劇場公開日 2016年10月1日

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「『人気監督』の条件」SCOOP! いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0『人気監督』の条件

2017年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

大根仁監督を初めて知ったのはTBS.ラジオの夜の番組での曜日担当パーソナリティとしてだった。落ち着いた語り口、しかし斜に構えた意見からの子供っぽい笑い声は、現役テレビマンとしての風格と洒脱、軽さを同時に併せ持ったバランス力の卓越した人物であると思ったものだ。その後の、『湯煙スナイパー』の演出などのテレビ番組を観てのその拘りの制作を観るにつけ、この人の才能の凄さに唸らされる。
そして、今作の監督。映画としての完成度は非常にバランスに特化していて、悪いところはみつからない。勿論、重要なストーリーでのキモ等の欠落等、指摘するまでもなく話題には登っているのだが、まぁ、きちんと他媒体でフォローしてるところも、抜け目の無さみたいなものをひしひしと感じ取れる。
配役も違和感が無く、特にリリーフランキーの怪演は、その演出も凄く、彼自身の胡散臭さを十二分に映像に醸し出している。
そう、きちんと及第点を取れることに、大根仁監督という人の人気監督の条件の当てはまりが分かるのだ。さりげなく差し込んでくる拘り、主張をさせないようにしてそれでいて全体として主張させる構造が発見できる。しかし、それ程後に引き摺らせないメッセージ性。正にテレビ番組としての矜持をここでも発揮していると思われる。

いぱねま