「近視の男の禁止の世界」ロブスター どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
近視の男の禁止の世界
ヨルゴス・ランティモス監督作品は出来るだけ大きいサイズの画面で鑑賞したほうが良い。カメラワークも楽しいし望遠撮影のシーンは世界の大きさが感じられて臨場感がある。
今作で飽きるほど多用される奇妙な効果音のようなBGMは、何故か笑いのツボを刺激された。
冒頭、二頭の動物の一頭だけを殺す謎のシチュエーションから始まり、画面いっぱいに原題の THE LOBSTER のタイトルが表示される。その後はレイチェル・ワイズのナレーションで、近視の男デヴィッド(コリン・ファレル)が近視の女(レイチェル・ワイズ)と森から脱出計画を立てるまでを描き、今までのナレーションが近視の女の日記(記録かメモか何か)を読んだものであったことがわかる。その後はナレーションが無くなるので現在または未来のことが描かれる。
ラストはデヴィッドの目がどうなったかは描かれず終焉。
エンドロールの最後の方で、拍手のような音の後に海の波の音が聞こえる。
私のように、現実離れした世界観や考察が好きな人にとっては楽しめる作品だと思うが、内容重視でリアルさや教訓を求めている人にとっては向いていない作品かもしれない。
ラストどうなったのかも氣になるが、それ以外にも謎が多くある。
①冒頭の車を運転していた女性は誰か
②メイドが何故デヴィッドに協力したのか
③森の組織(独身者たち)がホテルを襲った目的
④今作の時代はいつか
⑤ホテルで行われていることは極秘プロジェクトなのか
⑥ホテルのトランスフォーメーションルームで人間を動物にする具体的な方法
⑦ショートヘアの冷酷な女性は何の動物になったのか
⑧森の組織のリーダー(レア・セドゥ)は犬に喰われるのか
⑨リーダーをどのようにして決めるのか
⑩ルールはリーダーが決めるのか
⑪鼻血カップルに送り込まれた女の子は何者なのか
⑫もしカールが逃げるとしたら、そこは何処か
いっぱいあって困っちゃう。