ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのレビュー・感想・評価
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コリン・ファースに惹かれて観に行きましたが、ジュード・ロウの演技が...
コリン・ファースに惹かれて観に行きましたが、ジュード・ロウの演技が光っていました。主演はどちらなのか、ベストセラーというのはどちらがもたらしたのか。観賞した後ではなかなか判断がつきにくいですが、映画自体はトマス・ウルフの映画でした。でもコリン・ファース、カッコよかったです(*´-`)ニコール・キッドマンもさすがの美しさ。彼女の金髪が好きだったのですが、暗い髪色も似合いますね〜
実話をベースにしているので仕方ないとは思うのですが、脚本はもうちょっと繊細にしてほしかったかなぁという印象です。作中に引用されるトマスの文体と少々差異があるので、もっと芸術的な仕上がりでもよかったのかも。でも作者と作品の違いも往々にして魅力なのでしょう。
とにかく良い映画でした。コリン・ファースにハズレはない。
ただ良いキャストを揃えてるわりに上映館が少なすぎです。宣伝もほとんどやってないんじゃないでしょうか。上映開始朝9時〜と夜9時〜の二択はキツいです。
編集者のおかげ。
編集者がいなければ自作本を世に出してもおそらく売れない。
俗にいうタレント本があんなに文列乱れず読みやすい文章に
仕上がっているのは編集者のおかげ。有吉も様付で称えてる。
このパーキンズという人もその世界でかなり有名な編集者で
数々の天才作家を世に出したらしい。フィッツジェラルドも
ヘミングウェイも彼だったのかと驚嘆。今回は若き天才作家
トマス・ウルフとの共闘の日々が描かれる。何しろこの人は
原稿の量が半端じゃなく膨大。全てを読むだけで日が暮れる
ほどだったがパーキンズはこれは売れると直感し出版を約束。
しかしウルフは突飛な性格で付き合うだけでも苦労するうえ、
事ある毎に愛人が口を出してくる。パーキンズが可哀そうな
ほど仕事のやり辛い相手。それでも辛抱強く編集作業を続け
やがて出版されたウルフの本はベストセラーとなるのだが…。
コリン、ジュードの時代を反映させた名演技、まるで正反対
の二人がいかに交流を深めたかがよく分かって感慨深かった。
しかしあれほど神経をすり減らす毎日が続けば身体のことが
やはり心配。ウルフが夭折したのも納得のそんな内容だった。
(パーキンズが家でも帽子をとらないのが不思議だったなぁ)
天才は世界の中心にいる
かつて中上健次が「泉から水が溢れ出るようにものを書きたい」という文章を書いていた。記憶が定かではないので正確な言葉ではないが、文章を書く人間ならだれでも願うことだ。
「Genius」という映画の原題の通り、無名の作家トマス・ウルフは溢れ出るように言葉を紡ぎ出す。まさに天才である。しかし編集者にとって多すぎる言葉は邪魔でしかない。ひとつの場面を描くのに多すぎる文章は読者がついてこれないのだ。
フランスの作家マルセル・プルーストが「失われた時を求めて」という超大作を書いていて、若い時にその全7巻をやっとの思いで読了したことがある。「プチットマドレーヌ」というお菓子を紅茶に浸して食べるのに延々とページを費やすなど、長い長い小説だったと記憶している。ひとつの場面がフラッシュバックを想起させ、さらに次のフラッシュバックを呼ぶなど、なかなか物語が前に進まない。フランス文学を専攻していなければ放り出してしまっただろう。
この映画は1920年代が舞台で、「失われた時を求めて」が発行されたのと同時代だ。フランスは哲学と芸術の国だけあって、フランス人の編集者は小説家の意向を尊重したのだろう。長い小説は長いまま発行された。
しかしアメリカ人の編集者マックス・パーキンズは哲学や芸術よりも商売が優先だ。ベストセラーを目指すためには文章を削りに削って読者をジェットコースターに乗せなければならないことをよく知っていた。
原稿の添削は作家との真剣勝負だ。作家がひとつとして言葉を削りたくない、むしろさらに書き足したいのに対し、編集者は表現を凝縮して読者を引っ張っていく作品にしたい。そのせめぎ合いの末にベストセラーが生み出される。
天才はひたすら生み出していくだけだ。周囲は天才を制御しようとするが、うまくいかない。巻き込まれて傷つき、生活さえ犠牲にしてしまう。それでも天才を愛さずにいられない。ニコル・キッドマンが女心を見事に演じていた。
編集者マックスは天才がその才能ゆえに周囲のことなど考えられないことを知りつつ諫言を重ねるが、無駄な努力であることは分かっている。天才は世界の中心にいるからだ。
コリン・ファースは重みのある中年を実に重厚に演じていた。来週公開の「ブリジッド・ジョーンズ」でコミカルな元夫を演じるが、何をやらせても上手い。ジュード・ロウはわがままで猪突猛進する天才の役がとても楽しそうだ。
フィッツジェラルドやヘミングウェイが脇役で出てきて、文学好きにはたまらない素晴らしい作品だ。
友情なんてもんじゃなく。
これはもはや
編集者と作家の愛の物語。
同性愛とかではなく
いわば父子愛でしょうか
その愛の結晶は大きく実り
その愛の大きさ故に亀裂が走る…
マックスの肩に頭をもたせながら
2人で見るニューヨークの夜景は
その幸福感の裏側に
かつてそれを独りで見ていたトムの
若く鬱屈した胸の内をも想起させ
深く切なく心に残りました。
ラストシーンはしみじみ。
そしてエンドロールの音楽に
うっかりほだされて、思わず涙。
舞台出身の監督らしく
少人数の人間模様を活写していて
もう一度噛みしめたい良作でした。
帽子
ずっと気になってた。
最後まで、脱がない。
食卓につく時も、一人で書斎にこもっていても。
パジャマには着替えるのに。
なんでだろ?
それが、最後の遺書を読む時には脱ぐ。
…なんでだろ?
演出意図を色々想像はできるが、その理由がこの作品にとって重要なのかは疑問である。
作品は、名優たちの芝居を堪能できる。
見応えはある。
想像というか、期待してた内容は恐ろしい速さで通り過ぎていったけど…それでも、見応えはあった。
トーマス・ウルフに造詣の深い方なら、10倍くらい面白いのかも。
才能を見いだして天才を作る仕事
宣伝でみたあらすじと邦題から想像してたストーリーとは違っていましたが
紙一重で埋もれている才能を見いだして天才を生みだす仕事はとても尊いなあ…と思いました。
こんなに情熱を持って仕事をしたいものだなぁ〜と。
セリフと(日本語訳ですが)映像の色味が綺麗で、様々な登場人物からどろどろと流れ出す感情も切なくまとまっていた気がします。
編集者の力と作家の力
編集者の映画と思ってみましたが、実は作家の映画です。
作家の天才を引き出して後世に残る作品に仕上げる編集者は、常に影の人でここでのマックスも決して表に出るタイプではありません。
作家としてのトーマス・ウルフは知りませんが、読んでみたくなりました。
演技、マックスの家族、とても良かったです。
ブロマンス
とにかく役者の演技が素晴らしい。
コリンファース、ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン。
瞳で語る演技、台詞のない演技で全て語ってしまう。
最初の登場から演技に惹き付けられる。
あと演出が素晴らしい。
音楽も良かった。
ブロマンスで戦争も革命もなくここまで強い絆が描けるとは。
役者のファンとブロマンス好きは絶対に見た方がいい。
一応補足でウルフはかなり強いADHD なので、ADHDの人は羨ましくて辛くなるかも知れない。
小説読みなので
作中で朗読されるトマス・ウルフの作品の美しさに感動した。字幕監修を柴田元幸に依頼したのは大正解と思う。
雰囲気も音楽もとても美しい。
主演二人も文句なく素晴らしかった。
他にはフィッツジェラルドがいい。ただの浪費家と思ってたけど、思いやりに溢れる、静かで優しいいい男だなあと。
この時代のアメリカのガチャガチャしたところがなくて、静かで上品でよし。
天才な人達は違うな。
編集者、がまずはすごいな、と。この作品をみると本って編集者でいくらでも変わっちゃうんだと。この編集者がいて名作は作られたんだなー、と。
ここまでとことんのめり込まないと傑作は出ないんだろうな。彼女や家族を犠牲にしてまで仕事に没頭なんて無理。
ニコールキッドマンのギリギリの精神バランスが切ない。
演技力!
コリン・ファースとジュード・ロウという大好きな2人なので、ストーリーの前情報は何もなく観に行ったら引き込まれた。
ニコール・キッドマンとローラ・リニーという、こちらも大好きな女優さんたち。出演されていると知らなかったから、なおさら嬉しい。
それぞれの演技力が光る作品。
1900年代初頭は好きな時代で、ファッションやインテリア、ジャズも楽しめた。
全くタイプの違う2人の男の友情。
その男たちを愛する対照的な女たち。
トマス・ウルフの子供のような憎めないキャラクターは、いたずらっ子のような目を輝かせる時と、とても深い悲しみを浮かべる時と…。ジュード・ロウの演技がいい!
コリン・ファース、とてもこの役にピッタリだった。冷静なパーキンズが声を荒立てるシーンや、最後のデスクでのシーン。たまらない。
ニコール・キッドマンの狂気溢れるほどトム愛し、壊れいく姿も心に響いた…。
涙がこんなにこぼれるなんて…。
映画館で観て良かったと思える作品だった。
天才
鑑賞後、題名と内容にズレがあるというかどうにもスッキリしない時がある。そういう場合必ず原題の意味を調べたりします。この作品も調べました。
原題『Genius』天才という意味。なるほど。
マックス・パーキンズ(コリン・ファース)は常に物静かで数々のベストセラーを作家と共に生み出してるのに決して威張らず作家に寄り添う編集者。作家にとって信頼できる人物。それが自然に伝わってくる。
トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)は破天荒で天才は誰にも理解されないんだみたいな典型的な天才肌の持ち主。
ベストセラーを生み出す苦労と戦いがあった。2人の関係、帽子の意味がこんな風に使われるなんてズルいしニクい。
でも恋人(ニコール)の私と仕事どっちが大事なの!的になったのは私には理解できず… (あーた、こうなる事を望んでここまで支えてきたんじゃないの?)
後ね…最初のね…小説の文章がね…難しくてね… ニュアンスは伝わるのよ… でも理解がねw 私は天才じゃないから(むしろ真逆)
久々に泣いた…人生って酷なもの…
いや、久々に泣きました。
映画解説に書かれているとおり、無名の小説家がフィッツジェラルドやヘミングウェイの編集にも関わった、名編集者のパーキンソンの元に小説を持ち込み、ベストセラーを生み出す…と。
でも、一夜にして有名人になると…自分の才能を過信して、自分にそぐわない人々を否定し、すべてが崩壊に向かう…
こう書いていくとよくある話といえばよくある話なのですが、ウルフの小説を書くということへの偏狭的な熱意もすごいと思うし、それを陰で支えていくことに対するパーキンソンの偏狭的な熱意もすごいと思う…。そして、ジュードロウとコリンファースがまた真に迫る演技で淡々と進むストーリーを彩っていきます。あ、ニコールキットマンも素晴らしかったです。
ラストは正直想像もしていなくて、最後のシーンはおもわず涙がこぼれました…。
映画中に出てくる、小説的な会話の言い回しが字幕でなかなか追いきれず…リスニングがちゃんとできたらなぁ…と後悔するくらい、ちゃんと聞けたらもっと楽しめると思います。
マックス、家の中では帽子はとりましょう。
コリン・ファースはよかったが、どうもストーリーが馴染めずに終わってしまった。推敲に随分と時間をかけて苦労したようだけど、そのまえにその数千枚(か?)に及ぶ元々の原稿を書くほうが大変だったんじゃない?と思ってしまった。
トムの破天荒ぶりは天才ゆえと解釈もできるが、彼女のアリーンがマックスに嫉妬するのはどうなのか?と、ずっと理解できなかった。トムは作家なんだよ?小説を仕上げるために仕事に打ち込むことがいけないことなの?
原題は「genius」つまり「天才」。やっぱりそっちがいいんじゃないのかな。マックスに聞いてみようよ。
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