ケンとカズのレビュー・感想・評価
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二つの魂が熱くドリフトする様に圧倒される
ふたつの魂の軌跡が渾身の筆圧で綴られた裏社会の友情ドラマだ。もともと短編作品からスタートしており、そこで育んだ物語の核となる魅力はそのまま受け継ぎつつも、いざ完成した長編版はまた新たに生まれ変わったような独自の人間描写、スケール感、語り口、表現性を獲得。作り手がいかに本作を大切にグレードアップさせたかその心意気や覚悟のほどが感じられる。性格や価値観が根本的に異なり、口を開くと言い争いばかりのケンとカズ。しかし車の修理工場を隠れ蓑にドラッグビジネスを拡大させる中で、各々の抱える人生の悩みが露呈し、徐々に人間ドラマとして側面が迫力を増すことに。ここで彼らの真の友情が試される過程の描き方が初長編とは思えいないほど熱く、見応えがある。また、車の運転席と助手席といった極めて狭い空間を使ってのアクションやカメラワークにも唸らされるばかり。この監督がこれから一体どのように化けていくのかが非常に楽しみだ。
【負の連鎖と腐れ縁】
■悪友であるケン(カトウシンスケ)とカズ(毎熊克哉)は、自動車修理工場を隠れみのとしながら覚せい剤の売買で金を稼いでいた。
ある日ケンの恋人・早紀が妊娠し、ケンはまっとうな人生を歩もうとするが、一方のカズは認知症で且つて自分に暴行を繰り返していたの母を施設に入れるために金が必要で危険な行動に出てしまう。
◆感想
・殺伐とした映画であり、救いがない気持ちになる。
<カトウシンスケも毎熊克哉も、藤原季節も今や邦画の中堅どころとして貴重な存在であるが、この頃は余り作品を選べなかったのかな。
ストーリー展開が粗いし、演出も洗練されていないかな。>
逃げ出せない繋がり
地元の抜け出せない嫌な繋がりを思い出しました。
先輩、後輩。
金。
ドラッグ。
恋人。
家族。
側から見ればさっさと逃げれば良いじゃんと思うのだけど、
当事者はがんじがらめで逃げれなくて、
この状況下でどうにかしようとする感じ
生々しくリアルで
嫌ぁな空気感が伝わりました。
こうなるしかないよなと言う終わり方だったので、
救いが欲しかった気もしました。
ケンとカズの魅力
自動車工場で働く裏でシャブの売人をしているチンピラのケンとカズ。事情を共に抱えたまま将来を不安視していた。
シャブ抗争も絶えず金も必要になって行き、敵対する相手と手を組もうとするカズだが、ケンの方はやがてシャブの世界から足を洗おうと考え始める。
チンピラの枠でシャブの売人の世界観を堪能させてくれる映画としては面白い。家族を中途半端に絡ませるのもまたいい。
ただ、面白く魅力感じるのはケンとカズ、その後輩ぐらいで敵対する売人や仕切っているヤクザに魅力を感じない。
ヤクザNO.2のカッコ悪さ演技素人さには笑う。
また、殺傷の描写もブレなどでごまかし。
乗れる車が全てレンタカーと言うのはカッコ悪い。大手では無い制作会社の作品としては良作の部類に入るのだが、製作裏側を観てしまうとカッコ良さも失われそうな映画だった。
市川ノワール
市川といっても塩浜とかあまり行かない地帯で本八幡の街とかは出てこないです。小路監督の長編デビュー作品としてはよくできてます。なにしろ今やブレークしている毎熊克哉を世に出した作品としても貴重。ノワールもので初めてチャカが全く出てこない作品をみました。
低予算だけどリアリティがあります。個人的に高野春樹の組長役が良かった。次作も期待です。
今となっては有名になってきている俳優さんで勉強がてら鑑賞した。思っ...
今となっては有名になってきている俳優さんで勉強がてら鑑賞した。思っていたより良かった。それぞれの人としての守るべきものへの正義みたいなのがちゃんとあってよかった。
面白いんだけど何かが足りない
何が足りないのか分からないけど...っていう感想はなかなか抱かないのだけども。
シャブ売りは誰が先導して始めたのか?とかケンとカズの友情は昔はどうだったのか?とか、その辺を入れ込んでいく事でよりつまらなくなる可能性もあったと思うのだけど、あまりに無すぎて、世間で言う友情というものをクライマックスの尺度にするしかないという所が食い足りないような気もした。
首上のアップが多くて海外ドラマみたいに見えるってのもあるのかな。まぁ、リアルアンダーグラウンドの存在感を顔とか目で表現するっていう狙いからすると120点だと思うんだけど。
2人のキャラの描き分けを分かりやすく、子供ができた事=父親と痴呆の母親との腐れ縁=ガキと2分した事は良いと思うのだけど、ちょっと中身が類型的だったかも知れない。嫁はもうちょい綺麗なほうが良い。
覚醒剤が具体的にどんな風に作られてどんな人たちがそこに関わってという部分はとてもリアルだし、底辺で翻弄される人たちが追い詰められていく活劇としてとても面白かった。
毎熊克哉スゲエ
2020年2月15日
#ケンとカズ 鑑賞
#毎熊克哉 の存在感というか目力ハンパないね。それだけでも見る価値ある映画です。最近は、朝ドラとかラブコメドラマでお医者さん役とかやってますけど、こっち系の役をもっと見たいですね。
ヒリヒリ系の映画好きにはオススメです。
シャブはやめましょう
無名の俳優がしぶい演技を見せてくれた。シャブ売りという反社会行為もあまり表には出ず、喧嘩ばかりしている内容だったが、所詮は覚醒剤の売人のチンケな物語。ケンには同情できるものの、他は単なるヤクザみたいなものだった。
あともう少しで、語り継がれる名作になる。
映画.COMの予告で出会い。そこから数年見る機会に巡り合わなかった。(とうに劇場公開は終わっていて、ネットフリックスなどにも公開なかった為)どうしても本作を見たくなりブルーレイを購入。
予告編から想像を膨らませ、期待してみてみたが・・・。
物語が一方方向からしか映していない事に少し惜しいなという
印象。正確には違法薬物、暴力、反社会とのつながり、恋人の妊娠、母親の痴ほう症と多面的であるようにも見えるが。
例えばそこに主演俳優の日常風景が見えるシーンを追加してみてはどうだろう。
お風呂でも、キャバクラでも食事のシーンでも良い。
更にいえば路上や職場以外での後輩と絡むシーンでも良い。
さびしい風景でも、にぎやかな場所でも景色でも良い。
この作品は本当に傑作なので数年間も編集にかける時間があれば
あとから風景を差し込むなんて簡単なことではないか。
その簡単な事で物語に深みが増すのであればぜひやっていただきたい。と文句ばかりだがこの作品が僕は本当に好きだ。
ハードノワールの隠れた傑作
邦画のインディー映画なんていうのは星の数ほどある。この作品は、沢山のインディー映画に埋もれた、確かな傑作だ。もっと有名になってもいい作品。
ケンとカズを演じたカトウシンスケと毎熊克哉がかなり良い演技をしていた。演技ではなく本当に悪いことをしてる人なのかと思わせるほど、自然体でかつ狂気を感じさせる演技だった。特に目。表情で語るような演技が多くて、目力がすごかった。顔がかっこいいだけのイケメン俳優の何倍も良いと思った。本当にリアル感満載だった。
2人が殴り合うシーン、別れてからカズが母親の首を絞めるシーンなど他にも色々、胸にグッとくるシーンが多かった。ラストの「おい!早く出せよ!」というシーンはかなり感動した。
陰鬱な雰囲気がとても良かった。普段、洋画ばかり見てる人にオススメ。
生きるとは、少しでも良く生きること
起業するなら破産を、意見を通したければ反対を、告白するなら失恋を、つまり正反対の事態を覚悟し、むしろ気持ちの面では、そうしたいかの様に行動する事もある。生きるとはいかに死ぬかだと説く葉隠の精神が、私達に染み込んでいるかもしれない。本作は重いが、人の背中を押す。生きるとはより良く生きる事であり、悩みの中にいないでさっさと行けと。
小路
凄く面白そうだっだんだけれど、今ひとつ乗れず。なんか、シャブのリアリティに欠けるのが決定的なような。ケンタとジュンとカヨちゃんの国の方がまだ何者かではあったし、三池崇史のブルースハープとか日本黒社会LEY LINESとか、柳町光男のさらば愛しき大地とか、地方×シャブ×若者が2000年代にどんだけ薄まってるつーか、マイルドになってきてるかっていう。葛西とか浦安あたりの江戸川沿いみたいなとこ。
クズとカス
クズは妊娠した彼女のため
カスは痴呆症の母のために金が必要
ワケアリのふたりは
ヤクザをあざむいて金を作ろうとするが
まぁうまくは行かないね
だんだんハマっていく様が見ていて辛くなる
カズのカスっぷりがたまらなく愛おしい
2人の間に友情とか絆がどの程度あったのかが描かれてなく
最初の方はいがみ合いながらなんでコイツらつるんでんだよ思ってた
中学時代の先輩のヤクザもしかり
最後はどう話しを落とすのか引き込まれた
誰も彼も不幸な救いようのない話
カスのカズだけど根はいい奴が僅かに見られた気がして虫唾が走った
たまらなく愛おしい
よかった
全く景気が悪くて、実際社会の景気が良くても景気が悪い人はいて、この人らは社会と関係なく常に景気が悪そうだ。それで悪事に手を染めて悲惨な状況を招いているのだが、そういう流れに陥ってしまっているのが原因としか思えない。そうならないような分岐点がいくつあったとしても、そっちを常に選んでしまうのだろう。突き放したい気持ちではなく、同情的にしょうがないよねと言いたくなる。
ケンの横顔が電球のようなシルエットで、顔がかっこいいのにかわいらしかった。カズのいじめっ子面が怖い。こんな怖い顔だし、ファッションや生活圏がそうだから、そんな状況もしかたがない。お金がたくさんあったとしても大差ないのではないだろうか。生い立ちにお母さんのDVがあったせいかもしれないが、なかったとしてもセンスがそうだから変わってないのではないだろうか。
そんなように、オレは人は生きたいように生きていると思っているので、いろいろ原因や言い訳や文句があったとしてもそれもその人の選択が大きな比重を占めていると思う。そんな思いをますます強くする映画であった。
もっとシャブでらりっている場面が見たかった。ヤクザが小さい一家とは言え、人数が二人で、親分なのに自ら身を張っていてえらい。
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