「古い部分もあるし、新しい部分もある。大人も見られそうなアニメ映画。」君の名は。 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
古い部分もあるし、新しい部分もある。大人も見られそうなアニメ映画。
まず『君の名は』という題名が昔の名作にひっかけていて惹かれる。
絵がすごくきれいで背景がリアル。
東京の生活や田舎の生活を細部までしっかり書き込んでいる。
音楽もすごくよくてREDWIMPSのMVみたいなところもある。
ストーリーも最初のところは名作映画『転校生』みたいでよかった。
個人的にも『転校生』は大好きで、蓮佛美沙子さん版も劇場で見た。(ほとんど観客いなかったけど・・・)
なんとなくこういうのは『セーラー服と機関銃』→『時をかける少女』→『転校生』の80年代シリーズで回しているような気がする。
もちろんリメイクではないし、そのままやるわけないから、どうするんだろう?というところに興味があった。
山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて二人はそれが夢ではなく、実際に入れ替わっていることに気づき始める。携帯にその日の出来事や注意事項を書き残したりして連絡はとれるが、直接電話やメールはできない。そのうち入れ替わることがなくなってしまった。不審に思った瀧は、僅かな情報をたよりに直接会いに行くことを決意するが・・・。
粗筋書いたけど、ここまではそこそこまともで、このままの感じで最後までいくのか?と思っていた。
しかし、ここからが怒涛の展開で、ウソだろ?そんなのアリ?みたいな感じになった。
ネタばれしちゃうけど、『転校生』の”入れ替わり”に、『僕だけがいない街』の”リバイバル”(いつかはわからないけど昔の自分に戻て過去を変える能力)を足して大掛かりにしたようなストーリーになった。
ここが意見の分かれるところかもしれない。
①なんだかわかんないけどスゲーと思う人
②予定調和を崩していて面白いと思う人
③なんとかついていってそれなりに面白かったけど、どうなの?と思う人
④なんだこれ?メチャクチャじゃないか、こんなのダメと思う人。
普段あまり映画見ない人はたぶん①で、普通の映画ファンは③か
④、変わってる映画ファンは②だと思う。
でも最初の導入部分がうまいし、後半も野球に例えるなら、バットの芯には当たっていないけど、フルスイングで振り切っているので、なんとかぎりぎり風の影響もあってスタンドに入り、ホームランになったという感じだった。
個人的にはなんとなく納得いかない部分もあったけど全体的には面白かった。