「監督の手腕に脱帽です。」日本で一番悪い奴ら せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の手腕に脱帽です。
「日本警察史上最大の不祥事」を映像化するにあたって、邦画にありがちなじっとりと暗い作風に振れることなく笑いありのエンターテイメントに仕立てきった監督の手腕にあっぱれ!
「点数(≒ノルマ達成)」欲しさに闇の世界に飛び込んでいき名を挙げていくが、時を追うごとに没落していくさまがわかりやすくかつ、爽快感まで感じるテンポのよさで描かれています。
テンポのよさと飽きさせない構成に加えて、より作品の質を高めているのは綾野剛の圧巻の演技力。
ひと癖ふた癖ある役を演じさせたら、現状若い俳優で右に出るものはいないのではないでしょうか?
「64」でまっとうな刑事役をやった後だからか、そのギャップで彼が一際輝いていました。
終盤、かつて柔道日本一に導いたにも関わらず補導した少年に一本背負いされるシーンや、
捕まったときに真面目で忠実な後輩に手錠をかけられていたシーンなど、
コミカルさだけではなくいろいろと考えさせられる描写もあって作品の幅を感じました。
作品内の内容でさえ「本当に実話なのかよ・・・」と思わざるを得ませんが、
それ以上に最後の史実の字幕が一番闇が深いというのが。。。。何も言えなくなります。
満足度に個人差がかなりある作品や暗いトーンの作品が多かった最近の邦画の中で、
声を大にして「面白い!」と他人に薦められる作品だと思います。
(´- `).oO(主題歌のスカパラ feat.Ken Yokoyamaもすごくいい曲なので、エンドロールが終わるまでは席は立たないことを激しく推奨です。)
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