クズとブスとゲスのレビュー・感想・評価
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本当に言いたいことを言えない子
どうしようもない映画なんだけれど、どうしようもない社会を描いているのだから。
どうしようもない時代を生きているのだから、仕方ないのではないのかな?
共感を求めている訳ではなくて、こういう世界なんだよ、と言われたら、
そうかもしれないね。哀しく頷くしかないような気がします。
映画を観る時に、気分を上げてくれたり、多幸感を与えてくれたりすることを
期待しているとしたならば、これはそんなタイプの作品ではありません。
……ただ、共感してくれ、同情してくれとは、一言も言っていない。
黙って、ぼろ雑巾のように叩きのめされても、わかってくれとは言わない。
ただの肉の塊としてそこに在る、そのことだけは認めてくれよと圧を掛けてきます。
監督にして主演の奥田庸介の佇まいは、ただ事ではありませんでした。
最初から最後まで、ほぼ100%に近い不快感をばら撒き続けているのが凄いです。
でもね、他人に迷惑を掛けて喜んでいるような余裕が、スキンヘッドにはない。
ただ、金を稼ぐ手段として、そんなことしか学べなかった貧しい出自のせい。
相手がどうこうと慮る心の余裕が無い。自分が生き延びるための金に必死なだけ。
悪気は無くて、そういう生き方しか出来ないようになっているの。
だから、最後に、リーゼントの男には女の画像の隠し場所を教えるし、
自分(監督自身)が壮絶な暴力の対象とされるシーンを延々と撮っても、
女の子に対する直接的な暴力シーンは意外なほどに少なかったりします。
端的には、ヘテロセクシュアルな表現をナイーブなまでに抑制していましたし。
作品自体をポップな映画にしようとするならば、2時間超の時間を程良く刈り込んで、
可愛いお馬鹿の子=リーゼントの男と恋人を主役に持ってくること。
(スキンヘッドを主人公にする限り、ドストエフスキー的な文学にしかなりません)
子供が出来たバーのマスターも、ガンジャ好きの人も、父子家庭のヤクザも
それなりにハッピー・エンドを迎えさせてあげること。
ヤクザの手下も誰一人として死なないようにすること。
スキンヘッドの男の生命力は、今でも超人的ですが(普通、あれは死ぬだろ)、
明らかにあり得へん! もう笑うしかないところまで持っていくこと……etc.
嗚呼、たぶん、簡単にやろうと思えば出来るんでしょ。
でも、そうではないんだ!と、「愚」を貫いた監督の心意気に脱帽です。
内容というよりハゲゴリラに魅入る
内容は正直、よく分からない。
まあ読み通りのところもあれば意味不明な部分もあり、なんとなく全体の流れとしては皆、堕ちていくって感じ?
ただ主人公の奥田康介さんの凄み、味がすごい。悪キャラとしてなら相当の引き合いがありそうだけど、もっと俳優として活動してほしいものです。
意欲的な作品ではある。
脚本主演監督ととても頑張っている作品だと思う。しかし肝心の話があまり面白くなく、いまいちな作品になっている。
所々は目を光らせるものがある。例えば、薬物を使用するシーンなどは、いろいろなバリエーションがあり、とても興味深く見ることができた。また暴力シーンなんかも、演出がうまく、とても痛々しい映像になっていて見ごたえがある。
しかしながら、出てくるキャラクターが誰1人として共感を持てないような人たちばかりであり、全然感情移入してみることができなかった。また、とっている行動も社会不適合と言うよりは、ダメ人間のそれ以下な行動ばかりであり、もう、かわいそうだなぁと思う気にもならない。
総じて、頑張ってはいるけれどそんなに面白い作品ではなかったなぁと言う印象になってしまった。
無関心なクズ、ゲス
あまりのクズさ、ゲスさ、ビジュアルのきたなさに気が滅入るも、とりあえず耐える。理由不明だが眼帯のバーのマスター、と、会社員をして無職前科者のリーゼント男の彼女、この2人は嫁とか彼氏に多少関心があり努力をしたり努力を願っったり友達を心配したりと矛盾ありながらも多少他人や社会との関わりがあるみたいなのだが、主人公の鼻ピアスボウズ、リーゼント男、ボウズの母親、とにかく自分以外に無関心。ゲスとは無関心ということなのだな、と思う。
ボウズが監督さんだったのか、と知り、途中のチンドンとか、様々な暴力シーンとかドラッグとか自転車疾走とか足の悪い息子とか零歳地元ヤクザとか、とにかくやりたいこと全部撮ってしまいました、という感じがして、とにかく長いので、編集でもっと洗練されたら、キャラクター設定なかなか面白いから良い作品になると思う。とにかくボウズへの嫌悪感の引き出し方がすごくて、自我強いだけでなんの深みも意味もない全ての言動が胸糞悪く、なぜすぐにその場を離れないかバカなのと思う女性キャラへのイライラ、ありえなさ。途中のチンドン入れたい気持ちわかります、がこれには要らないかな、、、、そしてみんなは半径何キロ以内?!狭い世界に住んで自分のことしか考えてないのね。大麻のお客さんが良い感じにここでは癒しになる。リーゼントの男と彼女を中心に見るとクズだけど楽しいし眼帯マスター夫婦はどんな過去があるのか知りたいと思った。不思議な暴力満載映画でなんかみていてチカラが入り疲れた、、、のでもっと短くしてください!!
ゴツゴツとした違和感
DVDでの鑑賞だが、「東京プレイボーイクラブ」「ろくでなし」そして本作の順で見ての感想
まず3本ともストーリーがどうのこうのと云うのはナンセンスな作品なのかな
スキンヘッドでゴリマッチョな奥田庸介、リーゼント男、ロン毛の眼帯男と主要キャストがいずれも異形の形相の登場人物に目を奪われてしまう
特に今作で面白かったのは、レストランでスキンヘッド男が大学生女に絡んでいく件。ワンカットでの長回しで台詞もキレてるし、物凄い狂気のユーモアを感じた
学生時代に山本政志監督の「てなもんやコネクション」を観て映画から発せられるパワーを感じたが、時代や手法は変われど奥田監督からも同じようにパワーを感じた
この監督のパワーに物語がリンクすると名作が生まれる予感がする。今後も定期的に撮り続けることを期待してます
人と獣の差
ハードボイルドやフィルムノワールでは、暗黒世界が描かれ、本作は、組織暴力には対抗できないという、北野監督作品以来と思われるリアリズムが踏襲されているが、人としての希望は描かれていない。主人公は生に執着するが、それは動物でも同じだろう。人として常識の範疇で生きる事が人生であり、踏み外した獣がいくら苦しんでも、人生の苦悩とは異なる。
超攻撃的日本アンダーグラウンド
監督演じるスキンヘッドはかなり凶暴。
アクションは本当に殴り合っているため、
痛みがモロに伝わります。
途中半端なき残虐シーンあり。(心臓悪い方注意!)
衝撃的なラストはパルプフィクションを思い出した。
90分にまとめてほしい
面白かった
ただ、この内容だったら90分にまとめるべきだし、テンポも上げたほうが見やすいし面白くなると思った。他の人のレビュー見てもそんな意見があったのでそれはそうなんだと思う。
けど普通に面白かった。
で、観終わってから知ったんだけどあのスキンヘッドが監督かーい!
題名と
色々とオカシイしい人たちのバイオレンスなストーリー
リーゼントの彼女が微妙に可愛い過ぎじゃないかな?
タイトル通りのもっとブスな女を使っていたら、もっと滑稽で面白味が増したとおもわれます。
レンタルDVDの公開舞台挨拶の映像をみて、ハゲの監督が4年間映画作れなくて辛かったから、この作品は自分の妥協していないモノを作ったと言ってましたけど、妥協してなくてこの内容か、、、と、今後の成長に期待します。
クズしか出てこない
なんの予備知識もなくDVDにて見た作品。
どうしようもない奴らのどうしようもないお話。
率直に意外に面白かったと思う。
映画の中に出てきたような人たちにはなかなか出会うようなこともないと思うが
この手のアンダーグラウンドな話は好き。
リアルアンダーグラウンドな人種の人が見たらどう感じるのかな。
アンダーグラウンドに生きてると必ずヤクザとぶつかるのは仕方ないことなのでしょう。
主人公のハゲた人が凶悪な奴なんだけど、ヤクザ相手に無双かますとかじゃなくて良かった。
喧嘩のシーンとかかっこ悪い殴り合いで見てるとコブシ当たってんじゃねって、リアルさを追求してる感じなのかな。
ヤクザ親分の息子との関係とか、万引きで謝るとことか実際はあんな感じなのかな…
エンディングはある意味ハッピーエンド(謎)、この流れだとここまでですね。
みんなクズだけど愛おしく思えた。
リーゼントカップルに幸あれ。
色物という認識で借りたが思ったより面白かった
女を脅して風俗に沈める男、薬の売人などなど、
日本のアウトローみたいな人々を描いた作品。
1シーンが無駄に長くて退屈もしたけれど、構成がしっかりしていて結構楽しめた。
主人公はアウトローというよりも、頭のネジが完全に飛んでおり、
この狂った主人公の行動が物語全体の流れを支配している。
そのせいで、他の個性的な登場人物が彼に塗りつぶされてしまうというか、
結局、彼の被害者という役割になっているのが個人的に勿体なく感じた。
暴力描写は過激で生々しく、趣味ではないので目を背けたが、
こういうものをリアルに描写すること自体に意義がある…のかなあ?
被虐または加虐趣味を映像化したかったのだろうか…
などと思いながら観ていた。
妙にリアルだと思ったら、、
暴力シーンが妙に違和感あったんですよ。
そしたら、リアルな音や血だったんですね。
納得です。 ビンを自分の頭で割った時なんてリアル過ぎてビックリしましたから。
役名を付けなかったり、1番ヤバイ奴が監督だったり、、 おもしろかったです。
やっぱり躯は基本
まるでプロレスラー同士のストリートファイトのような内容。
確かに、クズやゲスなのだけど、それほど酷い状況とは思えなかったのは、リアリティに一寸欠けるトコロが故かもしれない。
それに、ラストは結局そのゲスが自分も助かりたいとはいえ、敵だったクズと共闘してヤクザをやっつけるっていうのは何だかダークヒーローに昇華してしまっている感が・・・
いずれにせよ、監督自ら主役を演じてるところは興味深かった、というよりこの監督、俳優の方が向いているんじゃないかと。
きちんとあれだけ身体を作ってくるところとか、かなりのストイックさが伝わる。
多分、そんなに気持ちが落ち込むような程の『鬱』には成らないと思う。アメリカンニューシネマやATGの方向性だけど、わざと誇張してるところもあるし、人間刺されたら直ぐには動けないもの(苦笑)
バカとガキとヤクザ
良い歳して半グレの様な生業のボウズが良い歳して言い訳ばかりで働かないリーゼントの彼女を陥れてヤクザに売り、ボウズとリーゼントとヤクザが絡んで行く話。
登場人物の皆がみんなダメ人間ばかりで、なんとも言いにくい不快感とモヤモヤが漂い作中に引き込まれた。最後はちょっと行き過ぎ感もあったけどなかなか面白かった。
ただ、いらないシーンが結構多く少しダレ気味なのが残念。
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