劇場公開日 2016年2月12日

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「全てがハズレ」スティーブ・ジョブズ アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)

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2.0全てがハズレ

2016年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ベストセラーとなった伝記を原作にして,スティーブ・ジョブズの姿を描こうとしたものらしいが,結果的には失敗作だと思った。まず,描かれているのが Macintosh 発表の 1984 年から,Apple を退社に追い込まれ,NeXT 社を設立した後 Apple 社に戻って iMac を発表する 1998 年までの 14 年間に限られており,iPhone や iPad の開発の話は一切出て来ず,Woz と Apple II を開発していた頃の話が時々回想されるだけという構成であったのは,一体何を狙ったのだろう?スタンフォードの名演説も,iPhone の発表時の神懸かったプレゼンも描かれず,最晩年の闘病も一切触れられていないこの映画は,ジョブズの偉大さを何も描いていない。

初代 Mac のお披露目のステージでの苦労話で散々気を揉ませておきながら,肝心な発表シーンを描かないという脚本には,映画の序盤から深い失望を覚えた。何というひねくれた脚本だと思ったら,「ソーシャル・ネットワーク」を手がけた人だった。あの映画もイライラさせられるだけで何も面白い話が拾えなかったので,非常に肩すかしを食らったのを忘れることができないのだが,またしても,という思いをさせられた気がしてならない。同じ奴が作った地雷を2度踏まされたような思いである。

この脚本家は,どうやらコンピュータ技術には一切興味がなく,主人公の人間的な欠陥や,仮定や職場での人間関係やゴシップなどにしか関心がないらしく,全く辟易とさせられる話ばかりが連続した。偉業を成した人物を自分らの水準まで引き摺り下ろし,ほら,こいつも結局どうしようもない人間だったんだと面白おかしく描いて自己満足している多くの駄作に,新作が加わったというだけの話である。この映画を観ても,ジョブズが成し遂げた偉業の凄さは一切伝わらず,私のような古くからの Mac ユーザにとっては,新しいエピソードも一切出て来なかった。

Apple II の電源からメイン基盤,画像回路から HDD 周り,さらには OS までほとんど1人で作り上げ,現代の電子回路技術者のカリスマとして特筆されるべきウォズは,ただの太った電子オタクとしてしか描かれておらず,Apple の最も苦しい時期に会社を支えた Apple II というプロダクトを口汚く罵るだけのジョブズばかりを執拗に描いた理由は何だろうか?この監督はウォズに親でも殺されたのかという不審感を抱くほどであった。ジョブズをクビにしたスカリーの描き方は更に酷かった。

キャスティングも納得できるものではなく,最初のシーンに出て来たのがてっきりスカリーだと思ったらそれがジョブズだというのには最初から違和感全開で,結局最後までその違和感が晴れることはなかった。中くらいのスクリーンの劇場に私1人だけという貸し切り状態で見られてラッキーと,最初は喜んだのだが,こんな面白くもない映画を1人で見たからといっても何の自慢にもならないと思った。
(映像3,脚本1,役者2,音楽2,演出1)×4= 36 点

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アラカン
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