「超びみょー・・・。」君の名は。 じぇりこさんの映画レビュー(感想・評価)
超びみょー・・・。
前情報が少し入った状態で見に行きました。
テレビで流れる映画情報のコーナーでは絶賛の嵐。
舞台になった地を巡る「聖地巡礼」という行動をする方もかなり多いと聞き、
「そんなに言うのなら、きっとものすごい作品なのだろう!私も見たあとに聖地巡礼をするぞ!」と大きな期待を持って見に行きました。
しかし鑑賞直後の私は
「面白かったけど、社会現象になるほど盛り上がるものではないな」と思いました。
もし誰かから感想を聞かれたときに簡潔に答えるとするならば
「綺麗すぎる画に気を取られてる間に、サッと気づかれないように伏線を張ってくる。伏線の張り方と回収の演出が悪くて、後半は置いてけぼりを食らう。何も考えないで見て入ればスッと入ってくるけれど、色々考えてると突っ込みどころが多々あって集中できない。あと私は涙腺がピクリともしなかった。」
と言うと思います。
前情報が入っていなければもう少し感じ方が変わっていたかもしれないですが。
また、この感想を見て「そういったツッコミは野暮だよ」と思われる方がいるかもしれませんが、だって気になるんですもん。
腑に落ちないとことは黙ってはいられないです。
CMだと恋愛もの感もりもりに見えましたが、それよりSF的な要素のほうが目立っていたように思います。
まず、“心と体の入れ替わり”のことに関する意見ですが、
「学校に行く」なんて行動が考えられないです……。
自分がどこの誰かも分からない人間になっていて、ちゃんと学校に着くなんておかしな話じゃないですか?
私だったら、家に引きこもるか家の周辺を探り、自分が誰でここはどこなのかの答えを求めるくらいしかできないと思います。
その後、お互いの環境に徐々に適応していくのはいいのですが、
お互いの時間の差に気がつかないのはちょっとムリな設定なのではないかなと思います。
三葉の住む町の美しい描写はとても素敵です。
風に揺れる木々の緑色にキラキラと光る湖など、もう実写にしちゃえばいいじゃん!と言いたくなるほどリアリティーがあります。その場の匂いも感じられそうなほどです。
組紐を作る場面だったり、神楽の舞台だったり、ラーメン屋だったり、「聖地巡礼」する人を狙って作ろうとしていたのかは分かりませんが、訪れてみたいと思わせるような描写が盛り沢山でした。
折角の「入れ替わり」なのだから、瀧くんの住むところももっと美しくアピールしてほしかったです。都会の魅力をもっと!
瀧くんと奥寺先輩がデートをした美術館のリアルな画にはとても驚きましたが。
三葉には都会への憧れや、現状への不満など、感情を感じ取れるシーンが多数あっと思いますが、瀧くんにはいまいち…何の特徴も無さすぎです。
お互いが恋に落ちる点もようわからん。あの過ごし方とかだと、「なんかちょっと気になる」程度にはなっても、好きとは確信できないよ。
お互いが惹かれる要素がないし、そんな演出が微塵も感じられなかったわ…
涙するほどまで好きになる要素があったとは思えない。んまぁ恋愛に関しては「理論」じゃなくて「理由はわからないけど、いつの間にか」ってのはよくある話なんだけど…
全体を見るとやや三葉のほうに注ぐ力が偏ってしまってる気がします。
もうちょっと中身を洗練させて、集中できる内容にしてくださいって感じです。
私が褒めるのは絵の綺麗さだけ。
あ、RADWIMPSはイメージがぴったりでしたね。
違う人が曲を担当してたらこんなにヒットしてなかったと思います。