劇場公開日 2016年4月29日

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「ごったごた」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ごったごた

2016年9月19日
iPhoneアプリから投稿

政府の選択肢すら自由が与えられるというのはアメリカらしいの自由の価値観で、キャプテンアメリカはそれを体現し、それに対して意思決定システムが明確でないからガバナンスが確立せず危ういというアイアンマン。ヒーローというのは、社会システムを超越した存在だからヒーロー足り得るので、一般人が苦悩すべき上の対立構図をヒーローに持ち込むのは多少無理があるんだが、復讐の応酬という現在のアメリカの苦悩を組み込むことで、テーマに説得力を与えている。
終盤でヒーローでも極悪人でもないダニエルブリュール演じる一般人の復讐劇というのも秀逸で、これも復讐の応酬という現在的なテーマと重なってくる。一方で、終盤の落ちのアイデアで面白いが、肉親愛と友情という極めて個人的な感情論が幅を利かせ、上のようなテーマ性は少し置いてきぼりにした気がする。
ヒーロー大集結の闘いは娯楽性が高く、よく喋るスパイダーマンと喜劇的なアントマンが賑やかにしてくれて素直に楽しい。しかし、どーも真剣勝負という感じが欠けてしまって、ここはエンターテイメントと割り切った見方を押し付けてきて、先のような重い問題意識やテーマ性とは相性は良くなかったかもしれない。

Kj