劇場公開日 2016年3月4日

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「この映画のポスター、コピー、サブタイトル、予告編は詐欺である。」マネー・ショート 華麗なる大逆転 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この映画のポスター、コピー、サブタイトル、予告編は詐欺である。

2022年2月10日
PCから投稿

私は、「事実を基にした映画」と最初に出る映画が嫌いである。
仮にラストがいまいちでも「だって、これは事実ですから」って
逃げているような印象を受けるからである。

結果から言うと、この「事実を基にした」映画は成功である。
実は我々は(私は)リーマンショックについて詳しくは知らない。
しかし、結末だけは知っている。それが、この映画の最大の見どころ。

鑑賞前のリーマンショックの知識
米国のサブプライムローンの崩壊により、リーマンブラザーズが破綻したことに
端を発した世界的な金融危機。

そうではないよ!金融とか、破綻とか投資とか難しいから嫌いでしょ?
簡単にまとめるから知っておいて!知らずに損をするのは、あなたたち庶民ですよ!
という映画である。

劇中しばしば、俳優たちがカメラ目線で語るシーンがある。
これが実に効果的。
「はい、今難しい単語が出てきました。それを簡単に説明するから見てね。」
という意味合いである。
つまり、この映画はバラエティテレビでいうところの再現VTRなのだ。

業界を上から牛耳っている連中のなんと卑劣で汚染されていることか。
一部逮捕者はでるかもしれないが、大半はのうのうと大金をもらい
罪を償うどころか、いまだハイクラスな生活をしている。
割を食うのは底辺の庶民たち。

なにも金融だけの話じゃない、医療業界、食品業界、テクノロジー業界、
そして政界。
あんたら庶民は、自分で調べることも考えることもせず、上から操られてばかり。
今回だけは分かりやすく教えてやるから、今後は自分で調べて考えなさいよ。

と、言われている気がした。

サブタイトル「華麗なる大逆転」華麗でもないし大逆転でもない。
ポスター 4人が連携して絡むこともないし、俳優の名前配置も間違ってる。
4人はアウトローでもない。

「クセのある4人の、金融を題材にした痛快大逆転もの」
と思って観たあなた(私)。
すでに広告代理店に操られているよ。

にゃろめ