恋妻家宮本

劇場公開日:

恋妻家宮本

解説

「家政婦のミタ」「女王の教室」といった人気ドラマを多数手がけてきた脚本家・遊川和彦の映画監督デビュー作。重松清の小説「ファミレス」を遊川自ら大胆に脚色し、熟年離婚が当たり前になった現代で、子どもが独り立ちした後の夫婦がどのように向き合っていくのかを、コミカルかつハートフルに描いた。ひとり息子の正が結婚して一人立ちしたことで、2人きりになった陽平と美代子の宮本夫婦。2人は大学時代に大学生時代に出来ちゃった婚で結婚したため、50歳にして初めて夫婦ふたりきりでの生活を送ることになる。そんなある日、陽平は美代子が隠し持っていた離婚届を見つけてしまい……。中学校教師で優柔不断な夫・陽平を阿部寛、専業主婦として家庭を切り盛りしてきた、しっかり者の妻・美代子を天海祐希が演じた。

2017年製作/117分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2017年1月28日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15

(C)2017「恋妻家宮本」製作委員会

映画レビュー

3.0豊嶋花がかわいい

2023年7月1日
スマートフォンから投稿

50台夫婦の迷い、葛藤、後悔が主題となった映画。伏線として、中学教師の担任している子供への支援。優しいってどういうこと?が描かれる。若い頃を演じた宮藤阿須加と早見あかりも良かった。めちゃくちゃ小さい豊嶋花が全然変わらないお顔で可愛すぎだった。
なんだかな、主人公と同じお年頃。あと数年で子供が巣立つ身としてはとても、共感できたし、自分に自身がない姿にもすごく共感できた。夫にもみてもらいたいなー。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
NI

3.5今日まで~明日からも…生きていくだろうと

2023年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

単純

寝られる

鑑賞後、ちょっと自分を好きになれそうな気がしました。拍手をしたくなりそうな気がしました。
 でも、しない(笑)。自分を好きになりそうな気がするっていうのも、すぐに風に飛ばされていきそうです(笑)。

それまではいろいろなことがあって、これからもいろいろなことがあるんだろうけれど、きっとこうして生きていくんだろうというちょっとした勇気を、勇気って言うほど大袈裟ではないけれど、そんなちょっと口角が上がってしまうような気持ちを頂きました。
 「力を借りて、しがみついて、嘲笑って、怯えて、裏切られて、手をとりあって」という、拓郎さんの歌詞そのままあてはまるようなエピソードが詰め込まれています。

原作『ファミレス』。原作未読。
 ファミレスって、以前は唯一乳幼児も連れて入れる、様々な人が様々な使い方ができるダイナーでしたね。そして、普段着で入れるし、お茶の間のごとく、様々な人生の場面に使われました。
 エンディングで、登場人物がその役柄にあったファミレスの利用の仕方をしていて、歌詞をつないでいく。ここだけでも見ものですが、その前の物語をみていないと、阿部さんが、天海さんが、冨司さんが、奥貫さんが、相武さんが、菅野さんが、この歌のあの部分を歌うことの絶妙さがわからないから、本編も合わせてご覧ください。

話は等身大の人々の話です。だから、感情移入しやすいし、身につまされます。不倫までもが映画や小説の中、特別な事情だけの出来事ではなくなったのが悲しいですが。
 当事者にとったら笑いごとではないのだけれど、その役を役者がきっちり演じてくれるだけに、ユーモラスです。
 笑いも、軽い(笑)、シニカルな(笑)。吹き出しそうな(笑)。自分を振り返って困った(笑)、演出がはずれての失笑。様々な笑いが散りばめられています。
 そして涙も…。

演出は、ベタ。
シーンごとにみると、余韻のある素敵な場面もある半面、
狙いはわかるんだけどもたついている場面、
ドンにそういう表現をさせるのは臭すぎる、せっかく繊細な表現ができる役者さんなのに持ち味殺しているよという場面もあり、一定していません。
 特に、えみちゃんをもっと動かしてもいいと思うんだけどなあ。勿体ない。
 エンディングも、歌を出演者でつないでいくところはとっても良かったと思うのですが、集まっての大合唱はいらなかったと思います。カーテンコールのつもり?座ったままでの大合唱の方がふだん使いのファミレス、日常の中に溶け込んでいると思うのですが?

と、突っ込みどころも満載。でも、さすがうまい役者を揃えていて、阿部さんの演技・天海さんの演技・菅野さんの演技・冨司さんの演技だけで笑えます。

主人公宮本。
 心では一杯感じて考えるんだけど、それがぐるぐる回って、行動できないで、実際に言葉に、行動に出てくるのは、思っていたことと若干ずれている男。
 だからかなあ、妻や習い事仲間・生徒とのやりとりでも「そうじゃなくって!!!」と膝を叩きたくなる場面満載。
 そういう場面が続くと普通はイライラするのに、なぜか阿部氏演じる宮本を見ていると、苦笑しながらも赦してしまうから不思議。

天海さんも絶品。このあまり動きのない、ラストまで真意のわからぬ妻が見事。
 予告にもあるフェイスマスクは本当に(笑)だけでなく能面のようで効いています。駅での語りはつい動きながら語ってしまって、ここだけ、おう!舞台女優!!!になっていました(笑)。私には違和感なのだけれど、ギャグのつもり?

冨司さんはいつもの安定感。この方が入ると映画に品が出るし、しまります。エンディングの歌、一番うまかったです。

そして、菅野さんてこんなに綺麗でしたっけ?綺麗なのは知っているけど、私鑑賞史上最高に美しい。役もばっちりハマっていました。

相武さんも失礼ながら、こんなに演技うまかったっけ?頂いたフライヤ―に載っている表情だけでも、息を飲みます。

この他の方々は、「頑張れ」ハンコをあげたくなるけど、映画を楽しむ分には遜色なしです(笑)。(何様や?)

人生後悔したくないと、ベストな正解を求めてしまいがちだし、学校でも「ベストを尽くせ」と教わります。その為に努力しなければと。でも、なかなか、何が正解なのかわからずに、迷う日々。自分で決めているようで、流されていて、でもやっぱり自分で選択している(選ばないという選択方法もあり)。多くの人たちは今日までそう生きてみています。
 で、失敗を重ねても、時に逃げ出しても、本当に自分が大切なことに半歩踏み出して、周りが変わっても変わらなくても、私も変わったようで変わらないで、でも変わって、明日もこうして生きていくんだろうな、それでいいんだよ、と思わせてくれました。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
とみいじょん

3.5まずまずのコメディ。途中までは面白さも中途半端で冒頭の柳ゆり菜のウ...

2023年5月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

まずまずのコメディ。途中までは面白さも中途半端で冒頭の柳ゆり菜のウェイトレスが1番の見どころかと(笑)女生徒も生意気だし。
後半の駅でのシーンで挽回。ありえないシチュエーションでくさくもあるのだが、なんか良かった。キス寸前からの…も予測を超えて面白かった。ただ、離婚届を書いた理由が釈然としない、私なら離婚だな(笑)
佐藤二朗の尺はこれくらいでちょうど良し(笑笑)
「正しいことをすることより優しいことをする方が大切」
エンディングも素敵でした。
J:COM

コメントする (0件)
共感した! 0件)
はむひろみ

4.0優しくなければ生きている資格がない

2022年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

主役の阿部寛好きのカミさんの要望で鑑賞したが、コミカル仕立てで面白いだけではなかった。説経臭くなることなく、夫婦関係の在り方を問い掛ける、なかなかの作品だった。

本作はフィクションではあるが、熟年夫婦関係を詳細に観察して作られている。もう子供は独立したのだから、お父さん、お母さんという呼び方はおかしいから、名前で呼び合いましょうという妻(天海祐希)の提案、等々。思わず、そういえば私達も同じようなことが・・・と隣席のカミさんと顔を見合わせて苦笑いをする場面が何度かあった。主人公達夫婦がリアルに感じられ素直に感情移入できたが、プライバシーを覗き見られているような気恥ずかしさもあった。

本作は、お互いの気持ちが離れかけた熟年夫婦の再生物語である。冴えない中学校の国語教師である主人公・宮本陽平(阿部寛)は、一人息子の結婚を機に、妻・美代子(天海祐希)と二人暮らしを始める。ふとした切欠で、妻の書いた離婚届けを見つけた主人公は妻の真意を探ろうとするが判らず混乱していく。そんな主人公が、始めたばかりの料理学校の面々(菅野美紀、相武紗季)、中学校での生徒達との交流を通して、妻と真摯に向き合う大切さに気付き、妻との相互理解、相互信頼を取り戻していくまでがコミカルに描かれている。

冒頭のファミレスシーンが斬新で一気に作品に引き込まれる。主人公の半生がファミレスを巧みに使って綴られていく。ファミレスのメニューが多過ぎて注文がなかなかできない主人公の子供の頃からの優柔不断振り、何事も即断即決する妻・美代子(天海祐希)との出会いから結婚、長男の誕生に至るまでが面白可笑しく描かれている。

家庭に事情があり自虐的になった男子生徒を立ち直らせる過程で、主人公の優柔不断さの理由が解き明かされていく。正義を振り翳す厳格な男子生徒の祖母に対して、優しさ論で応酬する主人公が格好良かった。主人公の優柔不断さは、常に他者のことを想い、どんな事にも真摯に向き合っている結果である。優しくなければ生きている資格がない、という諺を体現していると得心した。

ラストもまたファミレスを巧みに使っている。吉田拓郎のヒット曲に乗せたミュージカル仕立てで洒落ている。フィナーレという言葉が相応しい。主要出演者たちが登場する大団円は舞台劇を観ているようだった。名作『蒲田行進曲』のラストを思い出した。

ハッピーエンドのお手本のようなラストであり、観終わって心が温まる作品である。

コメントする (0件)
共感した! 12件)
みかずき