「最低な親父」葛城事件 ♪riko♪さんの映画レビュー(感想・評価)
最低な親父
実際に起こった事件を基にしたフィクションである本作は作品的には良いのだが、そのてのトラウマを抱える者にとっては苦痛この上ない作品である為★1つ。
葛城清の全てを象徴するマイホーム。
庭に植えたみかんの苗木は子供達の成長を願うもの。
親の代から継いだ金物屋を営む清は一国一城の主人かのように家族に対し抑圧する。
清はプライドが高く自分以外の全てに否定的。出来の良い長男を褒め、何をしても長続きしない次男を罵倒する。妻は清のストレスの捌け口となり暴力を受ける。そんな支配的な日常から長男は自立し家を出て家庭を築く。
残された妻と次男は1度は家を出たのだが、見つかり家に戻る。
最後の晩餐…何が食べたい?
母が息子達に話す姿が本作の中で唯一ホッと出来るシーンだが、そんな最中にドアが開き…清が…緊張感半端ない。
長男の自殺、次男の死刑、妻は精神崩壊により施設、
清のマイホームには誰も戻って来ないのにそれでもしがみつく清の姿にムカムカする。
こう言う人いるね〜って思った。
家族から嫌われてるし、周りの人だって挨拶程度の付き合い。家業だって客も来ない金物屋で収入あるの?と思うけど、一応社長だから見栄っ張り。息子の嫁家族には大盤振る舞いし、中華料理店の店員には常連客ぶって横柄な態度。人を見下し最低な親父だ。
あー全く腹が立つ‼︎
次男が最後に本音を言った。
自分の駄目さは十分理解してる。けど認めたくないから他人を、日本を、誹謗中傷しどうにか自尊心を保ててる。嫉妬に狂って事件を起こしたって。
次男は清によく似ているが清より賢いのかも知れない。狂ったイノシシは殺処分に…と。
葛城清…こいつこそが悪の根源なのだ。
家族こそが被害者だ。
死刑囚と獄中結婚ってよく聞くがその真意が理解出来ない。死刑制度廃止はわかるが死刑囚と面会が許されるのが家族だけだから獄中結婚するの?謎である。