リップヴァンウィンクルの花嫁のレビュー・感想・評価
全133件中、41~60件目を表示
派手な演出はないが…。
前半から中盤にかけてはとても単調なストーリーで、後半から本編、本題に入って来る感じ…。
最後まで観ないと分からない内容。
印象に残ったのは、「みんなはこんな私に優しい。有り難すぎて申し訳ない」と嘆く台詞。
ネット社会の本質
麻薬等に依存する者や、仕事中毒の典型的な末路は、すぐに想像できる為、多くの人は危険を避けられる。世界を覆い尽くすお金にも同じ事が言えるが、次に世界を覆おうとしているネットについては、典型的な末路を私達は知らない。お金がなければ誰も、生きていけない様に、現在、既に、ネットにアクセスできなければ生きられない時代になりつつあるのに。
うーん
すっきりしない。
結局最後まで綾野剛が一枚上手なままですよね。
あのキャラにどこかに欠点が欲しかったです。人前で脱げるのは欠点ではない。
Coccoが居なかったら観るとこなしでしたね。辛口ごめんなさい。
良くも悪くも稀有な存在 岩井俊二
黒木華は好きな女優さんだったけれど、あまりに同じような演技が続いたせいか飽きた。おそらくアドリブで動いてるCoccoに対するリアクションも恐ろしくつまらない。
何か惹きつける力が足りてない。
がっ、
映画としては面白かった。
乙女なんだね岩井俊二。
諦観と崩壊と再生と
遂に観た。岩井俊二好きやし、ずっと観たかったけど、現実がこんな現実なもんだから、こういう、感情に語りかけてくる系の、日常の辛いやつどーんって感じで迫りこられてくる系浴びたら、もう死ぬなって思って避けてたんだけど、遂に見てしまった。
諦観と崩壊と再生の物語だった。だから、最後、再生した(新たな0に戻った)から、なんとか救われたんだけど、最初の方の諦観と崩壊の部分で心が抉られ過ぎて、昨日と今日、かなり鬱キメてた。
ネットで買い物するみたいに、あっさりと彼氏ができる感覚。現代人ならわからなくないはず。特に、私みたいにマイノリティーで、出会いはほぼネットの人間には、グサリと刺さりました。
真白(Cocco)のことは、書かないでおきます。観てください。
ずっとこの中にいたい
■好きなところ
二人の心の通わせ方、やりとり、話し方。仲がいいって、こういうことなんだ。
■嫌いなところ
簡単に殺さないで。でもまあ、理由は自然だけれども。
病んでる人がAV女優ってありきたり。でもまあ、わかりやすいかー。
綾野剛
リップヴァンウィンクルの花嫁観ました。この岩井俊二な空気ひさしぶりに摂取した…岩井俊二のね、映画の最後の余剰の空気めちゃくちゃ好きですよ。とてつもなく雰囲気映画で、ただのサブカル野郎の脳内スケッチで、岩井俊二映画の感想で「考えさせられる…」とか言ってるのは高校生か最悪無知な大学生だけなのですぐ分かるという豆知識もあるんですけど、何を差し置いてもこの映画でとにかく際立った特異は綾野剛のキャラですよね めちゃくちゃ面白いキャラですよね めちゃくちゃ悪役なのに唯一の味方 ふしぎで面白くてとにかくそこが面白い 内容の割に尺が長いんで2、3分割して観ると良い
黒木華ちゃんがイノセントでうつしくて可愛くて愛らしくて演技うまくて最高なのはいわずもがなです
現代のラブストーリー
視聴率がどこか頭から離れない制作態度が多い民放ドラマに辟易している時に、文句なく面白い映画に出会えました。黒木さんも綾野さんの演技も素晴らしい。若者中心にスマホがコミュニケーションとなっているのは仕方ないかもしれないが、人生の幸せはそんなところでは決まらないということを、映画が描いてくれました。
代行の魔の手
長い長い約3時間。前半と後半とでまるで別の映画を観ているよう。どうしてもこの監督の世界観に浸れないのはなんでだろう。この主人公のように社会性欠如の人たちには胸に痛く刺さるエピソード満載。何でも代行すると現実は辛いものになる。
もう一度観たくなる!まとまりある美しい世界観。
序盤に起こる様々な出来事に、誰が騙してるの???なんでネットの繋がりに頼る???と疑心暗鬼や大丈夫かな?って思うけど、
途中から七海のココロが働き始めてくる感じがなんか良い。
序盤の人間関係が想像してなかったくらいとても怖いが、女の子の美しさ、綺麗さ、儚さを、キレイに映す岩井俊二の世界観がとても良かった!
不器用に現代を生きる女の子のおとぎ話
この物語は、現在の日本社会を生きる、とある不器用な女の子のおとぎ話だった。
前半は、主人公の結婚とその失敗、転落を描く。
皆川七海(黒木華)は派遣教員をやっているが、仕事は安定せず、友達も少なく、人生停滞気味。そんな時、SNSで知り合った鉄也との結婚話が持ち上がり、上手くいかない仕事から逃れるかのように彼と結婚する。主人公の結婚式に出席できる親族が少ないことを鉄也から咎められ、七海は「なんでも屋」の安室(綾野剛)に結婚式の代理出席を依頼して式を挙げる。しかし、新婚早々に鉄也が浮気し、義母から逆に浮気の罪をかぶせられた七海は家を追い出されてしまう…。
七海にとっての現実世界は過酷で、幸せを求めて進んだはずが、彼女はどんどん不幸の沼へと沈んでしまう……。
手持ちカメラを使用した撮影は、常に不安定な彼女の立場を表すかのように、淡々と進んでいく日々を映しとる。特に結婚式のシーンは印象的。新婦というその場の主役であるはずの七海を映すカメラの位置は遠く、あくまでも彼女が主体性を持って式に出ているのではないことを示す。感動的な親への手紙のシーンですら、寧ろ他人事のような空虚さがつきまとう。
そして、このように流されるままに結婚した彼女は、浮気の濡れ衣を被され、家を放り出されて、迷子になるのだ……。
だが、そんな前半の現実世界とは一変し、後半はおとぎ話のように、きらきらと繊細で鮮やかな日々が描かれる。
東京という大都会の森を彷徨っていた七海は、まるで魔法使いに別世界へ誘われるかのごとく、安室によって、月給100万円という好条件の住み込みのメイドの仕事を紹介される。夢のような大豪邸で、七海は変わったメイド仲間の真白(Cocco)と共に暮らすことになる。
洋館での生活は、現実感が無く、白昼夢を見ているかのよう。大きなリビングに、緑の濃い庭、クラゲや蛸やサソリが飼われているペット部屋。
二人は橙色の夕陽を背景に一緒に自転車で出かけたり、瑞々しい朝の空気の中で庭で水を撒いたりと、「メイドごっこ」生活を楽しむ。二人を捉えるカメラは、前半とは打って変わって鮮やかで、柔らかい。特にクラゲの水槽ごしに二人の姿をソフトフォーカスで捉えるシーンは、実に幻想的。
そんな洋館での生活を送るうち、七海は真白と友情を深めていくが、ある事をきっかけに、一見破天荒な彼女が持つ危うさと、彼女の抱えている秘密を知ることになる。そして、この夢のような生活の裏に別の真実があったことが発覚する……。
真白が七海にとってかけがえの無い存在となったある日、たまたま通り掛かったウェディングドレスの店で、真白と七海はウェディングドレスを買う。花嫁になった二人の女の子は、まるで本当の結婚式を挙げるかのごとく幸せな一日を過ごす。だが、その時、実はおとぎ話の終わりが近づいてきていた…。
七海の不器用さとピュアさを体現した黒木華、どこまで素か演技か分からない危うさを演じたCoccoの、二人の演技が素晴らしいのは勿論のこと、安室役の綾野剛の得体の知れなさも凄かった。おとぎ話に出てくる魔法使いの如く、物語におけるトリックスターとしての役割をしっかり果たしていた。
タイトルの基となった『リップ・ヴァン・ウィンクル』(Rip van Winkle)とは、1820年に発表されたワシントン・アーヴィングによる、アメリカ版「浦島太郎」的ストーリーの短編小説だという。
その名の通り、この映画は、一人の女の子が竜宮城のごとき豪邸で夢の生活を送り、最後には現実へと戻ってくる話だった。
だが、浦島太郎とは違い、最後に主人公の七海の元には、真白と送った日々の証拠が手元にきちんと残っていた。真白の存在は彼女の中で永遠となって、七海を前へと進ませようとする。映画のクライマックスは、いつもと同じ日常が戻って来たようで、だが七海のなかには確実に変わった何かがあることを示唆する。そんな希望に満ちた終わり方だった。
■余談。生まれついてオタクの私は、実は重度のサブカルオシャクソアレルギーを持っているため、公開時、岩井俊二監督作品というだけでこの作品を避けていた。その為観るまでに一年もかかってしまった。鑑賞中にじんましんが出たらどうしようととか、余計な心配しながら観たのだけど、結果として観れて良かった。鑑賞後、食わず嫌いは良くないなと思い、このレビュを認めたのでした。
全133件中、41~60件目を表示