「新海監督と過去の作品」君の名は。 カツカツさんの映画レビュー(感想・評価)
新海監督と過去の作品
流石に話題作だけあって手堅い作りでした。
映像面ではキャラデザインさえ趣味に合えば満点です。
内容も男女のすれ違いとか、目的達成と大切な記憶がトレードオフになっているところとか、時空間のずれによるコミュニケーションの不可能性とか、過去の新海作品のエッセンスも全部入っていて、これまでやって来たことの集大成ですね。これ。
しかし、これまでは結末はすべからく断絶で、そこが独特な味にもなってましたが、今回は繋がる方向にシフトしています。象徴的なのが赤い組紐ですが、運命として結ばれる二人を、時にオカルト的な手段も使いながら確信的に描いています。
これが進歩なのか退化なのか、自分では判断できませんが、監督として過去の作品に対する一つの回答を出したんだなと、つらつら考えながら見ておりました。
個人的には、観客の期待を冷徹に突き放すこれまでの作品のほうが心に残りましたが、ハッピーエンドに果敢に挑んだ今作のほうが完成度は高いと思います。難を言えば三葉役の演技が趣味に合いませんでした。
ところで、小5の娘と一緒に観たんですが話が良く分からなかったそうです。自分には分かりやすすぎる位親切な作りだと思うんですが····
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