ロブスターのレビュー・感想・評価
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ブラックコメディ
モテない人間は、根が消極的で、何より自分を見捨てた感じがする。
なりたい動物が「ロブスター」って時点で、なんだかモテなそう。
好きでもない相手に必死に合わせて、やっとの思いでパートナーをゲットする。だけど、充実した関係が築けるはずもなく、ついに耐えられず逃走。
逃走した先は「リア充禁止」のカルト集団。
今度の相手とは充実した関係を築けそうなのに、「オマエら、イチャイチャしてんじゃねー!」と、リーダーから残酷な制裁が加えられる。
主人公は、春琴抄のサスケ的行動を迫られる。「似た者同士しか共存できない」という不文律があるこの世界で、他に選択肢はなさそうだ。
それとも、もしかして土壇場で逃げ出した?
やっぱ、サスケになるのは怖いよね。
自分ならどうするかな、と両方を想像した。
豪華なキャストによる、シニカルなブラックコメディ。この監督の独自性、好きでした。
奇妙に面白い
「007」絡みのキャスト!
ボンドガールのLéa Seydoux、Q役のBen Whishaw、そしてボンドの実の妻Rachel Weisz(やっぱり美人。。。)。007関連のキャストが揃っています。
ストーリーとしてはかなりシュールで。「え、ここで笑っていいのかしら?」みたいな感じ(笑)。あまり何も考えずに観るのがいいのかもしれません。
バカリズムさん、このシチュエーションでコントやってください。
シュールだなあ。あらすじはほかで散々書いてあるので触れないけど、とにかく僕は笑った。
僕の隣のおじさんも笑ってた。
でも、その周りの人は、そうでもなかった。
日本というよりも、アメリカというよりも、ヨーロッパの笑いかな。たぶん、「フレンチアルプスで起きたこと」が面白かった人にはツボでしょう。
コリン・ファレルのメタボ腹にはびっくりするし、レア・セドゥは不可解だし、ベン・ウィショーはブサイクだけど、全員はまり役。そのだれも全然笑わないからこそ、やってること言ってることが可笑しくなってくる。いや、爆笑ってことじゃなく、失笑の連続がたまにボコッとドツボにはまる感じ。「バイは駄目です、運営に支障がきたしましたので」とか、吹いたもの。「ギターを弾いている前で愛し合う二人が濃厚なキスをする」というシーンが、笑える映画ってあまりない。もしもバカリズムが、この設定でシチュエーションコントをやったら面白いだろうに。
恋愛をするための施設で恋ができず、恋愛が禁止の世界で恋をするジレンマ。自由を求めて外に出て行った奴たちのルールこそ、じつは不自由という矛盾。これ見よがしのサインと奇妙なダンス。そこがまたシュール。だんだん、クジャクやラクダが目の前をごく普通に歩いている世界が、いつのまにかなんとも感じなくなる。
※この下、ラストシーンのネタバレですので。
で。解釈が分かれるだろうと思うのはラスト。
待ちぼうけを食わされてるレイチェル・ワイズで終わり、エンドロール、画面を真っ黒にして音楽もなしに波の音を流す。
これをどうみるか。
おそらく、コリン・ファレルは目を潰すことができなかったんだろう。で、彼女を置いて逃げたのか?もしくは、彼女の目となって生きていくのか?
彼女と一緒にいても、「同じ目」ではないから彼女の愛は消えてしまうだろうな。黙っていたとしても、目が見えなくてもバレる。どのみち、またあの施設にもどるのだよ、コリンは。で、結局伴侶を見つけることができずに、今度は逃げる気も失せていてロブスターになる。だから、波打ち際の音がエンドロールで流れてるんじゃないかな。で、そのロブスターをレイチェルが回顧してる、ナレーション。もちろん、レイチェルは、同じ失明した男と恋に落ちているのだろうけど。
この世界、ずっと見ていたい。
シュールすぎるが故のR15
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