ヘイトフル・エイトのレビュー・感想・評価
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ホラー映画?
中盤まではほとんどミニーのお店の中での会話劇で、タランティーノ監督の特徴のひとつである会話の面白さを楽しむ。誰が本当に悪党なのか、先の読めない展開が個人的には結構気にいっている。
後半に入って、タランティーノ監督の本領発揮というか、残虐シーンが多くなる。最後に至っては、ホラー映画そのものだ。
この映画のすばらしいところは、脚本の面白さにある。特に、サミュエル・ジャクソンが、ミニーがメキシコ人に店を任せるはずはないと殺してしまうところで、長々と理由を説明するが、なるほどと納得してしまった・・・スープ、デイヴが座っていた椅子、犬とメキシコ人の看板、コーヒー(これは説明はないが、ミニー以外の人が淹れたコーヒーなのでまずい)。
サスペンスタッチの音楽もよかった。クレジットを見たら、私にとってはマカロニウェスタンを連想してしまうエンニオモリコーネ・モリコーネだった。まだ生きていたんだ。一体何歳なんだろう?
これで残虐シーンがもうちょっと控えめだったら、もっと高評価にしたかったので残念。でも、控えめだったらタランティーノ監督らしくなくなってしまったか?
リンカーンからの手紙が届いた❓陛下のお言葉を頂いた‼️
ストーリーよりも展開と演出の妙に惹かれました。 殺しのリアリティが半端なく凄い。 必然性も凄い。 リンカーンの功績でも、現在のアメリカは変わらないのですね。 リンカーンの手紙は創作では無い、真実だと思います、タランテイーノの思いからも。 私も、陛下のお言葉を頂いたことを思い出しました、死ぬまで忘れません。 京都国体で天橋立の玄妙庵でいただきました。
単なる西部劇に題材を取った密室劇ではなかったのです 本当のテーマとメッセージがリンカーン大統領暗殺事件に関連して隠されていたのです
ヘイトフルとは、 誠実であるとか貞節であるとかの意味の、フェイスフル(Faithful)のもじりだと思います しかし本作の原題はThe Hateful Eight ヘイトとは、もちろんヘイトスピーチのヘイトです いやはや全くもって正にヘイトフル 差別用語が縦横無尽に飛び交っています 飛び交っている差別用語の殆どは、黒人に対する侮辱です そしてそれを反射した白人への憎悪です エイトとは、 単に「8人いる!」ということの意味に思えます あるいは荒野の七人(マジェスティックセブン)の語感と、タランティーノ監督の8作品目だというにも掛けてあるようにも感じます しかし本当のエイトの意味とは、リンカーン大統領暗殺事件に関与して縛り首になった一味が8名であったことを指しているのだと思います ヘイトフル・エイトとは、その「憎むべき8人」という意味です リンカーン大統領暗殺事件のことは米国人に取っては学校で習う常識なのでしょうが、私達日本人はそう詳しくありません 詳細を少し知ると、監督の意図が見えて来ます 本作は単なる西部劇に題材を取った密室劇ではなかったのです 本当のテーマとメッセージがリンカーン大統領暗殺事件に関連して隠されていたのです サミュエル・L・ジャクソンの演じる主人公ウォーレンは少佐と呼ばれています リンカーン大統領の暗殺現場に居合わせたのは、ある少佐でした そして主人公の黒人で数々の輝かしい手柄を挙げた元少佐ウォーレンはリンカーン大統領その人から個人的に貰ったという手紙を持っています リンカーン大統領は、もちろん奴隷解放宣言を発布したその人です その大統領が賞賛するような大手柄とはなんでしょうか? 奴隷解放に反対する勢力を撃破したことです つまるところ南軍を大勢殺したということです 手紙に出てくる名前メアリー・トッドは、リンカーンの妻のこと 彼女は悪女で有名でした 悪女を連行中の賞金稼ぎの名はジョン・ルース(John Ruth) リンカーン大統領の暗殺犯の名前はジョン・ブース(John Booth) 彼は逃亡中射殺されました 彼の仲間の一味8名は逮捕され縛り首になったのです 彼は悪女ドメルグと手錠で繋がって常に横に並んで行動します 一見まるで仲の良い夫婦のように見えるのです つまり手錠を使いリンカーンが悪女メアリー・トッドと恋愛結婚していたことを連想させているのです 手紙の文面にメアリー・トッドが呼んでいるというくだりにジョン・ルースも、マニックスも微妙な表情を浮かべて彼女の名を呟くのは、誰もが悪女と知っていたからです つまり密室の中で繰り広げられる血みどろの闘争は南北戦争の縮図なのです そして暗殺にも似た不意打ち ラスト手前の縛り首のシーン それはリンカーン大統領暗殺事件の相似形であったのです 吹雪のなかに孤立したミニー紳士服飾店 その密室とはアメリカのことだったのです アメリカは今や人種間でいがみ合うヘイトフルな国になり果ててはいないのか? 差別の現場に居合わせていても見て見ぬ振りをしているのではないのか? それは悪党どもに協力して黙っていた老人の元将軍と同じではないのか? 人種差別を口にするような、そう大してご立派な人間でないにしても、結局悪党どもに手を貸さないで、黒人と力を合わせて正義を貫いたヒーローにあなたはなれるのか? リンカーン大統領の手紙の内容が私達に問うています 21世紀では、私の奴隷解放宣言の理想にたどりついたのか?と 君達は私と会えるのか?と 私の友だと言えるのか?と 時はゆっくりと変わる だが確実に (中略) 我々が進むべき道はまだまだ遠い だが手をたずさえ共にたどり着こう 忘れないでいて欲しい 君はいつも心の中にいる 願わくは近い将来ぜひ君と会いたい その日まで私は君の友でいる 露悪的なまでに、スプラッタホラー映画顔負けのグロシーンの連続 それはヘイトフルな今の米国の有り様はこんなものだというタランティーノ監督のメッセージだったのです まだまだひどくなるというなら誰も生き残れないぞと このミニー紳士服飾店のように 単なるウェスタンの密室劇ではありません 人種差別、人種間の対立と憎悪の応酬はこのような結末を招くのだとの警告であったのです BLM運動の先鋭化と、その行く末の不毛の暗澹たる未来を予言していたのです リンカーン大統領の手紙を音読し終わって「うまい創作だな」というマニックスの台詞 それは言葉どおりの冷笑? いや本当は手紙の内容に感動している? あなたはどちらに感じたでしょうか? タランティーノ監督からの問いかけだったと思います
西部劇である必然性が感じられない・・・・
ちょっと長尺(まあ、タランティーノの作品はデス・プルーフ以外長尺だけど)で、テーマがタランティーノらしくないと思い避けていた作品を観賞。 3時間近くある作品だが、あっという間に終わってしまった。 まず感じるのは台詞の汚さ。長く、汚い台詞が持ち味のタランティーノ作品だが、流石に台詞も描写も汚さを強く感じる。自分も上品な人間じゃないが、(むしろ下品な人間)聞いてて不愉快に思える台詞が次から次へとサミュエル・L・ジャクソンの口から飛び出してくる。この手の台詞は(登場人物の)相手に対してケンカ売ってんだろうけど、まるで観客を煽ってるようにも取れる。 いや、これがタランティーノの手法なのだろうか? そんな訳でほとんど室内が舞台のこの作品だが、室内なら西部劇じゃなくていいんじゃないのと思う。単純に。しかも自分のような古い世代の人間からすると、ガン捌きが西部劇ぽくない(?)んだよね。すごくシャープでクールな感じ。まあ、自分はマカロニウエスタンばっかり観てるんで、銃の発砲音がまず昔の西部劇とは違うし、カート・ラッセルはバントラインスペシャルみたいな長い銃持ってるし(あんな銃身の長い銃じゃ早撃ちは無理)と一言で肌に合わない・・・ 只、そんな自分的西部劇に対する拘りを取っ払えば、先程記した様に見せ場と時間軸のすり替えであっという間に見終わる。長さを感じない。 あと、タランティーノは日本映画好きなんだろうねぇ〜。細かい事は書かないけど、「女囚さそり」にインスパイアされたシーンが出て来て思わず笑ってしまった。
西部劇ではなく、シチュエーションスリラー
南北戦争直後のアメリカ西部。犯罪者を護送する賞金稼ぎが吹雪に見舞われ、とある小屋に避難したことから始まる惨劇を描く物語。 タランティーノ監督、サミュエル・エル・ジャクソン、カート・ラッセルが主演する『西部劇』・・・というよりは、吹雪により隔絶した小屋を舞台にした『シチュエーションスリラー』です。 犯罪者の奪還計画が示唆される中、南北戦争の後遺症、人種差別等を絡めながら、ラストに繋げます。ガンファイトは「流石タランティーノ」と言ったところ。 ただ、そうは言ってもシチュエーションスリラーに168分は長すぎます。思いのほか短くは感じましたが、もう少し短くても良かったかもしれません。
タランティーノは好きなのだが...
最初は会話劇パルプ・フィクションを見た時からタランティーノのそれが大好きになって、すごいワクワクしたけど、急な同性フェラかなりきつかったです。
そこからウォーレンがずーっとクソ野郎に見えてしまってドメルグの首絞めシーンなんて腹が立ちすぎて。
犯人を見つけて思い切りタランティーノお得意の復讐劇が見れると思ってたのに、ちょっと胸糞でした。
さすがグロさ的にはR-18と言う感じでもなかったがただただストーリー性に納得いかなかった。
シチューが食べたい(笑)
初めて観た時はまあまあに感じてしまって、2回目からの方が面白かったです! どういう風に登場人物たちはやられていくのかと思ったらいきなり大量の血を吐くとは! 『ヘイトフル・エイト』っていう響きも好きだし、この映画を観るとシチューが食べたくなる(笑)
さあ、「床に就く時間だ」。
確かにヘイトフルな輩のオンパレード。 胸糞悪い、唾棄すべき奴らばっかり。 タランティーノ監督作品初鑑賞。 予告を見て、クリスティさんの『そして誰もいなくなった』的なものを期待して鑑賞。 まあ、ある意味、『そして誰もいなくなった』なのだが。 期待していたものとはかなり違った。 セット・自然、馬の足並みの構図等、映像が美しく、引き込まれる。 トイレまでの道のりが長いのも、当時ならさもあらん。 音楽はさすが。ここに抒情的なものを合わせるかとか、挿入歌とか、緊張感・不気味さを盛り上げるとことか、古典中の古典なのだが、かえってはまる。 そして、ジャクソン氏。ミニーたちへの想いとか良い人的な雰囲気を醸し出し、黒人であることの悲哀を振りまきながらも、こんなにもヘイトフル。滋味があるのだけれどヘイトフル。 途中の死刑執行人の演説は超絶うさん臭く、何かが始まる予感を掻き立てる。 首吊りと賞金首も、途中まではどこか漫才コンビのようで(笑)をとってくる。 展開も、そうくるかと予断をゆるさないところは迫真。 人種的な様相×南北戦争の中での確執×西部劇の正義の様相が入り乱れる構成も見事。 「リンカーンの手紙」が、この展開の中で、絶妙。 映画としての完成度は高いと思うのだけれど…。 次々に明かされる各登場人物のヘイトフルさ。 加えて、ヘイトフルな展開。 裏切り者が出るのかと思ったら、命かけてまで奪還しようとする健気さには驚いたが…。 血しぶきにも食傷気味にもなったけれど、 ”ダンス”で、評価は一気に下落。 鑑賞後に、口直しの映画が必要だった。
いったい誰得?
18歳未満禁止の映画です。成人映画です。 なのに、女の裸は出て来ません。 ごく一部に男の裸は出てきますが、それが18禁の理由ではないはずです。 激し過ぎる暴力シーンとグロテスクなシーンが山盛りであることこそが、18禁の理由でしょう。 つまり、タランティーノワールドそのものが18禁である、ということですね。 ですが、ストーリーは、見事なまでの整合性を確保しています。 いったいこんな山積みの疑問をどう解決できるのかと思うほどに幾重にも絡んだ謎謎謎が、欲と恨みが、激しい暴力シーンによって、きれいに収束してしまうのです。 しかもまったく観客の誰も想像もできない形によって。 そもそも「ヘイトフル・エイト」というタイトル自体が、ミステリーの重要な材料でもあるわけです。 ネタバレになってはいけませんので、この理由は観てのお楽しみとしておきますが、いやはや、本当に凄かったです。
タランティーノ劇場
前半はアガサクリスティのような雰囲気もありながら、後半は一気にタランティーノ劇場です。 特にカメラワークも良い意味で古い撮り方をしてるようで、そこが更にタランティーノ劇場の演出として最高でした。 相変わらずラストも読めず、3時間と長い時間ですが楽しめます。 タランティーノ作品はいつも期待してしまいます。
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