ロブスターのレビュー・感想・評価
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難癖を付けて戦争をして殺し合う世界と似ている
設定から、ヘンテコなルールがてんこ盛り。
子孫を絶やさないために独身者をカップルにする目的で
ホテルに集められる。
ルールその①
45日以内に相手を見つけられないときは、動物に代えられる。
デヴィッド(コリン・ファレル)が、望んだのが題名の
「ロブスター」
なんやら百年生きられて最後まで生殖能力を持っているから・・・
なんだとか?
デヴィッドは中々気に入った相手がみつからない。
期限の日も近づく中、森に集まっている集団
「独身者たち」がいて仲間に入れてもらう。
「独身者たち」のリーダーはレア・セドゥだった。
6年前に観た時レア・セドゥに全く気づかなかった。
オリヴィア・コールマンも出ている。
彼女のことは「女王陛下のお気に入り」ではじめて認知したから
知らなくて当然。
ベン・ウィショーやジョン・C・ライリーも出ている。
何気に出演者は豪華で実力者揃いです。
「独身者たちのグループ」にもルールがある。
ルールその②
恋愛御法度・・・だってカップルになりたくないから、、
逃げてきた訳なので、
だからレア・セドゥは愛し合うようになったコリン・ファレルと
レイチェル・ワイズを嫌う。
レイチェルに目が良くなる(彼女は近視)と偽り手術を受けさせて
視力を奪う。
種を絶やさぬための集団も、
独身を貫く集団も、
どちらも結局は殺し合う。
そしてラスト。
永遠の愛を誓いレイチェルと同じに視力を失おうとフォークを
自分の目に突き刺そうとして、多分やめる、コリン。
同情の不確かさは、ウクライナへの支援が途絶えそうな西側世界。
世界情勢なんかも考えてしまった。
迫り来る眠気に耐えられず…
「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督作品ということで鑑賞したが、見事に撃沈。
まず、設定の突拍子なさをなんとかしたいと思って、「どういうこと???」と一生懸命考えているうちに、画面の地味さと、抑揚のない不穏な音楽が魔法をかけてきて、気がつけば夢の世界。
サブスクでの視聴なので、その度に慌てて30秒程戻すのだが、びっくりすることに、同じ所でまたウトウト…。そんなことを4〜5回繰り返してやっと先に進むが、またしばらく進んだところで、ウトウト…。
私には、よっぽど催眠効果がある映画だったらしい。トホホ。
「独り身」が許されない世界で、性的指向も曖昧さが認められず、嘘は罪だが、ペアになるためにうまく立ち回る者もいる。仲間のように振る舞いながら、いざとなるとその相手を狩って、自分が生き延びる日数ポイントと交換。
そんなデストピアな世界が展開している森のホテルに対して、何の変哲もない「街」が、当たり前の顔をして日常を繰り広げているという居心地悪さが不気味だった。
奇妙な味わいは惹かれるところもあるが、何せ強力な催眠魔法をかけてくるので、申し訳ないがこの点数。
かけた予算が桁違いというのも大きいのかもしれないが、逆に「女王陛下のお気に入り」や「哀れなるものたち」の凄さと完成度を改めて感じた。
彼はロブスターに
クラシック調の音楽に乗せた寓話的世界が独特の雰囲気を醸している。「哀れなるものたち」のランティモス監督らしい作品である。世界観が完成されており綻びがないので安心して観ていられるのがよい。表層的な短い台詞の積み重ねが滑稽であり、それそのものが痛烈な社会風刺になっているようだ。
エンドロールの波の音から、彼はロブスターになったのだろうと観ているものの想像に任せるのが悪くないが、パートナーとなる彼女がナレーションを務めているのも意味がありそうでいて、でも何故なのかはわからなかった。
ほぼ。解らない世界観
難解な様で誰しもに刺さり得る表現、心をざわつかせる天才
寓話的で抽象的だが、作り手が伝えたいことは伝わりやすいように出来ている
現代社会を皮肉りつつも、ドコをどうやって皮肉っているかを満足いくように汲み取りきれずもどかしくなる。その一方で(良い意味でも悪い意味でも)心揺さぶられ心に残る"なにか"は確かにある
アート的難解SFという印象だけで観ないという選択はもったいないと思う。
眠たくはなるかもしれないが。
そしてなんと言っても撮影が素晴らしい。美しく陰鬱なストーリーを表現しながらバキバキに映し出される情景には展開も相まって息を呑む
動物にされるって死ぬより哀しさがないか?
"共通点"はそんなに大切なものなのか?
普遍的な愛を描きつつ嘘を糾弾するが、現実ってそんな綺麗事ですまないし
やっぱり孤独は辛いが楽。
「価値観が合う人を〜」なんて現代に溢れた言葉だが、そこには希望や慢心、身勝手で自由な幻想しかないんだからどうしようもない
他人事で笑わせてくれる映画だが、心の奥底では笑っていられない。
無慈悲な映画
幾つか色んな意味で痛いシーンもありザワザワさせてくれた
ラスト、他の方のレビューにあった「実は女は見えていたのでは」という視点には少し腑に落ちるものがある
意味はわかるが劇的につまらない
こんな激烈純愛映画、今時ある?
まずね、キャスティングが絶妙!
太ったコリン・ファレルとジョン・C・ライリーとベン・ウィショーの取り合わせ、この3ショットどれだけクセ強?もうこの時点で面白い映画確定です。
そして音楽も絶妙!
緊迫感と迫力のあるBGMはストーリーの展開とズレていたりして、異化効果を狙ってる?それに劇中実際に流れている音楽や効果音は巧みにピントをずらしていてギャグになってるじゃん。
それから、森の中になぜか猫がいたり、孔雀がいたり、ホテルのルール違反のペナルティになぜかトースターを使ったり、細かい所も絶妙にシュールで、そこに意味があるのかないのか…。
私ね、最初のうち監督は完全な独身主義者で、恋愛至上主義者を馬鹿にしているのかと思っていたんです。でも違いました。一目惚れから始まる激烈な純愛の映画でした。
夏目漱石は東京帝大で英文学の講師も務めており、"I love you."を「月が綺麗ですね」と翻訳したそうです。
この映画では、それが
「背中の手の届かない所に薬を塗りましょうか」
となるんです。
この映画を2巡目したとき、私はこのセリフで泣きそうになりましたよ。
この映画の一番美しいシーンじゃん!
調べたところヨルゴス・ランティモス監督は既婚者でしたよ。しかもお相手がこの映画に出ていました。独身者グループに内通する接客係役アリアード・ラベルさんが監督の奥様でした。
この映画、色々はぐらかしてますが、ベットベトの恋愛映画じゃないですか!
義務的な婚姻も独身主義も否定して、人の命よりもずっしり重い運命的な愛を高らかに主張する純粋極まりない愛情至上主義の映画じゃないですか!
ロブスターっていうのは長久の愛の象徴なのだと、私は解釈しましたよ。
「哀れなるものたち」を観てヨルゴス・ランティモスの作品を再鑑賞。 ...
「哀れなるものたち」を観てヨルゴス・ランティモスの作品を再鑑賞。
近未来?の不思議な設定と無機質に淡々と進んでいく脚本に惹き込まれる。
そう言えばどことなく似たようは雰囲気で面白かった「林檎とポラロイド」のクリストス・ニクも同じギリシャ人だった様な・・・と思ったら何とニクはランティモスの助監督だったとのこと。
役にあたり主演のコリン・ファレルが20キロ近く体重を増やしたそうだが、(当時)新進気鋭の映像作家の作品というだけでなく、レイチェル・ワイズ、レア・セドゥ、ジョン・C・ライリー、オリビア・コールマンなど渋めの本格派が脇を固めるとなれば気合も入るだろう。
登場人物も主役以外は名前がなく、「滑舌の悪い男」とか「鼻血を出す女」などその特徴であらわされるのだが、その割には全く個性が感じられず心も通ってない感じがして、社会の仕組みの中で役割を淡々とこなす機械の様。
ラストの目のくだりは解釈が非常に難しいが、きっと最後の最後では捕まってロブスターになっている様な気がする。
『哀れなるものたち』の鑑賞前に《観たい映画リスト》の未鑑賞だった今...
彼じゃなく私を?
タイトルなし
独身は罪
当時、映画館で観ました🎬
とてもユニークな設定で、現実ではありえない事が起こってますね。
独身者のリーダーを演じたレア・セドゥは相変わらずの美しさ。
コリン・ファレル演じる主役のデヴィッドは、レイチェル・ワイズ演じる近視の女性と恋仲になりますが…。
果たして彼は、最後に自らの目をどうしたのでしょうか❓
ファンタジーな世界観ですが、私は面白かったです🙂
感想メモ
カップルになれなかったら動物にさせられるヤバ施設と、逆にイチャついたら罰せられる独身者の森、両極端がいっぺんに楽しめる映画!
動物にさせられた人が森に放たれているのか、クジャクとかフラミンゴがその辺にいて良い
髪の毛が綺麗で自慢の彼女はたてがみを靡かせるウマになっていて素敵だと思った
きっかけとしては2人の共通点って大事だと思うけど、趣味とかではなく身体的特徴?が共通点ってどうなんだろうね…近視トークとかみんなしてるの?あと、嘘はバレる
最後なぁ…、彼も失明したのか、共通点をつくれなくて逃げ出したパターンもあるか、間が気になる感じだったよね
個人的には強制カップリングホテルのヤバさがもっと見たかった!自慰行為したらトースターで手焼かれるの良かった
欧米社会への風刺?
愛とは
カフカの『変身』のような話かと思ったら、安部公房の『砂の女』に感覚が近かった。
自由を手にしたはずなのに不条理から抜け出せない。
愛を得るために自身を偽る。自身を守るために愛を捨てる。そんな描写がいくつか見られるこの映画の世界では(あるいは現実でも)愛は美しいものや、かけがえのないものなどではなく、ステータスなのかもしれない。
だからラストシーンで主人公は、相手と「共通の欠点」を得たと偽るのではないかと思えてしまう。
皮肉とユーモアたっぷり
結婚するかしないかでこうも運命が別れる世界辛すぎる😂
極端な設定がシュールすぎて何やってんのって笑っちゃうけどここまで現実離れしながら現実を見せられるのは不思議な体験。色々理不尽だけど独身にも既婚者にも世の中が強要する小さな理不尽は溢れてるよね。
全編通して共通点への執着とコミュニティに馴染まない事への圧力が強すぎ世界で共生はストレスの連続だ〜しかも共生できない動物には変えてくれないなんて!それくらいは許しておくれよ。1人で生きても自己責任でサバイバルだしも〜大変。
どこに行っても必死さが妙にコミカルで笑えてしまうのはコリン・ファレルの眉毛が理不尽を受けとめてるから?
ラストは共通点だけを見て他には目をつぶって暮らすのか相手の分まで見て伝える努力を続けるのか大きな選択を残して終わるけど、レイチェル・ワイズの語りで話の頭から終わりまで続いているからどう言う形であれこの後も関係は続くのだろうと思いたい。
浮き彫りにされたモノとは
監督のヨルゴス・ランティモスは難解な映画を撮る変人という印象があり、観るものを選ぶ傾向ですね。
個人的に『聖なる鹿殺し』で気に入ってしまい、こうして彼の作品をむさぼっている次第です。
難解っていう表現は意味が分からないという事ではなく(もちろん分からない)、観た人によって見解が異なったり、違うテーマを受け取ることになったりするという点で、同じものを観ているのに見えているものが違うという点が難解だと思わせます。
さて、ジャンルはSFですね。
近未来、子孫を残す事が重要視され、国家なのか世界なのか単位は不明ですが、離婚という事になれば、ある種の収容所に送られ、そこでペアリングを強要されます。
なぜ、強要なのかといえば、45日以内に恋人を作らなければ希望する動物に変えられてしまうという決まりになっているからです。
物語はそこに収容された変えられるとしたらロブスターになりたい男性は、収容所を脱走し、脱走した先で愛する者と結ばれるが、しかし…。みたいな流れ。
注目したいのは、結婚相談所みたいな主体性がないという点です。
社会が許さないから、結婚相手を見つけよう。動物になりたくないから結婚相手を見つけよう。結婚相手がいない人間は動物と同じだ。みたいな暴論(少なからず社会にはある論)がまず提示されているように思えます。
先進国は軒並み少子化への道をたどり、その先にはもしかしたらこんな未来があるのかもという暗示はまさにSFだろうと思います。
非常に突飛な設定ではあるもののポリティカルフィクションとして面白いですね。
注目するポイントとして、”共通項” 設定ではなく、こういった局地的に捻じ曲げた際に生じる波の中で浮いて出てきたものがとても分かりやすく示されます。
同じものを嗜好し、同じ事へ志向する、SNSやマッチングアプリなどで繋がるとそういった傾向が少なからずあるだろうと、それに対するアンチのようにも見えてきます。
また、登場人物たちのその後というかオチが全く描かれない点について、これら提示されたテーマに対してどうなったのかを想像させる事が表現する手段として使われています。
最後のシーンで、主人公はどう行動したのか。
そして、いくつものレビューで散見されるように、エンドクレジットでの波の音についてはどうなのか、それぞれ観た人に対して結果を想起させてきます。
ネタバレというか、個人的な解釈としては…
最後のカットの長回しで、彼女の目が見えているような演出になっていたのは気がかりでして、本当に見えなくなっていたのか? と考えてみたくもなる。
それも失明した日の帰り道で突然、失明させられたと分かるというのも少々妙だなって思ったのが始まりではあるもののそうなると…。
奇妙な話
とっても変な世界。
それをさも当たり前の様に話が進んで行く。
それぞれ登場人物たちが結果どうなったのかまでは見せない。消化不良を感じる人もいるかもしれないけれど、自分的には好きなタイプ。
女優さんたちがノーメイクっぽくて俳優さんにしても普通の人々の普通の姿を格好つけずに晒しているのも面白かった。元人間だった動物が背後を横切るシュールさも奇妙。現実にはありえないプロットを現実感丸出しで演出する奇妙さに、面白いこと考えたものだと感心する。
一人でいたくないために無理にパートナーを見つけようとする人達。反対に一人で結構と強がりなのか本気なのか独り身を貫こうとする人達。そう言った現実の恋愛の滑稽な面を見せつけられたように感じた。
0か100か
設定が奇想天外
出ている俳優人は超一流
馬を殺す女
ごめんなさいと謝る女
独り身となり、ホテルに連れて行かれる男
カップルになりうるのは似たもの同士
カップルになれないものは動物になる
ホテルから逃走する
チェックアウトはいつでもできるけど立ち去ることはできないというホテルカリフォルニアのようだ。
森の中の、独り身をつらぬきカップルになってはいけない掟の生活。ホテルが体制たら森の生活は反体制。なんの映画か忘れたがゴダールの森の中のレジスタンス共同体のようだ。
ここでは恋愛が禁止されているが、禁を冒してまで無謀に恋愛するのは近視という似たもの同士と認識したからというアイロニー。
最後はみんなひとりぼっち。みんな自分だけということか。
格調高い音楽が素晴らしく、ロブスターは繁殖能力が高いという意外性、自分が大事なロブスター男は生きていくのだ。
全144件中、21~40件目を表示