詳細にネタバレを聞いたまま、鑑賞しないで今日まで至る。
「これに感動するやつはバカ」という説も耳にしていたが、胸はキュンキュンし、涙をたっぷり流しながらの鑑賞。考えてみればと『アルマゲドン』で号泣する人間が、これに感動しないわけがない。
圧倒的な映像美に加えて、音楽でも心を揺さぶってくる。そして、男女入れ替わりのプロットに距離を加えるという斬新なアイデア。そのアイデアにもう一捻りが加わっているから、物語の自由度が大きくなる。
IMAXで見れて、本当によかった。そんな作品でございました。
新海誠IMAX映画祭にて
IMAXの君の名は。めちゃくちゃよかった
喪失の物語
過去への配慮
本作は、2011年に発生した東日本大震災の5年後、2016年に公開された。東日本大震災の甚大な被害を受けて、この震災を想起させるシーンがある作品は軒並み公開延期となった。本作は、東日本大震災を想起させるシーンのない作品だと思って公開時に鑑賞したのだが・・・。
本作の主人公は、都会に憧れる女子高生・三葉と、都会暮らしの男子高生・瀧。全く異なる生活環境で離れ離れに暮らす二人の心の入れ替わりを通した、典型的なラブストーリーだと思っていたら、後半からは大きく軌道修正し、時空を超えた壮大なラブストーリーとなっていく・・・。
美意識の高さを感じさせる洗練された繊細なアニメ映像に圧倒される。特に、冒頭の流れ星、三葉が暮らす田舎の森の木漏れ日、瀧が暮らす街の高層ビルに差し込む太陽光など、光と影の表現方法が素晴らしい。
恋愛ファンタジーとして観ればGood、音楽もGood、前述したようにアニメ映像もGoodなのだが、中盤の彗星の湖への落下シーンが全てを変えてしまった。彗星落下によって発生する高波。その高波に飲み込まれていく家々。これは・・・と絶句してしまった。東日本大震災の記憶が自分でも驚くほど強烈に蘇ってきた。東日本大震災という5年前の厳しい過去を忘れて、本作を恋愛ファンタジーとして楽しむことはできなくなった。
本作は、彗星の湖への落下による人的被害を愛の力で御破算にしてしまう。確かに本作は恋愛ファンタジーである。しかし、作品はフィクションであっても、作品を観る観客は厳しい現実の中で生きている。東日本大震災を経験し、甚大な被害を受けている。そういう過去を背負って懸命に生きている人達が観る作品だということを踏まえた、描写、設定にして欲しかった。
本作は、ハイレベルの恋愛ファンタジーである。作品としてみれば何の問題もない。しかし、公開時期が東日本大震災の5年後であることをしっかりと踏まえた配慮が欲しかった作品である。
どこかの宗教みたいな映画
とってもきれいな映像なのに、内容がどうしようもない映画でした。
ストーリーがよくある話なのはしかたないけど、主人公だけが生きてるような映画で、すっかりおいていかれた、というよりついていきたくない映画でした。
この監督の映画はどれもセリフをオウム返しのように繰り返すシーンがでてくるけど宗教みたいで気持ち悪いです。
脇役の人たちが生きてこないので映像と主人公だけの監督自己満足なご都合主義な映画だと思いました。
ここまでヒットしていなかったら星2つくらいだけど、ここまでヒットしたことでマイナスしました。
観終わった後まで楽しめるような、とにかく意図して作り込まれた凄い映画です。
とにかく、映画の構成にびっくりしました!
序盤は、ちょっとした出会い系のような男女(瀧&三葉)のドキドキ感や、痴話喧嘩のような雰囲気で、テンポの良い音楽と共に、観る人の心をどんどんワクワクさせていく感じになっています。
そして、「いよいよ、二人が出会うぞ!」という場面で、それまでに高めてきたワクワク感を、一気に地の底に落とすかのような構成です。
そこから、いろいろと謎を紐解きながら、ようやく途切れた糸を寄せ合わせるかのように辿り着いたかと思うと、またもや、時空の捻じれにより、すれ違う。
時空を飛び越えた「瀧」が、問題を解決し、無事に現代に戻ってきたけども、惜しいところで、また、「三葉」とすれ違う。
途中、「組紐」という伝統工芸品が登場します。
それは、細い糸を組み合わせて作られるもので、寄せて集めて、捻じれ、絡めて、形を成すものです。
「君の名は。」の時空を飛び越えて、いろいろすれ違いながら、絡め合いながら、形を成していく様は、この組紐にも象徴されているように思います。
そして、組紐のように、あらゆる記憶やピースを寄せ集め、電車で二人の時間のタイミングがばっちりあった瞬間に、ようやく、お互いのことを思い出します。
でも、すぐに、電車が離れていく。
正直、もどかしい気分になりますし、観る側としては、二人の幸せを応援したくなります。
ラストシーンでは、二人は、ようやく出会えますが、やっぱり、すれ違っちゃいます。
「え?なぜ?」と思った瞬間、お互いに、「君の名は?」と尋ね合い、時空を超えた出会いが完結します。
そして、ここで、映画が終わる!という構成が素晴らしいと思います。
「あれだけ、すれ違ったのだから、積もる話も、たくさんあるでしょ?」
「どんな話をしたのかな?」
「この後、二人は結ばれるのかな?」
etc.
映画を観終わった後に、友人たちの間で、想像力を働かせながら、それぞれがイメージする結末について、語り合うことになるのだろうなって思います。
観た後まで、楽しませてもらえる映画です。
中身すっかすか
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