「ひたすら救いがない」葛城事件 めるさんの映画レビュー(感想・評価)
ひたすら救いがない
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登場人物、誰に対しても共感できない。
先日観たアイアンクローもそうやけど、この作品も諸悪の根源は結局父親。事件が起こった後も、現実から目を背けている。被害者のかたへの謝罪の気持ちは感じられず結局は夫婦ともに自分のことしか考えていない。自己中心的。家は唯一の自分が幸せだった頃のステータス。その家で自殺をしようとしたのもなんとも自己中心的。もちろん、周りから孤立し、責められ苦しいという気持ちもあったんやろうけど、手放すくらいなら死んでやるという思いなのかなと解釈した。全く同情できない。
自己中心的というのは息子にも言えることなんやろうな。親への復讐のために犯罪を犯したという面ももちろんあるんやろう。定職につき、父親とは違う人生を歩む。真っ当に生きるという選択肢があったにも関わらず人を殺すという選択肢をとった。ほんまに救いようがない。毅然とした態度で接することなく甘やかした母親も同罪。
保は、結局はこの家族の負のループから抜け出せないと察して自殺したんやろうなあ。日本やと完全に親子やきょうだいの縁を切るって難しいもんね。自分の息子が暴力を振るわれた時にきちんと意見を言えない時点で普通ではないよね。
支配的な父、目を背ける母という構図はアイアンクローと一緒やけど、その後どう生きるかは結局自分の意思で決めていかなあかんのよね。アイアンクローの主人公のようにある意味逃げるという選択肢をとらなかったのが悲劇の元やったんやろうなあ。
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