「クリストファー・ウォーケン」ジャングル・ブック 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
クリストファー・ウォーケン
モフモフの動物かわいい。モーグリの弟オオカミ、たまらん。
果物盗むキツネ、カエルやネズミのちいさい脇役たちに悶える。
夏休み、子どもと楽しむには良い映画だと思うなあ。
お話も、
「ルールを守る」派のオオカミ。
「もっと自由に多様性を活かしていこうよ」派のクマ。
どっちが正しいのか?ではなく、その調和を描いていて、お子さん向けにも良い訓話。
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絶大な力をもつ火。それを操る人間…ジャングルのパワーバランスを壊しかねないもの。
火を恐れ憎むトラと、火を利用しようとするオランウータン。
対照的だけど、二匹はすごく似てるなあと思った。
火さえ排除すれば、火さえ手に入れば、ジャングルを治められると思っている。火に対する妄執で、ファナティックになっちゃってる。
絶大な力を、無闇に畏れたり崇めたりしてはダメだ。
燃えちゃってるんだから消すしかねえべなあと、粛々と対処するゾウさんが一番大人だと思った。
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そういったお話どうのこうのよりも。
見に行ったのは、大好きなクリストファー・ウォーケンがキャストに入っていたから(オランウータンの声)。
「おれは人間になりたいんだー。火が欲しいんだよー」と歌うウォーケン。
妄執まみれの歌詞が、こんなにも楽しくピッタリとくる俳優が他にいるだろうか。
絶対に手に入らないものを欲しがるサル。ウォーケンのためにあるような役だなあと。あたしゃ『キングオブニューヨーク』をちょぴっとだけ思い出してしまいましたよ。
どういうふうに撮ってるのか判らないけれど、オランウータンの表情もウォーケンに寄せており、ファンとしては本当にたまらない。
ウォーケンの他、スカーレット・ヨハンソン(ヘビ役)など配役の妙が光るボイスキャストだったなあと思う。
追:『コングレス未来学会議』(フルCGで映画を作る近未来のお話)が可能な時代なんだなあと思うほど、CG映像が優れていたけれども。案外、心に残るのは、ウォーケン、ヨハンソン、ビルマーレイの人間臭さだったなあ。