「脚本の巧みさ」君の名は。 hideaquiさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本の巧みさ
10年前ならアニメーション映画を映画館で2回観るなんて考えられなかった。根拠のない偏見を持っていた。変わったのは子どもとアニメーション映画をみるようになってからだ。食わず嫌いはいけないとつくづく思う。
すごい笑うかすごい泣くかしてスカッとしたくて見に行った。今回も同じ3カ所でグッときた。前回、脚本と演出の巧みさを感じたけれど結構直感的だった。もちろん泣き笑いには感情がついてまわるから観る人によって違うという前提だけれど、2回めで同じ反応をするというのはその裏づけだと思う。吉本新喜劇も脚本と演出がよくできてるから笑う。たとえ全部お見通しでも。
映画を観て「意味がわからなかった」という人がいる。「意味わかんない」を私は忌み嫌う。その一言で、対象も自分も「バカです」と片づけて逃げる印象を受けるから。
私は「作品の意味」の意味がわからないから、ストーリーがわからなかったのか、メッセージがわからなかったのか、ただくだらないと感じたのかを尋ねるのだけど、たいがいはないまぜになっている。
そしてたいがい「観たいように観ればいいじゃん、テスト受けてるんじゃないんだし」ですませる。すると相手はだいたい不満そうにする。マジメなんだろうな。
わたしはこの作品を見て
作品の意味がわからないから、ストーリーがわからなかったのでもなく、
メッセージがわからなかったのか、なのでもなく、
ちゃんとストーリーやメッセセージを伝えるための技量や努力が備わっていないと感じました。
「この映画は出来が悪いところもあるが自分は大好きだ」というのは個人の価値観ですのでご自由ですが、「脚本が巧みだ」等と言われるとつい反論してしまいたくなりました。この作品のいちばんの欠陥は脚本にあると思うのですが。