「早見沙織の硝子にはもはや泣く以外ない」映画 聲の形 ふまさんさんの映画レビュー(感想・評価)
早見沙織の硝子にはもはや泣く以外ない
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原作を読んでから3回鑑賞。原作からエピソードが削られているが、原作の良さの核の部分を活かした、良い映画にまとまっていた。君の名は。の美麗さは永野の「ゴッホよりもラッセンが好き」というギャグのようで、鑑賞する側が本当に求めているものか疑問だが、本作の美麗さは、心に問題を抱える主人公たちを包む世界まで暗くしないように配慮したものとのことで、意味がある美麗さになっている。のっぺらぼうな表情の君の名は。と違って、心情をうまく捉えた作画になっていて、そこにプロの声優の声が乗ると、本当にキャラクターが生きてもがき苦しみ喜んでいる様が実感できる。早見沙織の演技する硝子にはもはや泣く以外ない。真柴が若干謎キャラクターのままになってしまったが、エピソードの取捨選択の関係上、彼に暴力をふるわせないほうがいいだろう。現実世界にも部外者と身内の境界線上みたいなひとはいるし、これはこれで良かったと思う。映画づくりのエピソードが省かれたにも関わらず、永束くんの良さは存分に発揮され、観客も多くが笑っていた。将也の物語としては、あのエンディングは良改変といえる。結果、心を強く揺さぶられる傑作となっていた。
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