「罪悪感?」映画 聲の形 ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
罪悪感?
小学校の教室のシーンで、転校生がやってきて挨拶をするが、ノートに書いた文字によるものだった。その後、すぐにいじめの対象になってしまうということがわかり、嫌な予感がしてしまった。結局、彼女はいじめが原因かどうかわからないが転校してしまう。
高校生になった主人公は、彼女と再会し、今度は恋愛の対象となる。最初、この展開はありえないと思ったが、子供の頃は好きな異性に対して照れ臭いから、かえってぶったりして注目を引こうとするが、それに近かったのかな?だから、いじめっ子の女子が言っていた、「罪悪感的な」感情で付き合っていたと言う事ではないと思う。
最後は、すべてが良い方向に収まるハッピーエンドとなる。感動的な良い作品だったが、2点気になるところがあった。
1つは、主人公が稼いだアルバイト代170万円を母がうっかり燃やしてしまうこと。それはないだろう。もう1つは、花火大会の途中で、彼女が自殺未遂を図ったこと。これもそれはないだろうと思った。あまりにも唐突すぎる。その後ちょっと考えて、これはもしかしたら幸せの絶頂で人生を終りにする「髪結いの亭主」のパターンなのかなとも思った。でも違った。
視覚障害の人が出てくる映画は結構多いが、聴覚障害の人が出てくる映画は意外に少ない。前述の、「雨鱒の川」や「レインツリーの国」、古くは「愛は静けさの中に」ぐらいしか見ていない。どれもいい作品だった。あと、まだ見ていないが、松山善三監督の作品「名もなく貧しく美しく」もあったので、今度見てみよう。
いじめの問題を扱っているので、深刻になりがちだが、女の子のキャラがいわゆる萌え系で、そのギャップが個人的には気に入っている。
あと気に入っているのは、主人公が距離を置く同級生の顔には✖︎が付いていたが、親近感が生まれてくるとその✖︎が落ちて顔がはっきりわかるようになること。特に最後の学園祭で、一斉にみんなの✖︎が取れたのは、、ハッピーエンドの感動を盛り上げる素晴らしい演出だった。