「レストランのオヒョウと、ベガスのブラックジャック勝負が一番わかりやすい。」マネー・ショート 華麗なる大逆転 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
レストランのオヒョウと、ベガスのブラックジャック勝負が一番わかりやすい。
アメリカの金融業界のシステムが難しいのですが、例え話が最も伝わってくる。4人の男たちの焦りもひしひし伝わってくるのですが、最後にはこの世は詐欺で出来ているという痛烈な言葉が響いてくる。
クリスチャン・ベール。義眼でヘビメタを愛する孤高の投資家マイケル・ベーリ。いち早く「空売り」にて予見していたようだが、空売りの担保も増えてきて瀬戸際に立たされる。株価大暴落が起きなければ真っ先に破綻してた男なのだろう。
スティーブ・カレル演ずるマーク・バウムは顧客のことも考えるが、批判精神も旺盛。講演会にて質問攻めにするところは胸がすく思いになりました。その他ライアン・ゴズリングもブラッド・ピットも粛々とした雰囲気がとても良かった。
MBS(モーゲージ債)、CDOとCDSなど勉強させてもらった(多分すぐ忘れる)が、70年代における銀行家が住宅ローンの固定金利をまとめて証券化してしまったことが発端。資本主義を違ったものに変えてしまったのだ。
昔の麻雀劇画の中に「ほっかいどー」というのがありましたけど、4人の面子が麻雀してる後ろで誰が勝つか賭けるというもの。この映画のベガスシーンがそのまんまでした。会社の業績を中心に予測して株を買うとか、そんなのは古典に過ぎなかったのですね。最も腹立たしいのが格付け会社で、90%が安定のAAAにするというほぼ詐欺みたいなことを平気でやっていたことだ。日本においても、このコロナ禍で国民の年金が使われ操作されてることが今後どのような結果になるのか心配だ。もはや短期的運用ではないのだから・・・
リーマンショックの全貌をシリアス、コミカルに描いたのは評価されるべきですが、過去のことなんだと満足するだけでなく、未来のことまで考えるよう警鐘を鳴らしている作品だと思います。最後に、マーゴット・ロビーをもっと見たかった・・・