「テンポいい風にして細かい所を誤魔化している。」SCOOP! 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポいい風にして細かい所を誤魔化している。
大根仁監督の「SCOOP!」を見てまいりました。面白いけど、全体的に雑です。でも笑える場面は多くて良かったです。福山雅治のラジオは聞いたことがないから分からないけど、福山雅治もあーゆーの出来るんだなと感心。
あとレビューとかで「思わぬラスト!」的なのが、ほぼネタバレにしか思えない。ラリったチャラ源に福山雅治が付きそった瞬間に展開が読めた。あと、福山雅治の言うことを聞かずに追いかけた二階堂ふみはもっと反省してほしい。
基本的に大根仁作品はNGなんです。「バクマン。」の時もそうで、仕事の流れを見せる展開が物凄く雑です。パパラッチの仕事は99.9%が何も起きないハズなのに、簡単にスクープを連発。福山雅治がスクープ連発の凄腕って事を言いたいのかもしれないけど、少しもパパラッチという仕事が見えない。どうして彼が凄腕なのかの理屈をしっかりさせないと。一回くらい長時間の張り込みをさせるとか、殺人鬼の所で徹夜で待ち伏せるとか。あれじゃ金が儲かる楽な仕事にしか見えないし、スクープの凄さが全く伝わらんでしょう。キャラとかエロさとかカッコ良さとかリアリティもいいけど、大事なのは脚本だと思いますけどね。
4人殺した殺人鬼の場面で言うと、二階堂ふみに撮影を託すのもなんかグッと来ない。だって序盤にアイドルの密会を二階堂ふみが撮ってるから。あそこは写真がブレブレだろ〜ってミスった雰囲気だったけど、実際に掲載されてワイドショーで取り上げられたから成功でしょ?ボツって失敗にした方が、後半に任された場面がよりグッと来ると思うんだけどなー。なんか細かい所でうまくないってのが目立つ。
キャッチコピーは素晴ばらしい。見る前、見た後で見え方が違うキャッチコピー。斎藤工の使い方は意味不明。斎藤工どうか分からないレベル。どーゆうことなんだ?
前述した福山雅治射殺のシーンも。二階堂ふみはあからさまでもいいから反省するべきだよ。福山雅治死後の主役は完全に滝藤賢一。あそこの滝藤賢一は本当に素晴らしかった。
総じて、楽しい感じ。”感じ”です。けど上手くはない。テンポいい風にして細かいところを誤魔化してるように見えます。福山雅治のキャラ、大根仁のバクマン。からの勢い、滝藤賢一と吉田羊の素晴らしさ、衝撃の展開。これが先行してる印象。