「聴覚障害者をテーマにお涙頂戴映画では終わらない素晴らしい作品」映画 聲の形 ウィリーさんの映画レビュー(感想・評価)
聴覚障害者をテーマにお涙頂戴映画では終わらない素晴らしい作品
コメ欄を見ると、川井ウザー、キモッとのコメントが多く見受けられるけど、 多分その言動・行動だけではなく、ほかの登場キャラ達がこの物語が進んでいく過程での心情変化によって 大きく成長していくのが感じるのに対し川井にはそれを感じ取れない部分も皆が嫌悪感を覚えるとこだと思う。
原作コミックでも過去編小学生時代から、川井のいい子ちゃんアピが描写されてるんだけど、
川井自身がかわいいと自覚してるこその優等生的な言動や天然なふりしたぶりっ子行動のあざとさは、
石田を含めたメインキャラ達はもちろん、クラスメイトのモブJK達にも見透かされていて、 まじ気持ちワルイって思われてる。
因みに俺もこれで女子のあざとさって、
あくまで理想が「俺ガイルのいろはす」や「からかい上手の高木さん」の萌えで、
リアルだと川井のウザッになるんだと学んだ。
そんでもって、川井自身も既に小学生時代に完成された処世術が、
他者からのガチキモ評価されてることに 薄々気づきつつも、
それでも反省や改善することはせず、
むしろ揺ぎ無い純度100%の自己愛で自身を肯定し、
それ以上に否定する者に強い敵意を燃やし、
そして攻撃も忘れない。
詳しくは原作コミック6巻に『川井みき』タイトルで1話描かれてるから必見
自分は、中学までは西宮みたいに周りにいらない気を使い、良かれと思ったことが裏目に出るKY陰キャで、
高校からは、そんな自分を変えようと理想としたのが、ある意味川井みたいな陽キャだったから
そのデビューした結果が、リア充カーストグループには入れたけれども、正直3年間息苦しい思いをした思い出しかない。
大学は身の丈以上の友達付き合いはすまいと考えすぎ、一時期は石田ほどではないが結構なコミ症でヤバかった。
だから、川井は人格的には完全にOUTだけれども、自身を迷いなく肯定できるブレない生き方には、
少しうらやましくもあり共感も感じる。
そう理解できると、映画初見時にかなりイラッと感じた飛び降り事件後の西宮を励ます
演技かかった抱擁シーンでの 川井が掛ける言葉は、ある意味自身を肯定する際の強がりなんだろーなと思える。
(ウザイけどね。)
以上も含め、聴覚障害者をテーマにお涙頂戴映画では終わらない『聲の形』は本当に素晴らしい作品だと思う。
最後に、どーしても映画視聴のみだと知りえない
服飾デザインアーティスト視点からの植野と佐原の関係、
さすが川井が恋するサイコ真柴の影ある過去と人物像、
理解ある友人だけではない黒永束君の陰キャ部分の人間臭さ
などなどあるんで、是非原作コミックは読んで欲しい
そんでもって再度映画見ると更に共感できると思う。