ヘイトフル・エイトのレビュー・感想・評価
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文学小説+ミステリー+バイオレンス
アメリカ南北戦争終結後、白人賞金稼ぎ、元北部軍黒人賞金稼ぎ、賞金首の女性、新任保安官、元南部軍白人将軍、店番、絞首刑執行人、カウボーイの8人が織りなす物語。(まだいるけどね)
3時間弱の長時間大作。長いのにも理由あり。
上記の8人が上手い具合に紹介され、一同が店に集まる。
集まり方は、まるで文学小説を観ているかの様だった。
丁寧に物語を紡いでいる。逆に今迄のタランティーノらしさは前半に無い。途中アガサ・クリスティの様なミステリー解決も有り。
しかし、後半は怒涛の血みどろラッシュw
タランティーノらしさ満載。
終わってみたらバイオレンス映画として終わっていた。
この監督はホント賢いと思う。
自分のスタイル在りながら進化を続けている様に感じる。
タランティーノ進化論をこれからも見届けたいと思います。
Quentin Tarantino
一見さんお断りの超極上のウエスタン映画。
毎回、クエンティン・タランティーノの映画を見ていると頭が爆発しそうになる。そして見終わった後には、自分の文学的、芸術的能力の低さに落胆してしまう。
ここまで世界中で愛され、日本にも多くのファンがいるタランティーノですが、その作品の奥に隠された層の厚さというのは、ただ血が飛び散り、豪快なアクションシーンがあるだけではない。
まず、この映画は2時間48分で何を言いたいのか。それは毎回タイトルが示すように、”ヘイトフル・エイト”、8人の嫌われ者です。しかし、ただ8人の色々な種類の悪人が撃ち合いをするのではなく、吹雪のんかの小さなロッジで誰が正義で誰が悪なのかを醜く描いた作品です。まじで前半から第4章にかけてのキャラクターの関係性が目まぐるしく、かつ滑稽に変化する様子が面白くてしょうがない。映画の超基本でありながら、一番大切なキャラクターのつながりが中心に描かれているから最高。誰と誰が協力し、誰と誰が敵対するのか、どちらが有利なのか、有利・不利を判断する基準はなんなのかこれが全てです。
私が一番好きなキャラクターは保安官のクリス。コロコロと立場を変えながらも堂々と意見を述べ、最終的には自分の想像を超えたことをしてしまうキャラクター。他のキャラクターがしっかりと根を張っているので、このキャラの地に足についていない感じがどうしようもなく滑稽。次に主人公のウォーレン。慎重かつ大胆、さらには残虐的なタランティーノ映画のダークヒーロー的存在。小癪な手を使いながらも、自分の意見は曲げない、ずっしりとしたキャラクター。
このようにキャラクターを説明できるほど、芯を持ってキャラクターが作られていくから面白い。
ブロッキング
タランティーノ監督としての天才的なところは彼のブロッキングにあると思います。なんといっても一番は、ブロッキングでキャラクターの関係性を描くことができるということ。ステージの上下前後左右を広く使ったブロッキングはまさに映画。アングルの違いで表現するキャラクターのパワーバランス。印象的なサイドショットで描くキャラクターの物理的距離感。前後の奥行きを使ったキャラクターの心理的距離感。そして、ドリーやクレーンを使って、それらを流動的に我々に見せてくるから意識的には処理スビードが間に合わない。
そして、今作品でそれを最大化してのが、ロケーション。1つの小さなロッジを動き回るキャラクターとカメラは圧巻。それを実現させたのが、かの有名な種田陽平さん。
ライティング
ロバート・リチャードソンの代名詞とも言える、ハイライトのグロー。今作でも健在。しかし、今作で少し違ったのはその印象的なグローは、一部のシーンでしか使われないということ。それゆえ、タランティーノのチョイスしたクロースアップのフレーミングに、ロバートリチャードソンのライティングが組み合わさって、圧倒的なパワーを持つ映像の完成。
セットの雰囲気ともあいまって、テーブルやバーにキャストされるスポットライトは感情がある。マジですごい。
フィクション的なライティングが光るってことは、それは自然なライティングできてるからこそ。意外とフィルライトのバリエーションがえげつなかったりする。
65mmフィルムにアナモルフィックレンズを使ったウルトラパナビジョン。2.7:1の超ワイドで70mmブリントにするって、もう本当にバカじゃないかな?何%の人がその理想の条件で観れるのか。そこまでこだわるのが作品にも出ている。芸術作品として、今後将来残していく作品として、を考えている。
だから、タランティーノの描くテーマはとてもダークな陰の部分だし、滑稽にも見えるバイオレンスシーンも痛々しく感じるし、チョイスする音楽は歴史を重ねる。まさに文学的。芸術性と文学性と、ユーモアを持ち合わせた鬼才。天才。
映画館で観たかった
“首吊り人”とも呼ばれるルース(ラッセル)は賞金首を生け捕りにするポリシー。
途中、またもや白人を拾う。目的地レッドロックの新任保安官のクリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)だ。彼はルースのこともマーキス(ジャクソン)のことも知っていたが、特に南軍時代に白人捕虜までを焼いてしまった事実を語りだす。マニックスもまた父親が略奪団をやっていた・・・
吹雪のせいでミニーの服飾店で足止めを食らう。そこにはボブ(デミアン・ビチル)、絞首刑執行人オズワルド・モブレー(ティム・ロス)、カウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、元南軍のサンディ・スミザーズ将軍(ブルース・ダーン)がいた。南北戦争をもとに様々な人間関係、確執を持ってる者がいるため、小屋に境界線を引こうと提案もなされたが、マーキスが将軍の息子を残酷な仕打ちの末殺したと侮辱を与えたため、将軍が銃を放つ瞬間マーキスが返り討ちにする。
そんな銃撃の中、何者かがコーヒーのポットに毒を入れていたのをデイジーだけが目撃。彼女は黙って、誰がコーヒーを飲むかを注視していた。コーヒーを飲んで死んだのはジョン・ルースと御者のOB。マーキスはクリスとともに残りの人間ボブ、ジョー。オズワルドに尋問する。そんな矢先、マーキスは地下にいる何者かに股間を撃たれてしまう・・・
地下に潜んでいた男はデイジーの弟ジョディ。彼ら4人はデイジー救出のために朝早くからミニーの店を占拠していたのだった・・・
マーキスもクリスも多分出血多量・・・最後には全員死んでしまうってのが何とも強烈。
タランティーノが袋詰め
3時間弱、寝不足でしたがまた夢中で見てしまいました。
タランティーノ好きはハマらないわけが無い。
犯人探しのレザボア、時間軸をずらす演出はパルプフィクション、過激なガンアクションはジャンゴを連想させるなどタランティーノの袋詰めセットでした。
「タマにお別れを言いな。」は聞き覚えのあるセリフ、、
あれ…?期待ハズレ。タランティーノでティムでサミュエルでマドセンで...
あれ…?期待ハズレ。タランティーノでティムでサミュエルでマドセンで、久々にフザケた弾丸トークかと思ってしまったので、拍子抜け。いや面白いけど。もったいないなあ。もっとこう、できたでしょうよー。こーいうのはこのメンツじゃなくてもいーじゃんー。
タランティーノ節炸裂!
まさにタランティーノという作品だった。3時間もあるものの、前半はタランティーノ作品おなじみの会話劇で全く退屈させなかった。そしてその会話が後半にじわじわと効いてきたりして、もう本当に面白かった。
この映画で一番好きだった点が、主演サミュエル・L・ジャクソンの名演技。僕の大好きな俳優の1人で他の作品でもなかなかの演技を見せているが、この作品での演技は僕が見た中で一番良かったんじゃないかなと思う。出演していた他の俳優たちの演技もみんな本当に素晴らしかった。
マイナスな部分をあげるとしたらまず、誰もが大好きな作品ではないということ。お得意の雑談も嫌いな人からしたらとことん嫌いなはず。そしてもう1つは名探偵コナンなどの密室ミステリーを想像しているとがっかりしてしまうということ。
タランティーノ作品としてはあまり好きではない方の映画だった。
演劇映画
一言でいうと舞台演劇を映画のスクリーンで見ているようなでした。
2時間40分は長く感じられなかったが前半の馬車の中のあまり
意味のないトークはもう少し短くても良いのではないかと思います。
この映画は南北戦争後あたりの時代背景なんでしょうか、相も変らず黒人差別の題材をしている所もありますが、まあ主演は黒人ですしヒーロー的な役柄なのはその辺は国民に対してバランスをとっているのかが良くわかります。
銃撃シーンも最初はびっくりしましたがこの時代だったら日本の時代劇の殺陣のシーンを西部劇風にリアルにやればこんな感じなのだろうと納得するようにもなりました。
全体に流れている音楽が独特で凄く気になっていたんですけど
この映画の後に起こるストーリーを予測するにはピッタリ合っていると思います。
やはり、アカデミーの音響賞受賞ですね納得です。
また、この映画は後でもう一度見直して見たくなるような作りなっている映画だと思いました。
落語
毎度お馴染みの章立てで進む話。今回は一章時系列が逆になるけど、あれを2回目は最初に観るとまた違った話に感じられる。
密室殺人なのでサスペンスなのだが、随所に出るタランティーノ演出に「待ってましたー!」と合いの手を入れてしまう。最早彼の映画は落語である。いつもよりネタは少なかった気がする。
観終わって長くは感じなかったが、トータル2時間40分超え。20分は短く出来るよ。
全員悪人
「タランティーノらしい」という言葉がぴったりな映画。
胡乱な登場人物達の腹の探り合い、騙し合いとウィットに富んだセリフの応酬で終始ニヤニヤしながら観れた。
少し長く感じるが、無理に縮めなくて正解だとおもう。実際削る場所なんてそんなにないくらい濃い内容だもの。
毒殺発覚のシーンはびっくりして笑ってしまった。
そして、誰もいなくなった…。
ずっと観たかった映画の一つでしたが、微妙な内容…。
前半は、たくさんの登場人物に名前を覚えるのに必死でした。
吹雪の中の山小屋で、短気な男どもがギャアギャア言い争っているので、話について行くので精一杯。
この先どこに行きたくのか分からず不安でしたが、謎解きミステリーだと思って、最後まで観ることにしました。
そしたら、どうにもエゲツナイ展開…。
ミステリーではないと思います。
どちらかというとバイオレンス的な結末。
胸糞悪い後味だけが残る、最悪な映画でした。
これが話題になった理由が知りたい…。
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