「18世紀ミイラは 汽車の燃料に使われていた。97へぇ。」ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
18世紀ミイラは 汽車の燃料に使われていた。97へぇ。
突如人々がゾンビと化してしまった終末的な世界を舞台に、妹と再会するために突き進む主人公バリーの戦いを描いたホラー・アクション。
原題は『Wyrmwood: Road of the Dead』。直訳すると『ウィムウッド:死への道』とかになるのか?
同じオーストラリア映画だからって、『マッドマックス:怒りのデス・ロード』に全乗っかりな邦題…😅まぁ確かにゾンビはいっぱい出てくるし、主人公はめっちゃ怒ってたけど。
「Wyrmwood」とは新約聖書の最後の一編「ヨハネの黙示録」に登場するお星様のこと。親切にも作中の登場人物が教えてくれる。
〈第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。〉(第8章第10節)。
〈この星の名は「Wormwood」と言い、水の三分の一が「Wormwood」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。〉(第8章第11節)
※「Wormwood」は日本語訳すると「ニガヨモギ」になるという。名前だけでも苦いっー!🤢
原題の表記は「Wyrmwood」になっているんだけど、これは造語なのかな?それとも、オーストラリアではこうやって書くのかな?そこはちょっと謎なところデス。
「ヨハネの黙示録」では世界の終末の後、千年王国だの、サタンとの戦いだの、最後の審判だの、新天地の創造だの、キリストの再臨だのがあって、最終的に人々の罪は許され神と共に永遠の命を得る、とかそんな感じになるらしい。うーん壮大。
文明が滅びた後の世界を舞台にしたフィクションを「ポストアポカリプス」というが、本作は正に文字通り、アポカリプス(=「ヨハネの黙示録」)後の世界を舞台にしている。
死のない世界=ゾンビ化という皮肉が面白いし、救世主の再臨の代わりにゾンビィ・クイーンが誕生しちゃうというのもツイストが効いていて面白いっすね!
こう書くと聖書を下敷きにしている、至って真面目なゾンビ映画かと思われるかも知れないが、内容はまさにB 級!
大真面目に大バカやってる、最高にファンキーな作品でした!!!🤣
誰が観ても低予算ムービーだとわかる、手作り感の溢れるちゃちな内容ではあるんだけど、ゾンビの造形はかなり本格的。
アクションも気合が入っており、みんな楽しみながらこの映画を制作したんだな〜、というのが画面のこちら側にも伝わってくる。
かなり多幸感に溢れるキュートな映画❤️
主人公の武器がソードオフ・ショットガンなのは『マッドマックス』を思い起こさせるし、夜に活発化するゾンビというのは『ダイイングライト』というゾンビゲームを連想させる。
敵の兵隊が唐突に取り出した日本刀は『ウォーキング・デッド』のキャラクター、ミショーンをオマージュしたものだろう。
このように、元ネタっぽいあれやこれやを考えながら観賞するのも楽しい。
メインキャラクターっぽい人物がほとんどギャグな死に様を披露してくれたり、凄く間抜けな展開から大ピンチに陥ったりと、倫理観だったりシリアスさだったりがバグっている作品だが、やはり飛び抜けてトンデモないのはゾンビィを燃料にしちゃうというバカすぎる展開!🚛💨💨🔥🔥🔥🧟♀️🧟♂️🔥🔥🔥✨
ゾンビの口から漫画みたいな臭そうなエフェクトが漂っていたのだが、まさかこれが後の展開の伏線だったとは!素晴らしい頭脳プレイ👏
最高の絵面を堪能させて頂きました!🤣🤣🤣
途中まではかなり楽しいのだが、予算が尽きたのか明らかにクライマックスのバトルがショボい。
これなら妹を救出したところで終わってくれたらよかったのだが…😅
ニコラス・ケイジみたいな主人公💥
やたらとエロいヒロイン💕
何がしたいのかさっぱりわからないマッド・サイエンティスト👨🔬
陽気なアボリジニ🧑🏾🦱
迫り来るゾンビ軍団🧟♀️🧟♂️
映画としては40点!ジャンル映画としては満点!
コーラ片手に、ポップコーンやポテチを齧りながら観賞するのに最適な一本です!