「世界を変えられる男とは、創造力がある男」スティーブ・ジョブズ ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
世界を変えられる男とは、創造力がある男
ストーリは、ありません。
スティーブ・ジョブズが言葉で人を動かす様子を描いています。
スティーブ・ジョブズのセリフに注目すると良いです。
創造性に優れた男は、多くの創造性のない人々を見下し、「バカ」と平気で罵倒し、金も時間も分かち合おうとはしません。
スティーブ・ジョブズは、創造性はないが大学時代からの友人でアップルコンピュータの設立従業員のダニエル・コトキにアップルコンピュータの発起人者株を与えず、浪費家のクリス=アン・ブレナンを嫌い、何もできない娘のリサを嫌い、過去のAppleⅡにこだわるスティーブ・ウォズニアックを評価せず、過去のAppleⅡでお金儲けをするジョン・スカリーを憎悪します。
スティーブ・ジョブズは、新しい製品、サービス、何よりも新しいユーザー体験を創造することに集中するために、新しい製品やサービスを創造しようともしない周囲の人々とことごとく対立します。
日本人的な「お花畑的な」発想で、スティーブ・ジョブズが創造力のない人々達に配慮するべきだと考えるのは間違いです。
何かを得るには、何かを捨てなければなりません。
全てを得ることなどできないのです。
スティーブ・ジョブズは、創造力を得るために、創造力をない人を捨てたということです。
創造力のかけらもない日本人には、全く理解することはできないでしょう。
スティーブ・ジョブズの創造力は、「非常用出口のサイン」を消灯させるということでも発揮されます。
リサは、Macintoshで抽象画を描き、エッセイを書くという創造力を発揮することでスティーブ・ジョブズと和解します。
スティーブ・ジョブズは、創造力だけで、AppleⅠ、AppleⅡ、Lisa、Macintosh、NeXTcube、NeXTワークステーション、NEXTSTEP、アニメ、iMac、iTunes、iPod、iPhone、iPadを世に送り出し、新しいユーザー体験を提供してきました。
今、世界を席巻している「GAFA」の一つがアップルコンピュータです。
iPodやiPhoneを利用し、創造力を発揮せず、時間を浪費し、創造力のかけらもない日本人が、この映画を鑑賞し、創造力のあるスティーブ・ジョブズのような人々を理解できずに、置いてきぼりにされることで、現状を再確認するためには良い映画です。
スティーブ・ジョブズがMacintoshを発表する前のシーンから始まります。
その後は、スティーブ・ジョブズがiPodについて創造力を膨らませるところまで描かれます。
Macintoshを発表するまでのこと、NeXTcubeを発表するまでのこと、iMacを発表するまでのことを知っていないと、この映画は理解できません。
若い人、コンピュータに詳しくない人、コンピュータに興味がない人には退屈な映画です。
iPhoneなら興味があっても、iPhoneが登場する前で、この映画は終わってしまうので、iPhoneについて期待すると期待外れになります。
スティーブ・ジョブズについて知っている人、知りたい人、コンピュータに詳しい人、自己啓発を得たい人には楽しい映画です。
スティーブ・ジョブズの言葉には、人を高揚させ、人を動かす何かが確かにあります。
スティーブ・ジョブズについて知らない人は、この映画を観てもわからないです。
この映画を観て、スティーブ・ジョブズについて知りたくなった人には、ウォルター・アイザックソン著/井口耕二訳「スティーブ・ジョブスⅠ」と「スティーブ・ジョブスⅡ」講談社を読むと理解できるようになります。
読んでも理解できない部分は、調べる必要があります。
スティーブ・ジョブズのような日本人はいないので、日本人がスティーブ・ジョブズを理解するのは困難です。
スティーブ・ジョブズは、Macintoshを学生、大学や研究所に割引価格で大量に販売するだけでなく、大量に寄付をしています。
スティーブ・ジョブズは、多くの人がMacintoshを使い、創造力を発揮すれば、社会が変わると信じていたからです。
30年以上経過している日本では、今でも学校に教育用PCが採用されていないのが現状です。
世界を変えられない男とは、周囲に反応し、作業をするだけの男です。