「ブラックジョークで始まるハートフル・ストーリー」君はひとりじゃない kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックジョークで始まるハートフル・ストーリー
クリックして本文を読む
途中、伏線ばら撒きっぱなしで回収ナシなんじゃないかと思ったが、見事な着地点を見つけた風変わりな脚本。検察官のヤヌシュ、娘のオルガ、そして心理療法士兼霊媒師のアンナという3人の視点での物語は、最終的に3人が手を繋ぐところでまとまるのだ。
ヤヌシュの職業も、最初は警察官なのか医師なのかわからず、ひょうひょうとした態度で仕事をこなす太ったオヤジといったイメージ。そんな父親が大嫌いな娘のオルガ。ただ、一緒に暮らしているだけの存在なのだが、その存在自体が鬱陶しく思える思春期を過ぎた娘。
エピソードが上手く繋がるのかわからに上に、誰一人として笑顔を見せないという無表情演技が多い。BODYというタイトルからもわかるように、肉体と精神は一つじゃないことを意味しているように感じるし、霊媒師を否定もしないが、笑えるようなイメージでとらえたりもする。
墓場が水道管破裂によって困ってることを言い当てたアンナ。ちょっとは霊の存在も信じる気になったヤヌシュが彼女に相談するのだが、そろそろ自分でも霊を呼べるからと、机の引き出しに手紙を書けるように準備するよう助言するのだった。
最後には全然能力を発揮できずにイビキまでかいてしまうアンナだったが、そのおかげで父と娘は心を打ちとけることができた。この最後のシーンで思わず評価が上がってしまうのですが、笑いの無かった中盤から一気に表情まで氷解する展開が素敵。ほっこり。こんな可愛い子だっけ?とびっくり。
コメントする