劇場公開日 2016年8月26日

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「セカイと俺たち」君の名は。 マトレーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0セカイと俺たち

2016年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2回鑑賞して2回目の方が心を動かされるものがありました。
1回目は予告を見てある程度想像していたストーリーラインとは何もかも違う展開でそのスケールの大きさにただただ驚きを隠せませんでした。
男女の心が入れ替わるっていう擦られ倒したギミックを利用してこんなに世界を巻き込むか、という半ば強引ともとれるストーリーに自分は感動する暇もなかったというか。
しかし2回目では当然全てわかった状態で観ていたので改めて登場人物である彼らの心情に触れることができ、物語に入ることができたと思います。

サウンドトラックを担当したラッドの曲も合っていました。
というかラッドというバンドと『君の名は。』という作品には根底で相通ずるものが存在すると確信します。
だから彼らがこの作品に呼ばれたし、観る人によっては邪魔と思われても仕方がないタイミング、ボリュームで「歌」入りの曲がかかったんだと思います。
しかもセリフにガンガン被ってくるという。
ただ僕はこれがとても感動できるように思ったんです。
シーンによってはまるまる流れる曲もありますがなんというか、プロモーション的ないやらしさは一切なく作品上で今起きていることの一部として鳴っていると感じさせられます。

これは1回目から感じていたことですが、全編通して映像がたまらなく美しかった。
都会、田舎問わず目に映る光景の雄大さがアニメーションにするとこうも増幅するのかというくらい、これには本当に感嘆しました。
登場する女の子の描き方も良い。

全てに手を抜かない監督の志の高さに敬服します。
主人公の2人の声を担当した神木くんと上白石さんも素晴らしかった。
どこか突っ込みたい気もしないでもないですが、星5つ付けるのに文句はないです。
監督関連作も観ようと思います。

マトレー