教授のおかしな妄想殺人のレビュー・感想・評価
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相反する論理の狭間で
''哲学は言語による自慰''と宣う哲学教授が自身の教え子と哲学とを戦わせるも、最後には直感が勝り悲劇を招く。その様は、あまりにもシニカルかつ新たな哲学と、アンダーソン風に言えば''暗い笑い''を匂わせる。
カント、サルトル、ドストエフスキー等の名をちらつかせる様は、ミッドナイト・イン・パリ同様、元ネタを知らないと作品世界に入り込むタイミングを逃してしまうかもしれない。
エマ・ストーンの可憐さだけでなく、二人の男と二元的価値観に葛藤し鬼気迫る様は一つの見所として挙げられよう。
邦題からは察しがたいが、哲学教授を題材に''irrational man''というタイトルを冠するあたりはウッディ・アレン流の皮肉を感じさせる。
また淡々としている様で、神経を尖らせなければ真意には触れられないであろう佳作。
罪と罰
ウディ・アレン流の罪と罰。
悪い奴はこの世に居なくて良い。
むしろ、殺した方が世のため人のため。
人のためと言いつつも、自分にもやっと生きる意味が見つかった。だから、やっぱり死にたくない。捕まりたくない。
いつ死んでも良かったのに殺人者になったら、生きる意味が見つかったという皮肉。インテリが御託を並べても、所詮人は、ここに在るだけです。
「重罪と軽罪」「マッチポイント」のラストで犯人は裁かれませんでしたが、今回は死んでしまいましたね。
ウディ・アレンは、何故ラストでエイブを裁いたのでしょうか。裁かなくてはいけなかったのでしょうか。
80歳を迎えたウディ・アレンの境地にこれからも目が離せません。長生きしてね。
カントトカ
劇中気になったカントについて調べたら、なるほど〜もう1回観たらもっと面白いんじゃないかなぁと思いました。
The Ramsey Lewis Trio/The In Crowdが重い部分にサラッと感出してて良かったです。
ついでに、邦題つけた三流詐欺師は、壊れたエレベーターから落っこちれば良いのにと思いました。
エマ・ストーンという存在の特異性
エマ・ストーンという存在の特異性が、改めて際立った一本。
御大いつもながらの「人生の意地悪さ」を醸す物語は美味。
枯れて狂った主人公を演じたホアキンも見事。
けれどそれ以上に、他のどの女優が演じても空中分解しそうな厄ネタヒロインを、魅力たっぷりに演じたエマ・ストーンが光っていた。
決して彫刻美人系の顔立ちではないのだが、それを補って有り余る魅力的な表情の変化と、機転の利く知性が唯一無二なのかと改めて感嘆した。
この「個性」を持つ役者は、本当に稀なのではないだろうか。
お話し以上にヒロインに注目の作品。
因果応報
ウディ・アレン監督作品にありがちな、人生において、波に乗って調子の良い時と、反対に悪くなって、転がり落ちていく、対比(皮肉)が描かれており、面白かった。
そして、因果応報…。
悪くなっていく時に、以前の良い時期を忘れられない人は、こうやって没落していくのかも…。
ちょっと後味が良くないけど、面白かった。
こんな教授に恋するかなぁ
哲学者とは思えない笑える完全犯罪企画。
最後のオチも予想できる展開ですが、
エマ・ストーンが可愛いのでずっと見惚れてました。
エマさんに5つ星ですね。
ウディ・アレン作品は観てていつも面白いです。
バックミュージックJAZZは超有名曲ですが
映画にピッタリハマりましたね。
つまり……、 俺が人間的に成長すれば ち×ち×も俺についてくる!
つまり……、
俺が人間的に成長すれば
ち×ち×も俺についてくる!
カレー沢薫著「やわらかい。課長起田総司 1巻」より。
『教授のおかしな妄想殺人』
原題Irrational Man(2015)
(偏見に満ちたあらすじ)
幼少期からの度重なる不幸な出来事と、救いようのない孤独感で、あっちの方だけでなく、人生全てがED気味な哲学科教授エイブ(ホアキン・フェニックス)が、偶然に悪徳判事の話しを聞き、必殺仕事人的に"判事をこの手で成敗してやる"という生きがいを見つけ、同僚の教授リタ( パーカー・ポージー)との不倫、教え子ジル(エマ・ストーン)との禁断の関係を通して、色んな意味でのEDを克服する。が、しかし……。
平日昼間、けっこう入った映画館ではいびきが鳴り響き、エンドクレジットで隣の叔父様が「わかんないなー」という独り言で席を立つ。そんな本作(笑)
諸々とお察し頂ければ、幸いです。
観たのが先月なので、またまた記憶が曖昧です。
観ますけど、いや、観ますけど。
ウッディ作品を、"好んでは"観ません。で、ウッディ作品に精通してないのに、こんなこと言って申し訳ないのですが、あの、思い込みかもしれませんが、ウッディ・アレン監督の主人公って、ほぼウッディの"ミニ・ミー(オースティン・パワーズシリーズ参照のこと)だと思うんです。
その点からいうと、お腹をタルタルにさせて役作りしたホアキンの頑張りは凄いと思いますが、若干、若干ですよ、ミスキャストかなぁと思ったりしました。
それに、ホアキンってEDに見えないし(そこか!?そこです。すみません)。
あ、EDっぽい顔ってどんなん?って言われると、全力で困ります!
でもやっぱりウッディの落ち着きない、神経質そうな、コミカルな演技の方が、面白さアップだったかもしれないですね。
あ、ED、EDって連呼してすみません!
実は最近、EDあるある漫画:カレー沢薫せんせの「やわらかい。課長起田総司」を読んだばっかりなものですから、つい。
主人公エイブは哲学科教授です。
"哲学"とググると「人生・世界、事物の根源のあり方・原理を、理性によって求めようとする学問。また、経験からつくりあげた人生観」と出て来ますが、ようは"理性"によって求める学問を追究する教授が、Irrational =非理性的な殺人を行うことにより、生きる情熱を得る皮肉さ。
冒頭"実存主義"についての台詞がありますが、実存主義って簡単にいうと、人間は使命(個々の決まった役割)を背負って生まれてくるのではなく、自分の手で存在意義を見つけるべきなのさ。
ってことだと思いますけど、しかし、見つけた結果がアレとなると、ウッディの手厳しさを感じるような……。
ウッディの人生80年の結論がアレだと思ってるのか?それはそれで、「おじいちゃん、そんなことないよ。頑張ったよ」と言ってあげたくなるような……。
そんな、複雑な心持ちが致します。
それにしても。
人間ってのは、タブーに興奮するもんなんですねー。
PS 邦題どうにかなりませんかね?
あと、エマ・ストーンの舌っ足らずが、クリスチャン・ベイルさんと同じく凄く気になって、台詞が頭に入って来ません!
でもファッションは可愛い♡
気の毒な彼氏。
もっとコメディに趣をおいた話と思っていたので若干
薄味な笑いと、既視感ありありな展開と、哲学だらけ
の前半の講釈に(初めて)眠気を感じたりしたのだが…
なんでホアキン?と思った違和感がするすると解ける
中盤からの展開には、なるほどと思えた。似合ってる。
彼のような善悪こなせる顔に鬱と妄想癖がありそうな
性格をプラスして考えると(失礼)この物語に合ってた。
最後に仕掛けるアレに、あ~それってここで使われる
モノだったのか。なんてちょっとした悦びもあったり。
なんともいえない雰囲気には酔えるが、実際ホントに
殺人をやってしまってさらには…の後半がやたら長く、
彼女に振り回された彼氏をなんとかしてやれよ~あれ
じゃ可哀想だぞ~またやられるぞ~なんて思った始末。
(人生は無意味である。なんて思ったことも、ないです)
“タブーを破る”ことの意義と代償。一線を越えた教授の悲喜こもごも。
【賛否両論チェック】
賛:“他人のために殺人を犯す”という禁忌によって、生き甲斐を取り戻していく主人公の姿が、コミカルでもあり痛々しくもある。ありふれてはいるが、どこか光る終わり方も魅力的。
否:展開は結構淡々としているので、特に前半は眠くなりそう。
最初は生き甲斐もなく、生気を失っていた主人公が、「赤の他人のために悪徳検事を殺害する」という目的を見出だし、次第に生き生きとしていく姿が、滑稽な中にも切なさを感じさせます。同時に、“恋人がいる教え子との恋”という、言ってみれば2つのタブーに足を踏み入れていく様子もまた、非常に考えさせられます。
展開はかなり淡々と進んでいき、特にメリハリのある描写があるわけでもないので、その辺りの好みは分かれるかとは思います。
ラストも予定調和ではありますが、どこか憎めないのが、またステキなところ。ウディ・アレンファンにはオススメの作品です。
至極の凡庸劇映画
少しだけまさかの展開。しかし、その筋は見え見えであり、最後、大笑いした部分に至っても、何となく予想はついた。だから、つまらんとかおもろいとかそういう次元でなく、突拍子もない話をいかに平坦に描くかがウッディ・アレンの力量だと勝手に解釈しているわけで、そういった意味において、この作品も至極の凡庸劇映画に仕上がっていた。
ただ、今回はあまりに展開が強引すぎると思ってしまったために、軽々しい作品だと感じたところもあった。まぁ、それも意図としたことなのだろうと、劇中で使用されているジャズなどを聴けば明確に分かるのだが…とはいえ、やっぱ粗すぎるかなー。
オッサンばかりに恋をするエマ・ストーンを創るウッディ・アレンは悪趣味としか言いようがないが、それも含め、劇中でのあらゆるナンセンスがスキでスキでたまらない。だからまた次も無条件で見てしまうのである。
イヤーっなにこれ
ビックリするほどツマラナイ!!
ツマラナイっていうか、なんなのか、ラブストーリーなのかコメディなのかサスペンスなのかギャグなのか、もう何も分からない、ヤバイ、こんなヤバイ気持ちになる映画はひさしぶりだ……
エマストーンが可愛くてスタイルも良くて可愛いことだけはわかった
あと、洋画ってこういう締め方多いよね
海辺とか空とか映して「この経験で私は学んだ…世の中には想像を絶する悪が存在するということを……今は幸せに暮らしている…」とかいう具合に終わるやつ。映画の作り方マニュアルにでも載ってんのかな?
所詮人間は愚かでエゴイスティックな生き物!
評価が低い様ですが… ウッディ・アレンの魅力がギッシリ詰まったチャーミングな作品でした。
生きる意味を見失った大学の哲学教授。
この、人の生きる意味を説く『哲学者』と言うのがポイントw
結構深い内容をテンポよく描き… 所詮人は愚かでエゴいスティックな生き物と、皮肉たっぷりに描いています。
深く内容ある短編小説をサラッと読んだ様な後味はさすがウッディ・アレンでした。
最近お気に入りのエマ・ストーンもとてもカワイイ♡
哲学、罪と罰、やっぱりウディ・アレン。
毎年恒例のウディ・アレンの新作映画である。何はともあれ、アレンの創作意欲の若々しさには毎年驚かされる。アレン節こそあれど、決して作品がテンプレート化することなく、きちんと新しいアレン映画が生まれているのが何より頼もしい。今に始まったことではないが、いつからかアレンの映画はすっかり角が取れて、もう余裕綽々で撮っているような安定感が漂っており、どこかの国の神話か寓話かと思わせるような、無駄を削ぎ落した洗練された物語が楽しめる。
今回は、陰鬱とした気持ちで暮らす大学教授が、偶然耳にした裁判の判事に怒りを覚え、動機も関係性もない赤の他人である自分が判事を殺害すれば、世の中がわずかでもよくなり、救われる人がいる、と信じ込み、実際に殺人計画を立て始めたことから、突然生気が漲りポジティブで活動的な人間に変わっていく、という物語だ。そして実際に殺人計画を実行に移し、完全犯罪を成立させたと思いきや・・・と話は動いていく。アレンの映画「マッチ・ポイント」を想起させる話のようでもあるが、「マッチ・ポイント」がシリアスなサスペンス悲劇であったのに対し、こちらはシニカルでありつつもコミカルで喜劇的だ。主人公に訪れる結末も真逆のものになっている。
ウディ・アレン映画としてはやや意外な気もするホアキン・フェニックスが主演を張り中年男の厭世観を演じ、アレンの回りくどいセリフも自分のものにしているが、やはり目を引くのはエマ・ストーンだろう。ウディ・アレンにずいぶん気に入られたのか、この映画ではまったくもって飾らないエマ・ストーンそのままのイメージの役柄でストーンを起用し、光を当てている。ストーンの着るファッションも一際こだわっており、派手さはなくとも、学生らしいお洒落を楽しむ雰囲気が出ていて実にキュートだ。彼女が映るとスクリーンが華やかになる。
物語自体は短くてシンプルで小粒なものになっている。アレンに馴染みのない人にはどうか分からないが、個人的にはこの小粒でスパイスの効いた感じがたまらない。単純に見せかけて、深い解釈をしようと思えばいくらでもできそうな、でもそんな深読みなんかするなよと単純に楽しませてくれるような、そんなアレンの余裕が好きだ。
一年に一度、街に訪れる風変わりな紙芝居屋の小咄を聞きに行くような気持で、来年も私は映画館に足を運ぶだろうと思う。
音楽の雰囲気がいい…ただ邦題は最低
音楽の構成が非常によく楽しんで観れた
話全体ではサスペンスっぽいストーリーだけど使われてる音楽の醸す雰囲気でシニカルな日常系のストーリーに仕上げているところが良かった
内容は暗くて危ない感じだけど上手くそこを生かしているストーリーだった
映画における音楽の力が感じられる興味深い作品だった
ただ、邦題は他の人も言っているように最低
訳した人は本当にこの訳がいいと思っていたのか??
実にセンスがない
自分でももう少しいい訳ができるのではないかと思うほどの邦題の悪さは映画がそれなりに面白いだけに際立っている
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