劇場公開日 2016年4月15日

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「決して愉快な映画ではないから重いがこれぞ映画だね!!」スポットライト 世紀のスクープ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5決して愉快な映画ではないから重いがこれぞ映画だね!!

2016年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

本作がオスカーを受賞しても、映画の内容、ストーリーラインは絶対見ないで、まっさらな状態で観たいと考えていた作品だったので、本当に映画が描き出す特ダネは、正に私に取っても特ダネだった。映画を観終わっても、しばし呆然と固まってしまった。
「スポットライト」の内容を全く知らなかった事で、記事を入念に調査し、取材して歩く記者達とある意味で、同時進行しながら映画の世界を追っていく事が出来非常に幸運だった。

誰からか、映画の内容を漏らされて事前に情報を得ていたら、もうそれは「スポットライト」の価値を失う。特ダネじゃない。
「連載特ダネリポート」と言うのは、正に時間との闘い、新聞のヘッドラインにデッカク特集される記事ともなれば、本当に新聞社の売り上げに関わる一大事。
この辺の緊迫感を非常に巧く描き出していたと思う。

米国は日本に比べると歴史が浅いとは言え、アメリカ合衆国はヨーロッパからの移民が最初に住み着いたのがボストンを中心とするエリアだから、保守陣営の伝統と誇りを最も大切に守っている人達が暮らすエリアだから、こんなスキャンダルはあってはならない。そしてそのスキャンダルを隠蔽する為なら何でもするかも知れないと言う事も納得出来る気がした。

この手のスキャンダルを描いた作品では「真実の行方」があった。

そしてまた、新聞記者が真実を突き止める過程を描いた作品では「大統領の陰謀」が代表作と言える。
新聞社を描いた作品もこれまでには、「ニュースペーパー」「消されたヘッドライン」
マスコミに不正を描いた作品では「ブロードキャストニュース」等があるが、本作はこれらの今迄の作品の中でも、緊迫感、サスペンス性、登場人物の人間性の描き方といい、抜群の出来だと思う。
重い内容の題材ではあるけれども、オスカーの作品・監督賞受賞も頷ける堂々とした作品だったと思います!
これは映画史に残るヒューマンドラマですね!!

ryuu topiann