「ハンデイカメラがホロコーストのおぞましい様相を追う」サウルの息子 ezuさんの映画レビュー(感想・評価)
ハンデイカメラがホロコーストのおぞましい様相を追う
ガス室に送り込まれる人々の息づかい、絞り出される声、閉められた鉄扉を叩くこぶしの音、飛び交う単語、怒鳴り合い。
人間を大量に抹殺して行く収容所で、ガス室に誘導し、遺品や遺体を処理するのも彼等の仲間。抵抗すれば殺される。僅かな糧で寝ることすらままならない"対独協力者"。
目の前で殺された見知らぬ少年の遺体を、なんとか手厚く葬りたい男の思いは、生きることを許されない絶望の中の祈りのようなもの。
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