「【難病の娘を助けるために凄腕ディーラーの男が起こした事。そして男のジャックしたバス内での行動が惹き起こしたストックホルム症候群と悪徳ボス”教皇”の情けと改心を描いた作品。ラストは爽やかな作品。】」タイム・トゥ・ラン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【難病の娘を助けるために凄腕ディーラーの男が起こした事。そして男のジャックしたバス内での行動が惹き起こしたストックホルム症候群と悪徳ボス”教皇”の情けと改心を描いた作品。ラストは爽やかな作品。】
■凄腕カジノディーラーのヴォーン(ジェフリー・ディーン・モーガン)は重病の娘を救うため、裏社会を牛耳るボスのポープ“教皇”(ロバート・デ・ニーロ)に借金を申し出るが、断られた挙句クビになってしまう。
追い詰められたヴォーンは、新入りで気が荒い同僚コックス(デイヴ・バウティスタ)の誘いに乗って仕組みを良く知っている勤務先であったカジノ”スワン”からの現金強奪を決行するが、逃走経路を失い、路線バスをジャックする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・この作品の胆は、冷酷無比なカジノを営む裏社会を牛耳るボスのポープ“教皇”が、自らの行いにより家族が崩壊した事を娘シドニー(ケイト・ボスワース)に責められた時に、初めて口にする自らの全身に転移した癌の事を口にするシーンである。
・又、ヴォーンたちがバスジャックした際に、バスの乗客達が、コックスが運転手を撃ち殺そうとした時に、ヴォーンが彼を撃ち殺した姿を見ていた事と、彼のみが常に冷静で殺傷を避けようとしていた姿を見ていた事から起きたストックホルム症候群の描き方が、ナカナカであった事である。
・女性警官のクリス(ジーナ・カラーノ)の粋な計らいも、ポープ“教皇”の息のかかった愚かしき警部との対比もナカナカなのである。
<今作は、極悪な裏社会を牛耳るボスのポープ“教皇”を演じたロバート・デ・ニーロが、最後の最後で改心する姿や、それを匂わせるそれまでの娘との会話などがナカナカな作品である。
決して大作ではないし、非道なシーンも多いのだが何故か、ラストは爽やかな気持ちになるスリリングな作品なのである。>
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