「重苦しい映画」葛城事件 ゆささんの映画レビュー(感想・評価)
重苦しい映画
全ての歯車が音を立てて噛み合わなくなる様なそんな映画でした。
作中のモチーフは昨今の様々な事件を参考にしたとの事でしたが、獄中結婚は宅間守ですかね?
家庭環境的には秋葉原無差別殺傷事件なのかしら
あらすじはほかの方が述べているので省略しますが、全体的に重々しく暗い映画です。
実際にあった事件をモチーフにした映画は好きでよく見ますが、今までにない構成で最初は中弛みするかもしれません。
登場人物全てがどこか狂っていて壊れていて。
父親演じる三浦友和は、父親としての威厳や一城の主としての責任故によく出来た長男には甘くよく出来ていない次男には厳しくといった昭和の親父あるあるみたいな役どころで、でも自殺した長男を自殺と認められなかったこと。
死刑になった次男の嫁に俺が3人殺したら結婚してくれるのかと迫るシーンでは、家族というものにこだわりが強く最後家を建てた時に子供と同じように成長するみかんの木で自殺を測ったが死にきれず、蕎麦をすすりながら終わっていく後味の悪さが際立ちます。
長男役の新井浩文は、優しくて少し自己主張が出来ない平和主義者。
営業として就職したが、成績が悪くリストラされそれを妻に言えずに自責の念を持ち自殺を計ってしまう。
元々新井浩文さんを知ったのが隣人13号で、あの役柄のイメージが強かったのですがあんなに弱々しい演技も出来るのですね。
三浦友和の嫁役に南果歩。
旦那と居る時は、優しくそして弱々しくハッキリと言えなかった人が三浦友和から離れるために家を出て次男と一緒に住み始めた頃から心が壊れて行って饒舌になる。
最終的には精神病院に入院されてまさに堕ちてしまった人。
次男役に若葉竜也さん
この方は存じ上げなかったのですが、子役から活躍している方なのですね!
無職で気力もなく何を目指しているか何を考えているか分からない役を演じたのは素晴らしいと思います。
この方が演じた稔が無差別殺傷事件を起こし、死刑と判決されてしまう犯人役。
難しい役どころだったでしょうに、中々見せてくれるシーンが沢山ありました。
そして犯人役の嫁さんに田中麗奈
彼女は死刑反対派の人物で、殺人を犯した稔と獄中結婚しています。
彼女の狙いは結婚をして話し合えば何か変わるかもしれない。役に立てるかもしれないと考えている、ちょっとネジの外れた女性です。
獄中結婚してしまえば、嫁としていくらでも面会に行けるのでそうしたのかと。。
全体的に現在と過去を行き来する作品で、それも作中の流れが分かりやすくなっているのでどうか最初の30分は見て頂ければと