スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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実話だし。
日本の檀家さんみたいなもんとは全然違うカトリック協会と信者たちの関係の違いに国民性の違いを感じた。
スクープを調べていくうちに状況が二転三転。すごくサスペンスフルに描かれていて娯楽性タップリに楽しめた。
ジャーナリスト対教会
変態神父をすっぱ抜く!
だけではなく、その先のカトリック教会内部までも暴く。
綿密な取材をたった5人のジャーナリストがコツコツと長期的に取り組み、すべてうまいタイミングで出稿。
途中テロの事件で自分達の取材が飛びそうになったのがハラハラしたけれど、徹底的な取材力と裏取り、デスクのコントロールのうまさやチームワークに感服。
自分無宗教なので、信仰心はあまりないので、ただただこういう事件についてはけしからんと、思う。
驚愕の事実以上のハラハラドキドキ感
いやぁ面白かった。
面白かったというと語弊があるかもしれないけれど、観ている最中、ハラハラドキドキの連続でした。
内容は「ボストンの新聞社のチームが、カトリック教会内部で起こっている小児に対する性的虐待を暴く」というもの。
この手のサスペンスものだと・・・
(1)何が起こっているのか、わからない
(2)よって、起こっている内容を調べ
(3)とんでもない事実が明らかになる、
といった文脈になることが多く、(2)の過程でハラハラドキドキさせるのが、常套手段。
けれども、この映画では、
(a)事実に基づいており、
(b)その事実は、米国では広く知られている
ということから、そういう常套手段でハラハラドキドキさせるわけではない。
何が起こっているかは、映画が始まってすぐにわかる。
カトリック神父たちが小児に対して性的虐待をしていて、それを隠蔽しているということ、である。
その規模や、隠蔽の仕組みなどははじめあからさまではないけれど、中盤ぐらいで明らかになる。
にもかかわらず、ハラハラドキドキする。
「にもかかわらず」ではなく、「それも、さらにハラハラドキドキする」のである。
このハラハラドキドキの理由は3つあり、それが脚本で巧みに表現されている。
1つ目は、虐待を受けた被害者たちのその後、について。
ひとりの被害者の証言ではなく、複数の被害者たちが登場し、かれらひとりひとりに異なる大きな傷跡を残していることが、過剰にならずに語られていく。
なかでも衝撃的なのは、加害者のひとりであった老神父が登場して告白するシーン。
彼もまた、被害者のひとりであった、というあたりに、連綿と続いてきた根の深さが感じられ、空恐ろしい。
2つ目は、性的虐待と隠蔽を公表するにあたって、公的な物証を得ようとする記者たちが奔走すること。
公的な物証にこだわるところが「ジャーナリズム魂の現われ」といってもいい。
ともすれば、被害者側の証言だけで記事を書いてしまいそうになるが、それではねつ造と謗(そし)られかねない。
被害者側と加害者側で合致する証言や、公的な物証があってこそ、ジャーナリストとしての中立と公正さが示されるというものだ。
そして、ここで用いられる公的な物証は、封印された「過去の裁判資料」で、その開示方法が「合法的」である。
合法的であり、またトリッキーというあたりが、脚本の巧みさでもある。
さいごに3つ目は、今回暴かれる事実が既に件の新聞社に送られていた、ということ。
10年以上前に証拠は揃っているにもかかわらず、報道されなかったのはなぜか・・・
そういう興味がさらに湧いてくる。
凡百な脚本だと、内部に教会側の協力者がいて・・・云々ということになるのだろうが、そうならない。
ここでタイトルの「スポットライト」という言葉が活きてくる。
この3つ目の原因が明らかになった際に編集局長がいうセリフが印象的だ。
われわれジャーナリストは暗闇の中を常に歩いている。
まちがった道を歩いていてもわからない。
スポットライトがに照らされたときに、ようやく、まちがった道に気づくのだ。
まちがった道なら、また、正せばいい。
なかなか言えるセリフではない。
映画の中の名台詞のひとつに加えられてもいいだろう。
マイケル・キートンを筆頭にしたジャーナリストチームもいいが、スタンリー・トゥッチ、ビリー・クラダップの弁護士側もいい。
アカデミー賞の演技部門にアンサンブル部門があれば、全員に進呈したいぐらい。
トム・マッカーシー監督の演出は、過剰になりすぎず、かといって淡泊にならずに、とちょうどいい塩梅。
この内容を2時間にまとめるのは、かなりの手練を必要としているはず。
思い入れたっぷりの過剰な演出よりは、ずっと好感が持てるし、今後もさらに期待が出来る。
いや〜面白かった。タブーに切り込む記者の地道な仕事を観た。教会があ...
いや〜面白かった。タブーに切り込む記者の地道な仕事を観た。教会があんなに町に根付いているのは知らなかった!
レイチェル・マクアダムス好きだな〜
もう一度観ます!
静かに怖く、力強い作品
教会権力の闇を暴く、実話に基づいた話。
一時期アメリカにいた時、アメリカ人にとっての教会がとても重要で大切な物なんだと知った。日本人の自分にはちょっと理解できないくらいに。
文化の根底に根ざし、倫理を司る組織による巧妙な隠蔽。
周りに止められながらも、自分を曲げない地元記者たちの正義感。
静かに重く、心に迫る作品。とても良かった。
久し振りに感じた静かな恐怖
淡々と進む中で人物が繋がっていき、
実話であることを拒否したくなるほどの恐怖を感じる。
弱さ、強さ、苦痛、愛。
信仰とは何のためにあるのか、どうして生まれたのか深く知りたくなった。
エンドロールでこの記事をきっかけに主要都市で暴かれた虐待の数に、何も言葉にすることができなかった。
凄い映画。
納得のアカデミー作品賞!
社会的に絶大な権力を持つ神父・教会に果敢に立ち向かっていった「ボストン・グローヴ」紙・"Spotlight"チームの戦いの記録。
実話が基になっているため、劇的な展開などはありませんが、様々な妨害や困難に取材に次ぐ取材や調査で少しずつながら打ち勝っていくさまがとても丁寧に映し出されています。
特に、アポイント・取材風景・被害者の心情など
自分がまさに体験しているかのような錯覚に陥ります。
(昔、新聞記者のはしくれのようなことをしていた身からしても、本当にわかりやすくかつ克明に取材に関する風景が描かれていると思います。)
また、目先のこと(一神父の不祥事)に留まらずに諸悪の根源(教会全体のシステム)を暴くまで取材を続け切った執念には思わず手に汗握って見入ってしまいました。
実話ベースでここまでの魅せる展開、これは納得のアカデミー作品賞だと思います。
この作品のように繰り返し足を運び、取材・調査を繰り返す。
これがマスメディアのあるべき姿なのではないかなー、と考えさせられました。
映画は面白い
なんというか、なんと言ってよいか分からないような…後味がよくないという感じでした。
不可侵のものを暴くことって精神的に大変ですよね。
物事の大きさに対して、映画は敢えてすごく控えめに、淡々と描いているようで、誇張していない感じです。だから説得力もあるし、モヤモヤします。
描ききれていないところを想像してモヤモヤします。
ラスト、おばあちゃんが「お水を一杯ちょうだい」っていうシーン。あれが個人的に意義のあるショットだと思います。
責任の行方
「ダウト」で、やんわり、同じ題材やりましたね。なぜ、やんわり描かれていたか、本作で分かったような気がします。限られた空間と情報が、人を誤らせることは、有名ですが、身内の恥を隠ぺいしたいのも、人の性と云うか、業と云うべきでしょうか。しかも、隠ぺいするだけの組織力があれば、尚のこと。で、本作のセリフ登場です。『記事の責任は、誰が?』『…記事にしない責任は、誰が?』人は多かれ少なかれ、責任を担いで生活するもの。大きな組織にいる時でも、自覚したいものです。スポットライトを当てる側になるか、当てられる側になるかの、分岐点がそこに、潜んでいるようです。
「プレイではなくプレイ」はパンチライン
記者たちの熱意が驚くべき事実を暴く。
事実に基づいたドキュメンタリーにも似た面白さと、一度の失敗の後悔から再び立ち上がる映画的な面白さが共存してて、アカデミー作品賞全く疑いの余地なしの傑作。
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