「めくるめく万華鏡世界」ドクター・ストレンジ フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
めくるめく万華鏡世界
傲慢な医者がリハビリがてら魔法修行して地球を救う話
流石マーベル、演技も映像も超一流を揃えております。
カンバーバッチの高慢な態度からのリハビリ姿はいい落差があり、大体のヒーローが通るどん底から這い上がる展開は見ていて爽快。
若干、主人公の苦労が足りない気もするがテンポのいい流れで見ていて飽きる前に進んでくれてありがたかった。
この作品の一番の押しはなんと言っても異次元での戦闘場面だろう。
「インセプション」で見た夢世界をさらに高度にしたような感じ。
正に万華鏡の世界のようだ。左右対称、幾何学模様、騙し絵、錯覚、見ていて脳内が追い付かない。
背景の情報量が物凄い分、戦闘は意外と地味な気がする。
体術とエネルギー武器を駆使して戦うがカンフー映画で見るような戦いなので新鮮さはあまり感じなかった。
背景の凄まじさが圧倒的なので仕方ないと思う、正直この異次元空間を見るだけで大満足でした。
敵の親玉との闘いはマーベルでは珍しい攻防なのだが、個人的には納得のいく決着だった。
見る人によっては今までのマーベルシリーズのような殴り合いの物理的勝利よりもまどろっこしいと感じてしまうかもしれない。
映像表現の最先端を感じれる作品です。
劇中セリフより
「それでも、負けることはできる」
勝てない相手に挑み続ける、それが小さな勝利に繋がる。
圧倒的な力量差を跳ね返すには、自分の能力を理解し生かすための機会を逃さないこと。
辛抱強さ、機転の速さ、是非身に着けたいものです。