ヘイル、シーザー! : 特集
ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムほか、
スターの“こんな初挑戦”見たことない!
上質作品の象徴=コーエン兄弟が描く、最高にゴージャスなサスペンス・コメディ!
「ノーカントリー」「トゥルー・グリット」「ファーゴ」ほか、映画ファンを魅了し続けるアカデミー賞・カンヌ国際映画祭常連監督、コーエン兄弟の最新作「ヘイル、シーザー」が5月13日に公開される。ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタム、ジョシュ・ブローリンほか、豪華オールスター・キャストで描かれる注目作の見どころとは?
コーエン兄弟がスターたちの「新しい顔」を引き出した!
あの人のこんな“初挑戦”、あんな“初体験”、
豪華俳優陣の「キラーショット」の連続をご覧あれ!
コーエン兄弟がまたやってくれた。アカデミー賞受賞4回、カンヌ国際映画祭史上最多となる3回の監督賞受賞と、世界最高の才能の持ち主であると同時に、世界中の映画ファンから圧倒的な支持を集める映画監督コンビの最新作が登場だ。彼らが10年以上温め続けたという構想の舞台は、ハリウッドの黄金時代。撮影中に起こった大スターの誘拐事件を解決しようとする、映画会社の「何でも屋」の活躍が描かれるが、そこはコーエン兄弟作、普通のサスペンス映画で終わるはずはない。名監督の下に集った実力派俳優たちが、これまでにない「新しい顔」をユーモア満載に披露して、極上の捜査劇を彩ってくれるのだ。
こんな豪華スターたちが、こんな初挑戦を見せてくれるなんて。どこを切り取ってもキラーショットが連続。コーエン兄弟だからこそ実現できた、最高にゴージャスなサスペンス・コメディを見逃すな。
「オーシャンズ11」シリーズに「ゼロ・グラビティ」と、いつもクールにキマった姿を見せつけるクルーニーだが、本作ではなんとダメダメ男に。超大作に主演する世界的スターながら、撮影中に無様な格好で誘拐されるわ、連れ去られた先で犯人たちに簡単に感化されてしまうわで、トホホな状態。出色なのは、ジョシュ・ブローリン演じる「何でも屋」にビンタを張られてオロオロする情けない顔。観客が思わず吹き出してしまうのは間違いない。
「アベンジャーズ」シリーズほかで映画ファンの注目を浴び続ける人気女優ヨハンソンは、人魚に扮した水上ダンス・シーンに挑戦。カラフルな水着に身を包んだシンクロナイズドスイミング・チームとともに、美しい万華鏡のようなイリュージョンを熱演している。だがその一方で、口の悪い度胸満点な「超ビッチ」演技も披露。ブロンドの髪に真っ赤な口紅、堂々とタンカを切るその姿に、「これって地じゃないの?」と思う方も多いだろう。
「ホワイトハウス・ダウン」のアクションから「21ジャンプストリート」のコメディまで、何でもこなす美形スター、テイタムが演じるのは、誰もが憧れるミュージカル・スター。華麗でダイナミックなダンスは「マジック・マイク」シリーズでお披露目済みだが、今作では歌とタップダンスに初挑戦。白い水兵姿でさっ爽と現われ、仲間たちと繰り広げる一大ミュージカル・シーンは、まさに見応えたっぷりだ。
「シンドラーのリスト」「グランド・ブダペスト・ホテル」の名優ファインズも、コーエン兄弟の手に掛かれば、爆笑を誘うコメディアンの役回りになってしまう。ベテラン監督役として、カウボーイ出身でなまりの強いアクション俳優(オールデン・エアエンライク)を相手に、「違う」「そうじゃない」と、何度も何度も台詞のなまりを修正する演技指導シーンはまるでコント。優雅な監督がいらだちを募らせ、キレる姿に注目だ。
超大作ムービー撮影中に、主役スター俳優がまさかの誘拐!
スターは見つかるのか? 映画は完成できるのか?
第66回ベルリン国際映画祭でオープニング上映されて注目を集めた本作の舞台は、世界を熱中させる「夢」=映画を生み出す工場である映画スタジオ。映画会社の命運を懸けた超大作「ヘイル、シーザー」の撮影中に、主演俳優である世界的大スター、ベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が誘拐されるという事件が発生。映画製作にまつわるトラブルなら何でも解決するトラブル・バスター、「何でも屋」のエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)が、事件解決に挑むというストーリーだ。
映画を完成させるためには、ウィットロックを見つけるしかない。マニックスは、神出鬼没の双子のゴシップ誌記者(ティルダ・スウィントンの2役)の追求をかわしながら、お色気たっぷりの若手女優ディアナ・モラン(スカーレット・ヨハンソン)や、軽快なタップとセクシーな歌声で人気のミュージカル・スター、バート・ガーニー(チャニング・テイタム)、恐ろしく真面目な公証人(ジョナ・ヒル)らを巻き込み、秘密裏に人質奪還に挑む。
映画を完成させられるかというタイムリミット・サスペンスを意識させつつ、なまりが強いカウボーイ・アクション俳優ボビー・ドイル(オールデン・エアエンライク)のコミカルな姿も織り交ぜて、一筋縄ではいかないコーエン兄弟らしいユーモアも作り出す。スターは見つかるのか、映画は完成できるのか──超豪華オールスター・キャストに彩られた物語の行く末から目が離せない。
真の映画ファンのためと言っても過言ではない本作、あなたの映画愛は本物!?
「グランド・ブダペスト・ホテル」はじめ、
《大人のハイセンス・ムービー》が好きなあなたに贈る1本!
「ノーカントリー」「トゥルー・グリット」「ファーゴ」ほか、巧みなストーリー・テリングと洞察力あふれる人間描写、そして思わずニヤリとさせられてしまう一級のユーモア。コーエン兄弟の作品は、大人だからこそ分かる味わいに満ちているからこそ、世界の映画賞で高く評価され、目の肥えた映画ファンを夢中にさせてきた。本作「ヘイル、シーザー」は、そうした「コーエン兄弟」テイストをさらに押し進めた、真の映画ファンのために作られたと言っても過言ではない1本だ。
本当の映画ファンだからこそ分かる味わい──賢明なる映画.comユーザーなら、この言葉にもきっと「うんうん」とうなずいてくれるはず。「グランド・ブダペスト・ホテル」や「ミッドナイト・イン・パリ」など、上に挙げた「大人のハイセンス・ムービー」を存分に楽しんだならなおさらだ。オールスター・キャストの熱演と画面の隅々にまで行きわたったセンス、そしてユーモア。映画愛に満ちた者なら、感動に包まれる本作を見逃す手はない!