「クソ野郎ゆえに愛おしい」スティーブ・ジョブズ しんさくさんの映画レビュー(感想・評価)
クソ野郎ゆえに愛おしい
傑作。
傲岸不遜のクソ野郎、でも天才、でも繊細で不器用という人柄、そして周りの人間も憎んではいるが、憎みきれないという複雑極まりない関係を、3つの発表会直前という緊迫した舞台を用いて描く。人間の深層を浮かび上がらせるにはこういう差し迫った状況が適している。
緊迫する舞台設定なうえに圧倒的なセリフの応酬で、息つく暇もない。過去のフラッシュバックも交差するので、観てる側の頭もフル回転。でも分からないことはないし、興味と緊張感はずっと持続する。あっという間の122分。アーロン・ソーキンの脚本が秀逸。
でも最終的にはミヒャエル・ファズベンダー演じるスティーブ・ジョブズが愛おしくなる。ウルフ・オブ〜のジョーダン・ベルフォードもそうだが、クソ野郎であればあるほど、その人物に引き込まれ、堪らなく愛おしくなってしまうのは、実社会も含めて自明の理なのだろう。
ファズベンダーの他、セス・ローゲンもいいし、ケイト・ウィンスレットが最高。素晴らしい演技。タイタニックの時からそうだが、絶妙に太めなのがいい。いいおばさん感が出てるなと思って調べたら、同い年だった!ファズベンダーは年下だった!改めて感じた40代orz
コメントする