「鼓動メーターの振幅はタイタニック級!」君の名は。 YNさんの映画レビュー(感想・評価)
鼓動メーターの振幅はタイタニック級!
大概の映画は、映画館で見終わった後、観てよかった理由をさがす自分がいます。
また殆どの作品は最後には感動し、時に涙するのも事実ですが、大半はそれまでが永く、退屈感でリダイアルすることもしばしば。
この作品では、小気味のいいテンポの導入部を過ぎると、徐々に切なさと歯痒さで胸が締め付けられ、彗星の軌道と共に鼓動か高まり、そこから一気に駆け上がったクライマックスのからだ一杯に広がる感動と安堵感で涙。続くエンドロールも普段は経験できない心地のよい放心状態で“もう少しだけ”この場を離れたくない衝動に駆られる程の感銘をうけました。
ジャンル、次元も違いますか、あのタイタニックの再観はレンタルまで待ちましたが、今回はピュアて一生懸命生きる若い二人に会うためもう一度(三回目)映画館へ行くつもりです。
かなり穿った見方ですが、この作品がこれだけ注目される理由は、言われている広告によるブームとか、若者の社会現象とかではなく、いいものはいい、ダメなものはダメという当たり前が当たり前でなくなっている“現在”に対するささやかな抵抗とまで考えさせてくれた作品です。
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