「新海誠×エンタメ」君の名は。 らりほーまさんの映画レビュー(感想・評価)
新海誠×エンタメ
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※最近観直したので、サービス終了した某サイトに書いたものを抜粋で再投稿します。
新海誠作品は、映像も物語も微に入り細を穿つものが多い。
ところが本作は、SF的な考証が優れている部分もあれば、つじつまの合わない部分もあるなど、どうにもちぐはぐだった。
だが、本作の面白さというものは、設定の緻密さ等よりも、その感情にどの程度火を点けるかにあるのだと思う。
つまり、物語としての起伏や、キャラクターへの感情移入だ。
その結果は皆さまご存じの通り、今までの新海誠作品とは比べ物にならない大ヒットとなった。
これは、本作があくまでもエンターテイメントに徹したおかげなのだろう。
もちろん、それによって残念な思いを抱いたファンも少なくないだろう。知人にも「新海にはがっかりした」とぼやいたファンが何人かいた。
私的には、売り上げは正義……とまでは言わないまでも、これだけのヒットを見せつけられては文句のつけようもないのだが、旧来のファンの言い分も理解できてしまい。
痛し痒しと言ったところ。
本作は強い作家性を持つクリエイターは、どこまでエンターテイメントに迎合するべきか? を問うた作品でもあったのだな、と今になって思う。
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