「重たい内容ですが」君の名は。 スイートピーさんの映画レビュー(感想・評価)
重たい内容ですが
前評判が高かったので、見に行きました。
高校生の、超常的な恋愛ものかと思いきや、
衝撃的な内容でもあり、真剣に見入りました。
主人公の女子高生が巫女であることで、神秘体験や、
神、霊魂との結びつきの強い人物設定となっています。
この設定からも、男女の入れ替わりの意味が見えてきます。
もともと飛騨地方は、神が宿る山や岩などのある場所、
と言われています。
新海監督も、そこに目を付けたのかどうか・・・
< ここからは、ネタばれあり >
映画で描かれている大災害は、ある意味不自然ですが、
東日本大震災などの、大災害を幾度となく経験した日本人
ならではの視点があります。
「あのころに戻れたら」という思いは、突然の災害などで
人生を失った人たちにとっての、強い願いかもしれません。
そんな、「過去に戻って、やり直せたらどんなにいいか・・・」
という切ない願いが、映画では、よく出ていました。
難点を言えば、主人公の女子高校生・三葉が、
東京へ行くシーン。
飛騨の山間部から、特急や新幹線を乗り継いで東京に行き、
その日のうちに帰ることは、現実にはできません。
最低でも、片道半日かかり、簡単には戻れないです。
そのうえ、たまたま居たホームから、ラッシュの電車の中に、
もう一人の主人公・瀧を見つけて電車に飛び乗ることは、
東京初体験の女子高生には、至難の業かと。
やはり超常現象そのものですね。(^-^;
内容的には、最後に救いのある映画でした。
ほっとする、余韻の残るラストシーンです。
ただ、これも難ですが、東京は良くて、
地方は夢も未来も無いように描かれている面があるところ。
三葉が、地元が嫌で東京に憧れ、最後は結局東京に行く、
というのも、少しさみしい気がしました。
自然の良さを知った瀧が、就職先を東京に限定せずに、
飛騨の田舎町に行き、そこで三葉たちに再会する・・・
そんなラストであってくれたらもっと良かったのに、
と思って見ました。
せっかく飛騨の美しい自然が描かれているのだから、
人類のふところでもある、自然に戻ってほしいと思いました。