「家族サービスにはやや不向き?〝人間”というアイデンティティを探す冒険物語。」ジャングル・ブック 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
家族サービスにはやや不向き?〝人間”というアイデンティティを探す冒険物語。
【賛否両論チェック】
賛:動物達の中で生きてきた少年が、「人間である」という現実に葛藤しながらも、大自然での旅の中で成長を遂げていく姿に、人間と動物との関係性を改めて考えさせられる。彼と仲間達との揺るぎない絆も感動的。
否:小さい子が怖がってしまいそうなシーンが結構あるので、家族サービスには向かないかも。
ジャングルでオオカミ達と共に暮らし、自分も動物の仲間だと信じて疑わなかった少年・モーグリが、自分が人間であるという現実を突きつけられて葛藤していく姿が、胸を打ちます。そしてやがて、人間でありながらも、自然の掟を胸に動物達と共存していく道を模索し始める彼の姿も、また印象に残ります。ずっとモーグリの人間性を否定し続けてきた黒豹・バギーラが、カーンとの最後の戦いを前に放つ、
「人間らしく戦え!!」
という言葉が、なんだかとってもカッコイイです。
ただ難点としては、トラのシア・カーンのシーンを始め、大蛇や巨大オランウータンのシーン等、小さい子が思わず怖がってしまいそうなシーンが非常に多いこと。ディズニー映画ではありますが、どうしても家族サービスには向かない感がしてしまいます(笑)。
とはいえ、1人の少年と動物達の固い友情を描いた感動の物語であることは確かです。是非劇場でご覧下さい。
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