「北海道民としては恥ずかしい実話作品」日本で一番悪い奴ら ぐっさんさんの映画レビュー(感想・評価)
北海道民としては恥ずかしい実話作品
久々の実話フィクションもの作品。
2002年現役警部最大の不祥事事件通称「稲葉事件」で逮捕され、懲役9年の判決を受けた警察官の告白本「恥さらし」を元に描かれたフィクション作品。
(要するにレヴェナントみたく実話に脚色しました作品ですな。)
1975年大学の柔道顧問を通じて道警柔道部からの勧誘を受け、採用された男、諸星の波乱の人生物語。
勤務態度はまじめだった男が、先輩刑事村井(ピエール瀧)から声をかけられ警察で認められるなら点数を稼ぐことだと助言を受けてから諸星の人生は大きく変わっていく。
この作品を観終わってまず勉強になったことは、ズバリ!いい先輩と悪い先輩はちゃんと見分けておかないと大変なことになるんだなって思いました。(最近のニュースでバトミントン業界で先輩後輩関係のニュースがありましたな・・)(これは社会人になる人にも勉強になりますな(笑))
そして、この諸星は悪い違法捜査をしてチャカ(拳銃)はとりあげてもシャブ(覚せい剤)は絶対使わないし運んでも使わせないことは最後まで貫こうとしていたことはまじめな考えは残して素晴らしいなと思っています。(ほんとにシャブは使っちゃいけませんよ。)
この作品の監督は白石和彌。初めて見た「凶悪」では強烈でキャスト人怖くて生々しかったのに対し、現在ネットフリックスで配信中のドラマ「火花」の3と4話では主人公や周りの人たちの日常の描き方がウソくさくなくて気に入っています。
そして、今回の日悪では再びウソくさくなく生々しいキャスト演出が好きでした。
暴力団幹部黒岩(中村獅童)との初めて会うシーンでの罵声の張り合いをするけど諸星はかなり震えてるとこは結構好きです。
主演は綾野剛。「64」の時の広報官の補佐役の時とは大きく変わってすごい演技してるなって思っちゃいます。一言で言うと生々しい。
凶悪の時の山田孝之の後半の変わりようもすごかったですが、今回もすごいことになるので本編で確かめてみてください。
共演の協力者メンバークスリの運び屋の山辺役を演じるのは、ヤングダイスさん。北海道出身でヒップホップで活躍し「トーキョートライブ」で本格的に演技デビュー。残念ながらラップはありませんが、「トーキョートライブ」よりは演技に慣れてきて個性的になってきておりますな。(でもラップは好きです(笑))
もう一人は盗難車バイヤーラシード役の植野行雄(デニス)さん。(ハーフだけど行雄ちゃん(笑))もうバラエティーに出ているときの行雄ちゃんそのまんまです。これから注目の人になるかもしれませんな(たぶん)
生々しいけど笑えるし男気ある波乱の人生物語作品。
警察組織の不正でもある事件なので、これは語りつがなければいけない事件だと思います。ぜひ本編をご覧あれ。